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下院議長のポール.ライアンは29日、トランプ就任後の4つの優先政策を概略的に紹介した。それらは ⑴ 規制を減少することで経済成長を促進する。⑵ 国境警備を強化する。⑶ 税制改革を実施する。早期の課題として ⑷ 医療保険制度に取り組むと述べたが、ほとんど具体的には公表していない。例えば、国境の整備については移民法に関連しているものの、その移民法についても詳細に語っていない。ライアンは 、来年1月20日の大統領就任式後にスタートする新議会が優先するそれらの政策についてはほぼ同時進行で早急に達成することが可能であると述べている。次期大統領として選出されたドナルド.トランプの政策はライアンの計画に融合または調整される事で多少なりとも変更することは確実である。

まず、規制を減少させることに関し、共和党が目指していることの一つに環境保護庁(EPA)を廃止することが挙げられる。オバマ政権下でEPAは現在、気候変動対策の一環としてクリーン.エネルギーに取り組んでいるため、二酸化炭素排出量の制限に積極的である。トランプは22日ニューヨーク.タイムスのインタビューで、頻繁にパリ協定について「オープン.マインド」であると強調し「清浄な空気と結晶のように透明な水は非常に重要である」と語った。しかし、それは心にもないリップ.サービスであり、同紙をからかっていたことを多数の主要メディアは指摘した。ホワイトハウスの大統領首席補佐官に指名された共和党全国委員会の委員長であるラインス.プリーバスは、今日トランプ及び彼の次期政権は基本的に「気候変動否定論者」であることを明白にした。つまり、NASAの気候変動研究プログラム及びパリ協定を放棄することで国連の地球温暖化プログラムに反対する立場である事に変化はないことを示唆した。トランプはキャンペーン中、失業している石炭採掘者の雇用を後押しすると述べ、EPAを廃止すると公約していた。しかし、トランプがこれらの公約を果たすことは難しいと予測されている。

29日のAPによると、二酸化炭素排出量を制限するオバマ政権の規制には多数の共和党州が挑戦しているが、これに対抗する環境保護団体はトランプ政権下での更なる圧力に備えている。シエラ.クラブのCEOマイケル.ブルューンは「大気、水、気候に関する規制を除去する動きがある度に挑戦することを予期しています。トランプの勝利以来、弁護士を追加雇用し、環境問題に戦うための資金調達も急増しています」と語った。昨年12月オバマ大統領が署名した国連のパリ協定は条約ではなく議会共和党は支持していなかったため、トランプは放棄する権利がある。しかし、NASAの気候変動研究プログラムは現在「連邦法によって義務づけられている」ため放棄する場合、議会の行動を必要とする。つまり、共和党全員が支持することを前提にした場合でも、上院民主党議員はフィリバスターを通して、その動きを阻止することに挑戦するため60票を獲得することは困難である。1970年共和党大統領リチャード.ニクソンの大統領令によって設置されたEPAを廃止する場合も同様に議会の行動が要求される。

次に国境警備の強化について、トランプは南部国境に巨大で美しい壁を建設すると繰り返し語っていたが、この公約はほぼ確実に不可能である。彼は壁建設の費用はメキシコが支払うと繰り返し述べていたが、メキシコはその事実を公的に数回否定している。共和党がコントロールする議会は政府予算削減を優先するため、党派を超えた大半の議会メンバーは途方も無い壁建設を拒否するはずである。既に南部国境にはメタルのフェンスが設置されているため、それを破壊しコンクリートの巨大壁に入れ替える合理的理由が提示されていない。また、全ての不法移民の強制送還も非現実的であり不可能である。従って、トランプは大統領選の勝利後、推定1,100 の不法移民を追放する公約を微妙に変えた。現在トランプが目指している主な不法移民対策は、有罪判決を受けた200から300万人の不法移民を強制送還することである。

29日のニューヨーク.タイムスによると、トランプが引用した200万の数値は追放可能な犯罪者の外国人が190万人であったとの2012年政府の推定値に基づいていると憶測されている。しかし、その数にはグリーン.カードや一時的ビザを所持した100万人以上の合法的移民が含まれていた。無党派の研究グループである移住政策研究所によると、有罪判決を受けた不法移民は820,000人存在する。重犯罪者のみを対象にした場合、その数はさらに減少する。約82万人のうち約69万人は重罪または深刻な軽犯罪で有罪判決を受けた。大規模な強制送還プログラムを実施し、当時論争的であったアイゼンハワーより、トランプの提案は遥かに規模が大きい。彼の提案を行使するためには現地の法執行機関の援助が必要であるが、多くの都市や郡の法執行機関は「連邦当局との協力を制限」している。オバマ政権は犯罪記録のある不法移民に焦点を当て、既に毎年40万人の強制送還を実施した。2015年に追放された不法移民の大多数は有罪判決を受けた犯罪者であった。従って、就任後の最初の目標である300万の数値には確実な根拠がない。

ライアンの税制改革とトランプの税制が全く同じであるはずはないが、富裕層に減税する点では共通している。約10日前に公表された専門家の分析によると、トランプの簡素化した税制は中産階級及び労働者に影響を与え、約3,500万人は増税に直面する結果になる。また、経済成長を目指すライアンの財務政策の一部はメディケアの民営化であるが、メディケアは1965年7月にリンドン.ジョンソンによって署名された後、50年以上続いている最も盤石な連邦政府の高齢者用医療システムである。ライアン及び彼の先駆者は繰り返し、メディケアの廃止または民営化を含む変更を試みたが成功した例はない。ライアンはメディケアとオバマケアは同時進行で実施すべき医療保険改革であると主張している。また今日、トランプは強力なオバマケア及びメディケア廃止論者であるジョージア州米国下院議員トム.プライスを保健福祉省長官に指名した。更に、ライアンは民営化を目指しているため、メディケアの変更は人気がないため手をつけないと述べていたトランプの公約が実現可能であるか不明な状況である。

最後の医療保険制度は、強制加入の問題と来年からのコスト上昇が予測されるため論争的になっているアフォーダブル.ケア.アクトまたはオバマケア、65歳以上からのメディケア、連邦及び州政府のパートナーシップで低所得及び貧困者に提供されているメディケイドに言及する。基本的にライアン及び彼の仲間は、これらの制度を撤廃、改正、または民営化することを目指している。トランプが共和党大統領として就任した場合、オバマケアに関しては一部の条項を残す可能性が高い。ライアンは今朝、26歳までの子供は保護者の健康保険に加入できるよう設計された部分、及び既存の医療問題がある患者も加入可能であるオバマケアのこれらの一部を残すことには、大半の共和党も同意していると述べた。従って、最初のトランプの公約であった完全撤廃はありえない。しかしライアンは、オバマケアは政府の予算を大幅に取っているため、医療保険費を低下し、消費者の任意に任せる方法であるべきだと述べた。

議会は法律を制定または改正するに当たり、予算及びメリットまたはデメリットに基づき、最初の提案者の考案をあらゆる角度から修正、削除、追加を伴う作業を行うが、トランプの案には具体性がないため、むしろ調整は無難である。チェックとバランスの民主的体制が存在する限り、全て大統領及び支配党が独断で決定することは不可能である。共和党が支配する2017年の新議会では、大胆な党派的政策が次から次に制定されることを予期している民主党は、同意できない政策に対して熾烈な抵抗を示す強固な決意を既に表明している。一方、トランプを支持した労働者階級は、彼の税制を含む経済政策は事実上彼らを傷つけることに気付くまで、さほど時間を要しないはずである。

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