アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

2010年3月アフォーダブル.ケア.アクト(ACA)の制定以来、執拗に続いている論争的な問題は産児制限の指図に関する規定である。最高裁は16日、同じ主旨による複数の裁判ケースを統括した判例において、全ての連邦控訴裁判所がそれぞれ決定した判例を再度考慮することを命令する異例の判定を下した。下級裁判所の判定に満足せず最高裁に上訴した複数の判例は、全て再度それらの下級裁判所に戻されるという稀なこの裁判は何を示唆しているだろうか?

ACAは雇用主に対して、女性労働者が無償で産児制限を可能にするため避妊を含む医療保険を雇用主が提供することを規定している。これは長年宗教団体に拒絶されていて、2014年には多数の最高裁判例が続出した。 最高裁は昨年11月、下級裁判所で判定された6の判例を一括して聴聞することを決定したため、今年3月から約1週間の論争を開始した。論争の主要点は、ACA下で規定されているこの強制は、非営利の宗教病院、慈善団体および大学などの宗教関連組織が主張している宗教の自由回復法(RFRA)に違反しているかどうかである。今日その論争的問題について最高裁の意見は4対4で別れた為、オバマ政権または宗教団体のいずれも支持しない立場を維持し、結局これら6件の決定を下級裁判所に送り戻すことで、再度両側が妥協可能な方法を検討するよう要求した異例の判定を下した。

これら6件の判例中5の控訴裁判所はオバマ政権の規定を支持し、1は反対していた為、最高裁はこれらの裁判所が決定した論争的な問題を再度検討するよう命令した。オバマ政権にとっては必ずしも満足的な結果ではない。しかし、アントニン.スカリア判事が生存し、過去9人(保守派5人、リベラル派4人)の判事が判定していた場合、今日ACA下の産児制限規定はRFRAに違反していると判定された可能性がある。そのような観点から、今日の判定はオバマ政権に多大な問題を与えていない。最高裁は宗教団体がACAの規定に著しく負担になるような影響を受けているかどうかについても決定しなかった。リベラルのソニア.ソトマイヨァ判事はルース.ベーダー.ギンズバーグ判事と共に、最高裁は法律上の質問のいずれかも決定しなかったことを意見書に記載した。

オバマ政権は早くから宗教的理由に基づき、産児制限の指図に反対する宗教組織はその旨を政府に報告した場合、調停することで妥協することを公表していた。しかし、基本的には女性労働者には産児制限の自由があることを強調している。保険会社は一般的に避妊管理が含まれている医療保険はコスト的に効率的であるとの立場から、ACA下の産児制限規定を支持する傾向がある。なぜなら、カトリック信者の女性でも90%以上は何らかの避妊方法を利用していると言われているからである。16日の最高裁の決定は、現時点でこの判例には関与しないことを示唆している。少なくとも、宗教団体の雇用主にACA下の産児制限規定に従うことを要求することもなければ、この法の反対者に同意することもない立場を表明した。最高裁はむしろ、以前決定した控訴裁判所にこれらの判例を再度戻すことで、オバマ政権及びRFRAを根拠にこの規定に反対している宗教団体の両側が妥協点を模索することを提案する中立的な立場を保持した。

今日の最高裁の決定は幾つかの現実を示唆した。重要な法廷問題はスカリア判事の後継者を任命しない限り、共和党および民主党のいずれにもプラスにならない為、判事の空席を埋めることを要求していることを暗示した。現在、上院議会のリーダーを含む多数の共和党は、オバマ大統領が指名した後継者の指名プロセスの実施を拒絶している為、来年1月次期大統領が就任するまで、ACA下の産児制限問題は未決定のままになる可能性がある。つまり、誰が大統領に就任するかどうかによって、その運命は決定する。更に、最高裁が明白な決定をすることにメリットを見ていない今日の判定は全米に通用しない為、引き続き下級裁判所では同様の問題が引き続き提起される可能性がある。しかし、オバマ政権および宗教団体は重要な女性の産児制限の問題で、共通点を見いだすことを提案した最高裁は非常に賢い結論を下したと言える。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。