アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

携帯電話の使用は広範に普及し、日常数時間以上利用している人達も多い。先週、米国保健福祉省は全国毒性プログラム(The National Toxicology Program 又はNTP)による携帯電話の高周波放射から発生する潜在的な健康被害に関する動物実験の調査結果を発表した。これを受けて、科学者はこの研究に対する付随的見解を公表した。携帯電話と癌の研究は現在盛んに行なわれているため、研究者の間で論争的である。

27日NTPによると、NTPは米国食品医薬品局(FDA )に指名され、携帯電話の無線周波数放射線を研究するため2,500万ドルを投資したプログラムであり、NTPの最も広範で最も複雑な研究である。ネズミによるこの研究結果の公表は暫定的であり、他の研究者のコメントを含む完全な結果は2017年末までに発表される。携帯電話通信時の周波数及び変調にラットおよびマウスを曝露させた実験で、出生前から2歳までのネズミ族は10分間携帯電話の無線周波数放射に暴露させ、次に10分間停止する作業を一日合計9時間繰り返した。その結果、NTPは雄ネズミの脳および心臓に腫瘍を発見したが、雌ネズミには発見されなかった。このプログラムの研究はまだ続いているが、携帯電話及び他の無線周波数の放射線放出が伴う装置を使用する時の安全な方法について、公衆保健のガイダンスを提供することも主な目的である。以前、人間を対象にした大規模な集団ベースの研究で収集した観測データは、携帯電話の使用から癌が発症するリスクが増大する証拠は限られている事を示した。FDAのウェブサイトは、携帯電話を使用する際、放射線被曝を最小限に抑えるため、頭と携帯電話との間により多くの距離を置くためスピーカ.モードまたはヘッド.セットを使用することを含めて、幾つかの携帯電話の安全性に関する詳細な情報を提供している。

連邦政府の研究について、科学者は付随的説明および幾つかの疑問を科学誌に提起した。ネズミの体を精査病理学的に研究した結果、2つの稀な種類の癌が発見された。脳腫瘍のタイプである悪性神経膠腫は放射線に曝露された雄ラット群に2%から3%の割合で発見された。携帯電話グループにおける心臓の癌は、神経周シースの一部であるシュワン細胞として知られている腫瘍が雄ラットの2%から6%に発見された。放射線に曝露された雌ラットではどちらの腫瘍も発見されなかったため、雌のネズミは雄ネズミと異なることが判明した。NTPの副所長ジョン.ブッチャーは「携帯電話の使用と神経膠腫およびラットの心臓腫瘍で発見された同じタイプの細胞影響を与える癌である聴神経腫との間に潜在的なリンクがあることを指摘した幾つかの人間での研究を反映している為、この試験結果は注目すべきである」と述べた。

しかし、ブッチャーは、証拠は説得力があるものの「まだ決定的ではない」と述べた、機関内部の議論では「この研究を見ている約70〜80%の人々は無線周波数放射線と腫瘍およびこの研究で判明している結果との間に著しい関連性があることを感じています。これは普遍的な結論ではありません」と述べている。この研究の懐疑論者の一人である国立研究所の副所長で元国立心肺血液研究所の心臓専門医であったマイケル.ラウアーは、インタビューで試験中の動物の数が比較的少ないことを指摘し、結果は偽陽性である可能性がある懸念を表明し「私は著者の結論を受け入れることができません」とのコメントを公表した。

NTPの研究者はメカニズムの手がかりとなる興味深い発見をしたと述べている。残響室で90日間過ごした80匹のネズミの組織からのDNAは最高の放射線レベルを受けたネズミ族にDNA損傷があったことを発見したとブッチャーは述べている。ネズミの実験結果が人間にどのように適用するかが最も肝心な要点である。従って、幾つかの科学者グループは人間を対象にした実験を展開している。欧州5カ国の科学者たちは、癌、神経や心臓疾患だけでなく、頭痛や睡眠障害を監視しながら、最長5年間約30万人の携帯電話の習慣を追跡している。バルセロナやスペインの環境疫学研究センターが実施している別のプロジェクトで10歳から24歳の年齢903人の携帯電話の習慣と同類の年齢層の癌患者1,800を比較する研究が行なわれている。いずれもまだ実験中のプロジェクトである為、それらの結果は判明していない。

結論として、NTPの研究は放射線に曝露されたネズミに2つのタイプの癌が発見され、いずれも雄ネズミに影響を与え、心臓腫瘍の率は脳腫瘍より発生率が高いことを示唆した。携帯電話が癌のリスクを増加させるとの研究について、FDAは「証拠は限定されている」と公表しており、大半の科学的研究は携帯電話が健康問題にリンクしていないことを示唆している為、現時点では「不確定のメカニズム」であることを示唆した。携帯電話の決定的な安全基準は存在しない為、特に毎日長時間利用する人々に取っての安全基準は必要である為、連邦政府のプログラムはそのガイドラインを提供することを重視している。しかし、研究者の間で論争的な携帯電話と健康の関連性についてはまだ決定的な結論が出ていない為、この分野での研究は今後もっと注目される可能性がある。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。