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最も指名獲得の可能性があるドナルド.トランプさえランニング.メイト( 副大統領)を公表していない時、テッド.クルーズは 26日の予備選に敗北した翌日、非慣例的なタイミングでランニング.メイトを選んだ。これは前代未聞ではないが、なぜクルーズはこの発表を共和党全国大会前にする必要があったのか?なぜ、カーリー.フィオリーナを選択したのか?この動きには幾つかの理由があると思われるが、この決定が成功する保証はない。昨年10月末政界から去った元下院議長のジョン.ベイナーはこのクルーズの動きに最初に反応したが、他の候補者について彼の思いを率直に表現し、クルーズに対しては強烈な嫌悪感を表明した。

ベイナーは27日夜、スタンフォード大学の歴史学者デイビッド.ケネディとのインタビューで、クルーズの公表について聞かれた瞬間、顔をしかめた為、会場から笑いがあったと報道されている。クルーズを「 魔王と呼び、「私は民主党の友人や共和党の友人がいます。ほとんど皆と仲良くつき合っていますが、私はこれまでの人生で、もっと惨めで嫌な奴と一緒に働いたことはありません」と語った。また、ベイナーはトランプとは数年一緒にゴルフをしていることを語り「テキスト.メッセージを送る仲間」だと語った。ジョン.ケイシックについては付き合いにもっと努力を要するとし、「彼も私の友達であり、彼が好きです」と述べた。また、トランプは共和党の「推定指名者」であることを認め、トランプの政策に完全に同意していないが、彼の選挙での成功に驚いていることを表明した。また、彼が指名を受けた場合、総選挙で彼には投票する意志がある事を表明し「クルーズには投票しない」と宣言した。また、民主党の候補者に関し、バーニー.サンダースはヒラリー.クリントンに著しく戦っているが、「クリントンは指名を獲得するだろう」と予測した。サンダースのすべての政策に同意しないが、サンダースを「良い男性」であると述べ、大統領選の候補者の中で「最も正直な政治家」であると表現した。クリントンに関して、最初「私は女性です。私に投票して下さい」とクリントンをまねる冗談を述べた為、会場からの否定的な反応があった。その後、ベイナーは25年間クリントンを知っており、彼女は「非常に成功した頭の良い」女性であることを知ったと補足した。

野心家のクルーズは特に経験豊かな主流派の共和党に嫌われているようであるが、元下院議長ベイナーもクルーズに対する嫌悪感を的公場所で強烈に表現した。まだ大統領の指名を獲得していないクルーズが副大統領を指名することは、大統領選出の執着が強烈であることを示唆しているが、26日の予備選後、何故フィオリーナを選んだのか?その理由は幾つかある。女性の投票は共和党間の競争の鍵を握っているが、トランプは女性に人気がない為、クルーズとフィオリーナのターゲットになりやすい。4月1日のギャロップの調査報告によると、70%の女性はトランプに対して非常に否定的な意見を持っており、好ましく思っている率はわずか23%である。このトランプの弱点を益々弱体化することが一つの作戦である。共和党女性有権者にアピールすることを狙うクルーズの作戦は、まだ勝利する可能性を信じている「幻想」であると批判する声もある。なぜなら、残された代議員数を全て獲得したとしても1,237にはまだ満たないことは数学的に予測可能であるからだ。しかし、クルーズの作戦はむしろ、7月の全国大会前にトランプが1,237の代議員を獲得する事を阻止する為である。女性の目をフィオリーナに向けることで、多少なりともトランプへの投票を阻止する事が可能であれば、コンテスト大会に発展する場合もある。従って、賢いクルーズは大会で指名投票を行なう全国の代議員に対する戦略として準備している可能性が高い。

なぜ、フィオリーナを選んだのか? クルーズは「トランプが指名を受けた場合、11月の総選挙ではクリントンに敗北する」と頻繁に述べている。それはほぼ全ての世論調査が予測しているからである。クルーズ は11月の大統領選で共和党の勝利を願っている議会内外の共和党を説得するためには、クリントンを敗北に追い込む事が可能な候補者は、トランプではなく彼自身である事を強くアピール必要がある。その為には、クリントンを攻撃することに躊躇しないランニング.メイトが必要であり、それが女性であるなら更に申し分ないと思われる相手はフィオリーナである。これはクリントンを強く意識した作戦である。なぜなら、フィオリーナは2015年5月 4 日立候補を宣言して以来、今年 2月10日に辞退するまで、共和党討論会では毎回必ずクリントンを最も熾烈に批判しており、彼女こそクリントンを激しく攻撃することにためらいのない唯一の政敵である。クリントンに対する極論や虚偽の主張を重ねることで、女性支持率の高いクリントンの優勢を弱体化することがフィオリーナを選んだ別の理由である。

トランプはある時点で、フィオリーナについて「あの顔で大統領になれると思いますか」と彼女の容姿を侮辱したことがある。トランプ及びクリントン両氏を激しく攻撃する人物はフィオリーナだけであり、彼女が再び大統領選の競争の舞台に立った場合、メディアはしばらく彼女にスポットを当てる可能性がある。その頻度が高いほどトランプへの焦点は薄れる結果になる。これはトランプからクルーズに焦点を向けることで大会前にトランプの指名獲得を弱体化する為のメディア作戦であると思われる。これらは全て、クルーズの最後の抵抗かもしれないが、弁護士でもある彼は、理論闘争にかけてはトランプより才能を秘めている為、全国大会でトランプに投票するつもりである一部の代議員の意識を変える可能性はあるかもしれない。

しかし、既にクルーズ及びフィオリーナ同盟の作戦は成功しないと予測されている。何故なら、トランプに対する絶対的反対派が存在する事と同様、トランプが指名を受けなかった場合、クルーズには投票しないと宣言したベイナーは例外的な存在ではない。クルーズのような過激派が議会を分裂させ、彼を辞職に追い込んだことを体験しているベイナーはクルーズの作戦が確実ではないことを示唆するモデルである。更に、フロント.ランナーに敗北した大統領候補者がランニング.メイトを選んで成功した歴史的例はない。フィオリーナがキャンペーンを辞退した主な理由は、頻繁に支持率が3%以下であった事であり、そのような候補者に引かれる有権者は少ない。今後の予備選で最も重要な州はカリフォルニアであるが、同州は最もリベラルな州の一つであり、極端な発言をする傾向があるクルーズとフィオリーナはこの州の有権者の支持を得る可能性は極端に低い。従って、メディアはクルーズが必死にもがいていると見ている。

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