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次期大統領ドナルド.トランプ政権の移行手続きは着々と進んでいるものの、彼が新たに指名した一部のメンバーは論争的な選択であるとして注目されている。また、官僚として指名された複数の人物は辞退または拒否を表明した。加えて、トランプが就任直後に取り組むはずの政策は共和党リーダー達と意見が一致していないため、トランプは就任前から既に混沌に直面している。ギリシャを訪問しているオバマ大統領は、米国でナショナリズムが根をおろす懸念を表明している。引き続き議会の機能不全は明白であり、歴史的に分裂的な新議会がスタートする可能性が高い。

オバマ大統領は今週、最後の外交旅行としてヨーロッパを訪問している。今日ギリシャ首相アレクシス.チプラとの共同記者会見で「私たちを分裂させ、最終的には紛争に繋がる」ナショナリズム及び民族主義の台頭を防ぐ必要があると語った。現在、トランプ指名で最も論争的になっている人物はスティーブン.バノン(写真右)である。バノンはロシアとビジネス関係があったトランプ陣営の元キャンペーン.マネジャーが辞職した後、キャンペーンの議長として採用された。トランプは極右思想傾向のバノンをホワイトハウスの戦略主任として選択した為、懸念が広がっている。バノンは白人ナショナリスト、人種差別主義、反ユダヤ主義であると言われているため、大多数の共和党には歓迎されていない。加えて、民主党及び人権保護団体はこの人物の選択を非難している。ニューヨーク市の元共和党市長及び元弁護士であったルディ.ジュリアニは、大統領選で熱心なトランプの支持者及びアドバイザーであった。 ジュリアニはトランプ政権司法省の検事総長として指名されたが、彼は今日その地位に関する推薦を拒否した。

大統領候補者の一人であった元脳外科医のベン.カーソンは大統領選の辞退後トランプの支持を表明し、社会的地位の高いアフリカン.アメリカ系としてトランプの大統領選を後援してきた。彼は保健福祉省の長官としてトランプに指名を受けたが、今日拒否したことが判明した。カーソンは一定の部署に拘束された状況でアドバイスするのではなく、政権の外部者として多数の側面からアドバイスを続けることを好むと述べている。更に、元共和党議員であったマイク.ロジャースは米国国土安全保障省の上級顧問として抜擢されたが、今日突然辞退を表明した。選挙中声明文を公表した120人以上の元共和党国土安全保障のメンバーは反トランプ派であるが、その一部であるジョージW.ブッシュ政権下の安全保障メンバーは共和党がトランプ政権下で官僚として奉仕する事を警告している。また、昨日ロシア大統領プーチンはトランプと電話を通して、二国間の友好関係を向上させるため会談を行う準備を開始した。その報道直後、ロジャースは辞退を表明した。大半の共和党は東ヨーロッパ、 ウクライナ、シリアでのロシアの行動を批判している。上院議席の再選に勝利したアリゾナ州共和党の米国上院議員ジョン.マケインは今日、ロシアとの関係を操作することは「受け入れられない」と表明した。議会メンバーは圧倒的にトランプの親ロシア政策に反対している。

更に、トランプの複数の政策提案は共和党リーダー達と意見が分かれているため、新議会で法案を通過することは困難であることを示唆した。トランプは就任早々から取り組む仕事があると公表しているが、その幾つかの政策は共和党リーダー達と歩調が合わない。例えば、トランプはまだ巨大壁の建設を主張し、不法移民の強制送還について、最大300万人の犯罪者を追放または投獄すると宣言している。そのため強制送還部隊を結成する予定であるが、引き続き下院議長の地位を維持する可能性が高いポール.ライアンは包括的移民法の必要性を主張し、そのような部隊を結成する予算は組まないと述べている。また、トランプは反自由貿易主義者であり、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を望んでいるが、ライアンはTPPを支持している。議会大多数のメンバーはオバマ大統領にTPPの早急交渉権を与えた。

次に、トランプは議会メンバーの任期を制限すると公約しているが、ケンタッキー 出身の米国上院議会多数派リーダーのミッチ.マコーネルは、幾つかのトランプの政策に反対している。彼は「上院議会は議会メンバーの任期制限の論議を行わない」と宣言した。また、トランプが一貫してアピールしている国内政策はインフラ整備である。米国には修理及び改善が必要な橋、道路、鉄道、その他多数の下部基盤構造が未完成のままである。特に極端な天候による災害に備えた対策は重要な課題になっているが、トランプのインフラ政策は兆ドル単位の莫大な出費を要する。大半の共和党はインフラ整備そのものに反対していないが、資金の規模とその資金源について意見が合わない。財政保守派は負債を増加させない方法、つまり他の福祉政策を削減することで補うことを主張しているが、トランプは彼らが要求している社会保障及びメディケアの削減に同意していない。

15日下院議会共和党は圧倒的な支持率で引き続きポール.ライアンを下院議長として指名した。来年1月下院議会全体で投票することで決定する。下院議会の民主党少数派リーダーであるナンシー.ペロシは議会民主党の多大なコネクション及び影響力があるが、活力に満ちたオハイオ州の下院民主党議員ティム.ライアンの挑戦に直面しているため、現在の地位を失う危険性もあると言われている。一方上院議会の多数派リーダーは引き続きマコーネルである可能性が高い。民主党少数派リーダーには退職するネバダ州のハリー.リードの後継者としてニューヨークのチャック.シューマーが就任するはずである。議会両党のリーダーは、新たな法案及び予算案について大統領及びホワイトハウスの関係者と交渉の役目を果たす機会があるが、民主党は自党の大統領を失い、新議会で支配する共和党は全ての側面で彼らの議題を押し通す圧力が予期されているため、民主党はさらに困難に直面する可能性がある。従って、全てのレベルでリーダーシップを再組織し、極右のアジェンダに対抗する戦略を構築することは以前にも増して重要である。

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