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昨夜、オバマ大統領最後のホワイトハウス記者夕食会が開催された。コレスポンデンス.ディナーと呼ばれる恒例のイベントには多数のメデイア関係者およびセレブが招待される。毎年オバマ大統領は30分以上のジョークを披露し、参加者を始終笑わせることがコレスポンデンス.ディナーの特徴である。驚く事に、ドナルド.トランプの大統領に対する憎悪の意識は2011年のコレスポンデンス.ディナーの夜から根付き、大統領選にかける執念はその復讐に根ざしていると憶測されている。トランプの過激的な反メキシコ移民およびイスラム教徒に関する論争がピークに達した3月、一部のメディアはトランプの台頭は「共和党の知的退廃」が要因であると鋭く指摘し、共和党の政策は論理的でなく感情的であることを示唆した。

トランプはオバマ大統領の就任後「オバマは米国生まれではない」と主張し、執拗に誕生証明の提示を要求した。大統領はホノルルの病院で誕生した為、病院側が誕生証明を公開するまで集中的に大統領を攻撃していた事実は良く知られている。就任3年目を迎えた2011年のコレスポンデンス.ディナーにはトランプが参加していた。この夜、大統領はトランプに「恥をかかす」ジョークを披露したと言われている。トランプはこの時の怨念を燃やし続け、それが2016年大統領選立候補の隠れた動機になったとの憶測がある。

2011年4月ワシントンのヒルトンに集まった有名人に混ざって、トランプはホワイトハウス記者夕食会に参加した。この日大統領はパンチ.ラインとして大統領選の立候補を考慮しているトランプを選んだ。大統領は、彼が「ケニアで生まれていたという誤った噂」にトランプが固執していたことを嘲笑し、トランプのリアリティ.ショーであるThe Celebrity Apprenticeをからかった。トランプは最初笑顔を見せたが、大統領のトランプに対する皮肉が続いた為、他のテーブルにいた人達はトランプの反応を見るため首を伸ばした。夕食が終わると、トランプは不快な表情で素早く退散した。ニューヨーク.タイムスは今年3月12日の記事で、ワシントン.ポストの編集責任者はその当時のトランプの様子を「最大効率」で去ったと述べたことを伝え、大統領のトランプに対する皮肉はトランプを怒らせる結果になったことを指摘した。5年前コレスポンデンス.ディナーに参加し、トランプを知っている一部の人達は、トランプは大統領から屈辱を受けたその経験により「以前隠れていた深い復讐の熱望が引き金になったとの印象を抱いているという。

4月30日、大統領任期最後のコレスポンデンス.ディナーで大統領は、共和党候補者の中で指名を受ける可能性が高いトランプを再度ジョークの話題に取り上げた。多数のメディアは、それはベスト.ジョークのひとつとして評価し、その瞬間を描写している。昨夜のオバマ氏は、幾分疲れた顔色であったが、準備された冗談をほとんど始終披露することで会場に笑いを渦巻いた。オバマ氏は「私は彼が今夜ここにいないことに少し傷ついています。そして、それは驚くべきことです。部屋は記者、有名人、カメラマンで満員です。彼はノーと言いますか?このディナーはドナルドには低俗すぎますか?彼は参加せず何をしているでしょうか?彼は自宅でトランプ.ステーキを食べていますか?アンジェラ.メルケルを侮辱するツイートをしていますか?彼は何をしているのですか?」と語ると、非常に混んでいる会場から笑いが響いた。また「主流派の共和党は彼が指名を受ける可能性があることを疑っています。ショッキングです。彼等は、大統領になるには彼は外交政策の経験が不足していると言っています。公正な言い方をすれば、彼は世界中の指導者と長年過ごしました。ミス.スウェーデン、ミス.アルゼンチン、ミス.アゼルバイジャン」と語り、トランプは美人コンテストの娯楽ビジネスを長年運営していたことをからかった。

しかし、特にトランプの話題に集中していた訳ではない。大統領はビデオや写真も利用し、サンダース以外の全ての候補者をからかった。ヒラリー.クリントンは若い世代へのアピールが不足し、彼女はフェィスブックの使い方を知らない叔母のようであると語り、テッド.クルーズとトランプの顔写真をスクリーンに提示し、(彼等のお陰で)今年は「私の支持率が上がっています」と事実をジョークとして語った。昨夜、大統領選の候補者の中で参加していたバーニー.サンダースの姿が描写された。大統領は混んだ会場にいた彼の名を呼んだ為、サンダースは席を立って手を振った。昨夜のトランプに関する大統領のジョークにトランプは今日どう感じたかを記者に聞かれ「素敵な仕事をしました。良いと思います。それはコメディです」と答え、ほとんど否定的な反応を示していない。

複数の関係者および記者は2011年のオバマ大統領のジョークがトランプを傷つけ、それが大統領候補の野望に繋がったと憶測しているようであるが、トランプは1980年代後半から、政治家になる野望があった記録があるため、どこまでそのような憶測が正しいが不明である。しかし、トランプの妻メラニアは、彼女の夫は「批判に対しては10倍の攻撃で報復する」と語ったことがある。トランプは肌の皮が薄い男性であることは確かである。特に公的場所でしかも大統領による侮辱、皮肉、嘲りの類いは彼に「復讐」の動機を与えたとしても不思議ではない。

不法移民を保護するオバマの政策に対して、不法移民全員を強制送還する政策は異常なほど対極的であるが、それは彼の立候補が不純な動機によるからなのか?その謎に答える事が可能な人物は存在しない。しかし、その政策のメリットは何か、なぜ、その必要があるのかほとんど論理的に説明していないことが問題である。知的文体で定評のあるニューヨーカーは3月14日、「トランプは共和党の知的退廃の長いプロセスの受益者である」と鋭い分析的なコメントを提供した。不法移民、イスラム教徒、女性、黒人に対する憎悪的な政策など、トランプ及び他一部共和党の政策は合理的ではなく恐怖に基づいている。移民法、最低賃金、銃法、ほぼ全ての政策において、証拠に基づいていない矛盾論が多い。なぜ、移民が福祉の上に居座っていると批判する一方で、米国人の仕事を奪っていると主張できるのか?益々、右寄りになっている近年の共和党の政策は証拠や分析に基づく論争ではなく、憎悪、外国人恐怖症に基づく感情論であり、トランプの台頭はその「知的退廃」を反映していることを示唆している。

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