アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

メディアを含めて、誰一人ドナルド.トランプが推定的な指名獲得者になることを予測していなかった数ヶ月前、下院議長のポール.ライアンは最終的に指名を受けた共和党候補者を支持し、団結しなくてはならないと表明していたが、現在トランプを支持することに躊躇している。公的には現時点では支持できないと表明しているが、指名獲得候補者に対して共和党の意見が分かれているような状況は政治史上稀な傾向である。議員らがトランプを支持するか否かは総選挙にその因果関係が顕われることが全ての鍵である事を含めて、幾つかの理由によりライアンはジレンマに直面したようである。

ライアンは昨日CNNのホストであるジェイク.タッパーとのテレビ.インタビューで、彼の信念に基づく保守主義に忠実であることを強調し「現時点でトランプを支持できない」と語った。彼は保守主義に基づき、既に派閥のある党内をまとめることが自分の任務であると述べ、政策の違いは誰にでもあるが、党の原理に忠実ではない候補者を今支持することは困難であると語った。ライアンは「大半の米国民にアピールする候補者」が指名されることを望んでいると述べ、大半の共和党有権者はトランプを支持していない事実があることを示唆した。11月再選に直面する他の現職議員および新候補者の「総選挙をトランプは引きずることになると思うか」と聞かれたライアンは「予測は不可能である」と答えた。

ライアンが表現する保守主義の原理とは ① 政府規模の縮小、② 行政と立法のバランスを維持した役割、③ 憲法の遵守を重視、④ 米国経済に重要な国際貿易の強化など多数の側面からトランプは異なることを表明している。 ライアンはトランプの発言および提案に公式に反対および対抗する姿勢を維持してきた。例えば、トランプがイスラム教徒の一時禁止を提案した時、ライアンは「これは保守主義ではない」と反論した。二つ目の理由として、昨年10月ライアンは元下院議長ジョン.ベイナーが退職する前に、後継者になる事を熱心に推薦されたため「下院を統一することが可能であれば任務を引き受ける」との条件で承諾した経緯もあり、トランプが共和党大統領になった場合、統一は益々困難になるとの懸念を表明した。

最も重要な理由は総選挙の因果関係に結びつくことであり、トランプが推定的な指名獲得者になった事は、最も政党的な問題に直面したことを意味する。任期切れで再選に直面する34人の上院議員および下院議会の435 人全員の運命は、彼等の選挙区から代表者を選出する有権者の手に握られている。ジョン.マケインは既にその懸念を表明したが、今年の総選挙で議席を失う可能性がある共和党は多く存在する。過去10年間で黒人の有権者は約20%増加しているなど、近年の人口動態的変化により、ヒスパニックを含む少数派の人口が増えている為、2016年の選挙は特にその影響が表面化することが予測されている。従って、トランプを支持する議員は再選を拒否される危機に直面する可能性もある。2017年1月の米国新議会は今年11月の総選挙で選出された新メンバーでスタートする為、共和党が引き続き下院議会をコントロールすることを望むのであれば、下院議長としては慎重にならざるをえない。

保守主義に忠実な候補者の幾人かは早くからキャンペーンを辞退した。ほぼ100%のメディアは「トランプは指名されない」と予測および断言していた為、結局トランプだけが残ることを誰も予期していなかった。その現実に直面し、もっともジレンマに直面している人物は恐らくライアンかも知れない。共和党のリーダーがトランプを支持できないことを公的に表明した場合、それに次ぐ他多くの議員も同様の意志を表明する可能性もある。大統領候補者の一人であったサウス.キャロライナ州の米国上院議員リンジィ.グレイアムも今日CNNでのインタビューで、トランプは「信頼できる共和党の保守派」ではなく、彼の「判断および気質が米国の指揮官として奉仕可能であることを示していない」ため、「良心的にトランプを支持できない」と語った。彼等が公式にこのようなことを語る要因は、有権者にアピールするためである。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。