アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

推定的な共和党次期大統領としてドナルド.トランプを中心に団結するべきかどうか、共和党の間で意見が分かれている。11月の総選挙に向けて、彼の当選を目指し団結するべきとの意見もあれば、彼の指名を受け入れるが彼を後援しない、トランプは非保守的な政策を多数保持している為、第三党から他の候補者を立候補させるべきであるとの意見もある。もし、トランプが大統領に選出された場合、潜在的に民主党のイデオロギーを保持しているトランプは、これまで語ってきた政策を多かれ少なかれ変える可能性があることを示唆する証拠は既に顕われている。そのような状況下で、共和党が懐疑的になるのも無理はない。推定指名者になったトランプは新たな問題に直面している。

主流派の共和党はトランプが十分な保守派ではないと主張している。歴代二人のブッシュ大統領はトランプの支持さえしていない。幾人かの共和党は既にヒラリー.クリントンに投票することを表明した。米国上院議会でさえ、トランプの政策が不明瞭または納得できないとして完全に支持できず複雑な心境の議員が多いようである。一方、多数派リーダーであるミッチ.マコーネルはトランプが次期大統領になり、彼が最高裁スカリア判事の後継者をオバマ大統領が指名したメリック.ガーランドよりもっと共和党が好きな後継者を選ぶだろうと期待している。従って、20人以上の上院議員の圧力があるにも関わらず、未だに公聴会を実施することを拒否し続けている。一方、上院のリーダー的存在であるジョン.マケインは、先月アリゾナ州には30%のヒスパニックが存在し、彼等は反トランプ.グループであるため、トランプが指名を受けた場合、アリゾナ州での選挙では彼自身の再選を困難にすると語り、トランプを支持するには厳しい立場であることを暗示した。事実、今年再選に直面する34人の上院議員は、多かれ少なかれマケインと同様の立場である。支持しないことを明白にする候補者はほとんど絶対的な反トランプ派である。

5 日上院の一人は、トランプを完全に拒否し第三党からの立候補者を推進する必要があることを提案した。CNNによると、ネブラスカ出身の共和党上院議員ベン.ザッセ(写真)は長年トランプの台頭に反対していたが、共和党がホワイトハウスに入る能力のある候補者の周りに結集する必要があると有権者にアピールした。ザッセはフェイスブックに公開文書を投稿し、健全な候補者を選択することに失敗したと述べ、トランプもヒラリー.クリントンも正直なリーダーではない為「ひどい選択」であると批判した。クリントンとトランプが「立派な人々であり、貴方の子供のために必要なお手本になると信じているならこの手紙はあなたの為ではありません。月面に人を置いた国が、私たちを一緒に前進させることを可能にする健康的リーダーを見つけることができない理由を不思議に思う大多数のアメリカ人のためのものです」と述べている。また、トランプに対抗するため第三党から候補者を立て「大人」として行動することを奨励し、トランプが「大人」としての言動に欠けていると指摘している。

一部の政治評論家はトランプが不法移民を強制送還すると公言した後に支持者が増え、更にイスラム教徒を一時的に入国禁止すると提案した後、再度支持者が激増した為、トランプの成功はこのようなアピールが動因であると分析している。強固な保守派議員さえ、これが実現可能な政策だと思っていない。テッド.クルーズは3日インディア州の予備選の日、辞退を宣言する数時間前「トランプの政策は全て嘘である」ため、必ず支持者は裏切られると警告したが、クルーズの警告は必ずしも誇張ではない。例えば、トランプは昨年8月、トランプの経済政策のひとつである最低賃金は連邦法の$7.25を維持すると述べ、引き上げに反対していたが、昨日CNNのアンカーであるウルフ.ブリッツァーとの対面インタビューで「最低賃金を上げる事を考慮するかどうか」を聞かれ「その事は見ています。それを何とかすることにオープンです。私は実際にほとんどの共和党とは非常に異なっています」と述べ、この政策に対する態度を変えたことを示唆した。中絶問題では一定の信念が無く、プロライフまたはプロチョイスのどちらかの立場が頻繁にかわり、不法移民を含む移民法に関しても最近「全て交渉可能です」と柔軟な姿勢に変わっている。 核兵器、アフガニスタン戦争、拷問などの外交政策を含め、少なくとも8以上の課題は時と場合によって 、最初の政策とは別の意味があるニュアンスによる微妙な表現に変わる事がトランプの政策を語る時の特徴である。

経験および研究の結果、見解が変わることは誰にでもあるが、トランプは彼が長年信念とする構築したイデオロギーがないことが、特に主流派共和党の不信用に繋がる要因である。一貫性がなく、風見鶏的な印象を与えているため、一部の共和党はトランプに対して懐疑的である。更に、約11ヶ月間のキャンペーンで、憎悪、外国人嫌い、偏見、性差別などマイナス.イメージを築いたトランプはその結果として、根強い抵抗に直面している。トランプは総選挙でクリントンを敗北させることに視点を向け始めた為、彼が現在直面している重要な課題は総選挙に向けた共和党との協力と団結である。その為、トランプは共和党の為の寄付金集めに積極的であり、共和党大統領として党内から支持されるためには、少なくとも基本的な共和党の規範に従う意志もあると言われている。しかし、他の新たな候補者を求めているザッセのような共和党、トランプを後援しないが、指名を受け入れると述べている議員、トランプと共に団結することを強調する3つのタイプのグループに分裂している現状である。ブッシュ家など伝統的な保守派はトランプの支持を躊躇し、共和党大会には出席しないことを明白にしているミット.ロムニーのような影響力のある人々、更にトランプが獲得した一部の代議員はトランプに投票しないことを宣言するなど、議会外部の抵抗も強いようである。

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。