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ヒラリー.クリントンは昨夜、国連総会に参加する為渡米中の阿部晋三首相と会う機会があった。阿部氏の狙いは環太平洋戦略的経済連携協定( TPP)の迅速な推進であるが、TPPは大統領候補者にとっても決断しにくい最も論争的な課題の一つである。オバマ大統領は交渉を完了させたが、この協定はまだ批准されていないため、残された最後の任期中に日本との批准にこぎつけたい希望があるようだ。米国民は国際貿易をどう思っているだろか?

20日のロイターによると、両氏の会合はクトントンの要請であり、両氏は阿部氏が滞在しているニューヨークのホテルで15分間の会談を行った。この短い対談で、両氏は日米安全保障関係の強化、12カ国による TPPの合意に関する概説について話しあった。日米両国は協定に同意しているが、まだ両国間で批准されていない。安倍氏は19日のニューヨークでのビジネス.リーダーに対する演説で「TPPを通して、米国は成長しているアジア太平洋地域の指導的役割を果たすための公約を明白にすることができます。日本と米国はそれぞれ可能な限り早くTPPの国内承認を得なければなりません。日本は努力を惜しまないでしょう。私たちは米国が同じことをすると頼りにしています」と述べた。ホワイトハウスを去るまで、わずか4ヶ月残されているオバマ大統領は16日、大統領候補者の一人でほぼ最後まで予備選に残ったオハイオ州知事ジョン.ケイシックに対して共和党がTPPを承認することを推進するための援助を求めた。これは、11月8日の選挙後から新大統領が就任するまでの期間中に議会の共和党リーダーを説得するための異例の動きである。

現在クリントンはTPPに関してオバマ大統領と異なる立場を保持している。クリントンは米国上院議員時代、TPPは「金本位制」になることを望んでいた。予備選で民主党のライバルであったバーニー.サンダースはキャンペーン中、以前クリントンがTPPを支持していたとして批判したため、良く研究した後に意見が変わったと語ったことがある。クリントンの勝利を強く支持しているオバマ氏は、阿部氏と同様TPPを最優先課題として、近日中に交渉済みの協定に批准することを望んでいる。議会は数年前オバマ大統領に交渉の権威を与えたが、議会メンバーが承認するかどうかは別問題である。クリントンがTPPに反対している理由は、通貨操作の取り締まり及び貧困国で医薬品企業の特許保護を拡張するための条項が欠如していることである。また、より良好な中産階級の雇用及び賃金など、「彼女の基準を満たしていない」ことを指摘している。ヒラリーは夫のビル.クリントンが署名したNAFTAに対しても立場を変えた歴史も含めて、国際貿易協定には風見鶏的な側面があると指摘されている。

クリントンの政敵であるドナルド.トランプはオバマ大統領に反して、国際貿易のリーダーシップから退散することを主張している。保護主義的なトランプに影響を受けている支持者もいるはずであるが、トランプが主張している保護主義は米国内の仕事を完全に保護する保証はなく、失う結果になる場合もあると専門家は指摘している。企業の利益を優先する共和党リーダーは大抵TPPを支持しているが、この点でトランプは異例であり、TPPを含む国際貿易協定に反対している。

いずれにしても、大企業には有利であるが、労働者には何も利益がないと言われているTPPは大統領選の最も論争的な課題の一つである。労働者の繁栄をアピールする民主党の大統領候補者にとって、労働組合及び環境団体が反対している大企業に有利なTPPを支持することは論争的である。両候補者が反対しているTPPについて、米国民はどのように思っているだろうか?今月7日に公表されたグローバル事情シカゴ評議会の世論調査結果は、TPPに対する国民感情は複雑であることを示唆している。大半の米国人は党派を超えて、グローバル貿易を肯定的に支持している。 6月10日から27日までに実施された国際貿易に対する調査で3人中2人のアメリカ人(65%)は、 世界中の他の国と接続する機会が増えている米国経済のグローバル化は「大抵米国に良い」と答え「ほとんど悪い」と答えた率は34%である。

また、民主党の74%及び自称共和党の59%は グローバル経済を支持している。 特に、クリントン支持者の76%、サンダース支持者の75%は経済のグローバル化を支持している。しかし、アメリカ人は国際貿易には利点と欠点があることも認識している。アメリカ人の59%は、国際貿易は「米国の経済に良い」と答え、57%は「アメリカの企業に良い」と述べ、64%は「彼ら自身の生活水準に良い」と思っている。また、圧倒的多数の米国民70%は、国際貿易はアメリカの消費者に良いと答えた。しかし、2004年及び2006年の調査では、国際貿易の影響に関し、雇用安全保障の問題で評価はかなり下がった。「アメリカの労働者に良い」と答えた率はわずか35%であり、「米国内での雇用拡大に良い」と思っている人は40%である。長所と短所を認識している国民の間でも簡単に支持または不支持を容易に決定できない複雑な問題があるため、米国労働者の雇用影響に関する総体的評価は10年前と変化がないようである。

 

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