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先月12日フロリダ州オーランドで発生した米史上最悪の銃撃事件を受け、22 日から 23日午後まで下院議会の民主党は銃規制法案の投票を求めて劇的な座りこみを行なった。議会は23日午後から独立記念日の休日に入った為、抗議デモに参加した下院民主党議員らは休会から戻り次第引き続き、銃規制法案の投票が開始されるまで座り続けると誓約した。下院議長ポール.ライアンは、議会フロアーの妨害になるため再度の座り込みを認可出来ないと公表し、銃規制法案の投票に難色を示した。しかし1日、下院議会の共和党は主にテロリストの銃購入を防ぐための銃規制の法案を紹介した。これとは対照的に、同日カリフォルニア州は新たな本格的な銃規制の拡大法案を通過した。ほぼ前例のない下院民主党議員による座り込み抗議はライアンの独断的な動きが一因である。

一方、上院議会では4人の提案者による4つの法案が全て失敗した6月20日後、共和党穏健派のスーザン.コリンが草案した銃規制法案を約10人の超党派の議員が加勢し23日投票した。しかし、民主党44人及び共和党7人に支持された合計52票は通過に必要な60票に不足した。コリンの銃規制法案の同意者の一人であるサウス.キャロライナ州の米国上院議員リンジィ.グレイアムは議会が行動を起こす前に同じようなテロ攻撃が発生する事を懸念し、総体的に銃規制を支持している 85%以上の国民の声を聞く必要があると指摘した。

下院議会で22日から行なわれた銃規制法案を求める民主党議員の座りこみは40人以上の民主党議員のデモ抗議で始まり25時間続いた。時間の経過とともにメンバーが増え、最終的に100人以上に達したと言われている。民主党議員らの座り込みに圧倒されたライアンは下院議会のスペースを占領したデモ抗議に対して「これは売名行為であり、資金調達の策動である」と鋭く批判した。また、「私たちの国を強くする事の一つは私たちの機関です。この国でどのように悪いことがあっても、機能する民主主義を保証する基本的な構造があります。私たちは政策に反対することができますが、我々はシステムの秩序と尊敬の範囲内でそうします。そうでなければ、すべてが崩壊してしまいます」と述べた。この座りこみの抗議を先導した1960年代に公民権運動の活動家であったジョージア州の米国下院議員ジョン. ルイスは、米国及び世界の人々は「我々の側にいる」と述べ、銃の問題に注目する為であることを明白にした。

しかし、民主党の座り込みは単なる銃規制法案だけが目的ではなかった。22日下院議会は、ジカ.ウィルスの融資を含む予算割当法案に投票する予定であったが、この法案は多数派の特権を利用した共和党だけで協議され、通常の超党派の交渉をオミットした一方的な法案であった。 「閉め出された」として怒った民主党は、銃規制法案の投票を求め、投票を拒否するのであれば、予算割当の法案にも投票しないと決定した。ライアンが一方的に進めた予算法案は医療保険関連に多額の予算が削減されている措置であった為、民主党は絶対に受け入れられないと反発した。これが民主党議員による座り込みの動機である。

11月の総選挙では両院の議席を失う可能性があると言われている共和党の行動は、最近策略的または秘密的になっているようである。民主党は上院及び下院で議席を取り戻すチャンスがあることは約2ヶ月前から推測されている。ライアンは最初、銃規制法案の投票を否定していたが、グレイアムの指摘どおり、国民の声はある側面で選挙にインパクトがあることを否定出来ない為、下院議会のメンバーは7月1日下院独自の法案を紹介した。これは過去5年間、過激化の疑いがある個人および精神異常者を含め、特に連邦政府のウォッチ.リストに記載されている人々の銃販売を防止する為である。この法案には法務当局が3日以内にテロリストが銃を得る可能性があることを証明する必要がある。

連邦議会が銃規制の葛藤を繰り返している時、カリフォルニア州は現行法の銃規制を拡大する為、新たな銃規制法案を1日に通過し、知事のジェリー.ブラウンは休暇前に急遽署名した。これらの措置は ⑴ 一回の挿入に10以上の弾丸を保持する軍隊スタイルの高容量弾薬マガジンを禁止し、⑵ 禁止するアサルト武器の定義を拡大し、⑶ 弾薬購入者のバックグラウンド.チェックを要求し、⑷ 家族以外の第三者から銃を借りる場合もバックグラウンド.チェックを必要とし、⑸ 危険とみなされる人物の銃所有禁止命令を要求することを同僚、教育者、メンタル.ヘルス専門家に許可する事である。同州議会は、昨年12月南カリフォルニアのサンバナディーノでテロ攻撃事件があった直後から、銃規制の潜在的抜け穴を塞ぐ方法を検討し始めた。ブラウン知事は「これらの法案に署名する私の目標は、遵法的な銃所有者の権利を保護しながら、責任および集中的な方法で我々の現存する法律を締めることで公共の安全性を高める事です」と述べている。

カリフォルニア州議会の行動は、1990年代、数回銃乱射事件を経験した後に厳しい銃規制を制定したオーストラリアに似ている点で自然である。それが国民を保護する責任のある議会が行なうべき義務である。下院議会は5日、NRAさえ反対しないと言われているその銃規制法案を今週投票する予定であると公表したが、共和党先導の法案は、連邦政府のウォッチ.リストに記載された人物が銃を購入する前に本人がテロリストであることを三日間で証明する必要があるため、この時間の制限にかなり無理がある。6月20日投票に失敗した上院議会の銃規制は、同じく共和党の提案による法案の一部がこれと類似し72時間の制限を設けていた為、民主党が反対票を投じた。従って、もっと常識的な銃規制を望む民主党は再度、座り込みのデモ抗議を実施するか又は投票で反対する可能性がある。今週も続く可能性がある銃規制を巡る米国議会の紛争は世界の常識を超えている。

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