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トランプ政権下で3月2日に住宅都市開発省(HUD)の長官として就任したベン.カーソンは、ここ数週間、デトロイト、ダラス、マイアミなど首都圏の貧困住宅地域をツアーし、時には住民と会話を交わしているようである。カーソン長官は、公共住宅政策において、過度な政府の援助は過度な依存に繋がるとの見解を表明している。数日前、議会両党の代表者は予算交渉の合意により、超党派の画期的な継続決議(CR)法案を今週投票する予定がある。 トランプ大統領の要望に反し、HUDに割り当てた9月末までの予算は2016年度レベルより増加したが、カーソンは彼の人生観に基づき、貧困者に対する優遇を否定している。

今日オハイオ州のコロンバスを訪問し、幾人かの低所得者、老人など住宅の援助が必要な人々に会っているカーソンは、提供される利用可能な政府融資の住宅はあまり快適過ぎない方が良いと述べたことで注目されている。カーソンは政府の助成金による住宅は一部のアメリカ人に必要不可欠であることを理解しているが、「思いやりは人を依存させるか、または、私はここに留まります。彼らは私の世話をするだろうと、誰かが言うような快適な環境を提供することを意味しません」と述べた。カーソンは、住宅は利用可能であるが、低所得の人々が政府支援の住宅に依存し、居心地良くなって欲しくないと語った。

カーソンは政府の援助に依存し過ぎた場合、人種分離の要因になり、貧困から改善するため懸命に働くことを妨げるとの人生観を抱いている。彼は予算削減を強調しているが、実際にはさほど予算が緊迫しているわけではない。住宅都市開発省に対する予算割り当てによると、4月30日夜半合意に達した超党派のCR法案には、HUDに総額388億ドルを提供する。これは、2016年度制定水準を上回る5.13億ドルの増加があり、要請額を8.24億 ドル下回る予算である。また、公共住宅の予算には、公共およびインディアン住宅のための275億ドルが含まれている。これも2016年度のレベルを6.23億ドル上回り、要求レベルを 7.60億ドル下回る。このレベルは220万の低所得世帯の支援を継続する予算である。トランプ大統領は、 ほぼ全ての国内プログラムの予算を2016年レベル以下に削減することを提案し、HUDに対する予算は2016年度レベルより13%削減することを提案していた。しかし、超党派の合意予算はその逆であることを示唆している。従って、 同じプログラムに対処する新政権下で公共住宅の質を落とす必要はないはずであるが、カーソンは削減に固執している。

3日のニューヨーク.タイムスによると、コロンバス地区のツアーで、各所を立ち寄ったカーソン長官は、動物が許されたかどうかを1つの場所で調べ、さらに別のところで、ホームレスの避難所の中に数十の二段ベッドを積み重ね、意図的にテレビを提供していないと公務員が説明すると、「明らかに幸せ」な表情で「うなずいた」という。公共住宅政策に対処するカーソンの「貧困緩和に関する彼の意見は厳しい」ことで知られているが「過剰な政府援助は、過度な依存に繋がるという彼の信念は確固たるもの」である。HUD関連の仕事も含めて、全く公職の経験がないカーソンの「これらの見解は変わっていない」という。彼は「私たちには精神病の人がいます。私たちには高齢者や障害者がいます。多くの場合、このような人々が自分自身の面倒を見るため多大な努力をすることを期待できません」と述べた。しかし、彼は労働可能な「別のグループがいる」ので、単に彼らへの援助を維持すると「多大な不利益を被ると思う」と述べた。また、HUDで最も長期的に実施されているプログラムの1つであるコミュニティ開発ブロック.グラント(CDBG)は、手頃な価格の住宅、貧困対策プログラム、インフラ整備などの地域社会開発活動に資金を提供し、州や地方政府の裁量権で大幅に利用されている。カーソンは、このようなプログラムは問題であるため、撤廃を要求されていることを知っていると述べ、HUDの職員の言葉を引用し、「プログラム全体を除去する必要があるかもしれない」と述べた。

HUDの長官としてトランプ氏に指名されたカーソンは、1月に開催された 銀行.住宅.都市問題上院委員会の公聴会で、少年時代、デトロイトのアフリカ系アメリカ人貧困児童として「ネズミとゴキブリ」が同居する「荒廃した」住宅に住んでいたと語った。しかし、母親は家内労働者で、彼が幼い頃から自立の重要性について彼に教えたと語った。カーソンは「 人は、人間が本来保持している才能を奨励しないことを促進していると思われることが頻繁に起きている。故に、私たちは世代から世代に渡り、従属の状況に生きています」と語った。カーソンはフード.スタンプや住宅支援に至るまで、政府が提供する多数の福祉プログラムは、それを政府が提供すればするほど貧困のサイクルを促進するばかりであり、いわゆる慈善や配布は人が本来持っている才能と自立心を破壊すると述べた。

他多数の保守派と同様、カーソンは福祉が「依存の文化」を促進するとの人生観を提供したが、貧困の要因は動機の欠如や依存ではなく、一定の職業の賃金が少なすぎることが主要因である。公共住宅の依存と職業には相関関係があることは、これまで複数の調査が証明している。公的扶助に依存することは、多様な職業の労働者に見られる。カリフォルニア大学バークレー労働研究センターの分析によると、特に低賃金で公的援助率が高い職業のうちの3つは、ファスト.フード(52%)、育児サービス.プロバイダー(46%)、在宅介護労働者(48%)が含まれている。分析によると、労働者の公共援助プログラムへの依存度は、サービス業だけでなく、完全に1/4 の1パートタイムの大学教員(25%)とその家族は少なくとも公的援助プログラムの一つに登録している。しかも、現在連邦政府の福祉受給者は、訓練プログラムに登録し就労する必要があるため「依存の文化」の主張には疑問である。なぜなら、高度技術と機械化により、マニアル作業は完全に奪われ、長年の雇用喪失をカバーできない分野も多々あるため、これらの構造的な問題を考慮する必要がある。更に、連邦政府の最低賃金はインフレーションに追いついていない時代遅れの水準であるが、保守派は最適賃金を上昇することさえ拒否している一方で、富豪層を益々豊かにする減税には積極的である。この政治的体制に加えて、住宅及び雇用における歴史的な差別を含む社会的要因も無視できない。

 

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