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昨日開催されたニューヨークのクローズ予備選では、ドナルド.トランプおよびヒラリー.クリントンが圧勝した。クリントンは4月5日ウィスコンシン州で開催された予備選で圧勝したサンダースを打破した。同じく5日に大勝利したテッド.クルーズは19日NYのクローズ予備選でジョン.ケイシックにさえ10%ポイントもリードされ、惨敗に終った。クルーズの敗北は、1月の討論会で「ニューヨークの価値」に関する論議で同州を侮辱する印象を与えたことが一因かも知れない。昨日NYでクリントン及びトランプが跳ね返しを見せた予備選結果は、代議員獲得数から判断し、正常なプロセス下で クリントンおよびトランプ両氏が指名を獲得する可能性が濃厚である。NY州の投票結果は幾つかの要因を示唆している。

以下のチャートは昨夜96%の開封時点で判明したNY州の投票結果であり、代議員数は最新のNew York Timesの記録に基づいている。

候補者 票数 票率 代議員数(S.D)
クリントン 994,181 58% 1,446 + 502
サンダース 728,035 42% 1,200 + 38
トランプ 480,429 60% 844
ケイシック 201,806 25% 147
クルーズ 118,321 15% 543

S.D=スーパー代議員数

トランプおよびクリントン両氏にとってNYはホーム州であるため、彼らの勝利は投票前に公表された幾つかの世論調査の予測通りであった。クルーズは明らかにNY市民に歓迎されていなかったようである。1月14日サウス.キャロライナでフォックス.ビジネス.ネットワークの主催により開催された討論会で、クルーズはNY州には社会的に同性結婚や中絶問題などリベラルな「ニューヨークの価値」が浸透し、エリート.メディアの拠点だと批判的なトーンで語った。また、多くの保守派はマンハッタンの出身ではないと述べ、トランプは保守派ではないことを強調した。マンハッタンに住むトランプは、クルーズの発言は侮辱であると指摘し、9.11の同時多発テロ攻撃で世界貿易センターが崩壊する瞬間を目撃したショッキングな思い出を語った。悲劇後に再構築したニューヨーク市民の勇気を称え、黒煙、死の臭いさえ感じた最悪の時、お互いに助け合い団結したNYの人達は素晴らしいと述べた。この討論会以来「ニューヨークの価値」という表現が流行になり、頻繁に使われるようになった為、討論会でのクルーズの発言は投票に影響した可能性がある。クリントン及びクルーズもNYでのキャンペーンを実施したが、クルーズは一部の地域で彼を歓迎しないことを露骨に表現するNY市民に遭遇した。

NY州の投票は東部時間午後9時に閉鎖されたが、トランプは午後9時30分にトランプ.タワーから大勢の支持者に囲まれて勝利宣言を行なった。いつもの雰囲気と異なり、落ち着いた冷静な態度でニューヨークの人々に感謝を表明し、海外の仕事を米国に戻し、米軍を再構築することなどを語った。トランプは「我々は合法的に再びとても偉大です。我々にはもう沢山の競争はありません。クルーズは数学的に抹消されました」と述べ、代議員数獲得の側面から最早クルーズはトランプに対抗出来ないことを暗示した。

クリントンは東部時間午後10時20分にマンハッタンのキャンペーン本部から勝利宣言を行い、NYはホーム地であるため、個人的な思いがあると述べ、有権者に勝利の感謝を表明し、今年の大統領選は 「我々の時代で最も重大な選挙です」と述べた。クルーズとトランプは分裂的でもっとも危険な候補者であると語り、イスラム教徒及び移民に対して「非常に異なるビジョン」があると指摘した。国を分裂することではなく、お互いに助けあい「アメリカは問題を解決する国である」と述べた。また、退職年金および医療保険を確保し、強制送還を停止し、気候変動と戦い、刑事司法制度を改革する事で人種差別に挑戦し、包括的移民改正法に取り組み、女性に対する同等の支払いを目指し、まだ経済苦に直面している多く人々のため賃金を上げることなど再び政策をアピールした。

4月5日に開催されたウィスコンシン州の予備選ではテッド.クルーズが約501,000票(48%)を獲得し、トランプの約360,000票(35%)を圧倒的にリードした為、クルーズに指名の可能性があると言われていた。同じく、サンダースも約524,000 票( 57%)を獲得し、クリントンの404,000 票(43%)を遥かにリードした為、サンダースは希望に満ちていたが、19日のNYでのクローズ予備選では立場が逆転した。25%以上の有権者は両党には属していない人口層であり、そのうちの何%かの有権者はサンダースを支持する独立派として民主党に投票登録しなかった可能性がある。また、サンダースは討論会では毎回クリントンがウォール街の金持ちから寄付を受けていると頻繁に個人攻撃し、同じ批判を繰り返すサンダースに対して、クリントンはある時期に事実を伝えていないとして怒りを表明した。寄付金の大半はクリントン財団に寄付されるため、規則的には寄付金の個人的利用は不可能である事は確かである。しかし、クリントンはウィスコンシン州で大勝利した彼に「おめでとう」と伝えるメッセージをツィートした事が報じられた。

トランプのNYでの圧勝は「ニューヨークの価値」論議に加えて、同州には強固な保守派が少ないことが要因である。幾つかの世論調査では共和党支持者の約50%は穏健派であると答えている。穏健派共和党の票はリベラルな政策と保守政策の両方を併せ持つトランプおよび穏健派のケイシックに流れた可能性が高い。また、NYリベラル派の約50%は中道的リベラルであると答えている為、極端にリベラルではないクリントンに有利だったことを示唆した。いずれにしても、19日投票後の代議員数はクリントンとトランプが盤石であり、トランプが指摘した通り、数学的にサンダースとクルーズは対抗困難な状況になったことを示唆した。今後残っている予備選で重要な州は人口の割合に比例して代議員数も多い州である。その観点から 4 月26日に開催される5州のうちペンシルベニア及び6月7日のカリフォルニア州は注目に値する。

 

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