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米国最高裁は今日、トランプ大統領のイスラム教6か国からの旅行禁止令に関する公聴会を秋に行うまでの期間、条件付で施行することを許可した。トランプの旅行禁止令はイラン、リビヤ、シリア、ソマリア、スーダン、イエメンの合計6か国からの旅行者に対して90日間、及び全ての難民を120日間一時停止することである。最高裁は72時間後の施行から秋の最終決定までの期間にこの大統領令を部分的に施行することを許可した。この最高裁の決定は何を示唆している?

トランプ大統領令によるイスラム国からの旅行禁止は国家の安全保障及び特定宗教の差別につながる基本的な課題として論争的であった。トランプ政権が3月に発行した旅行禁止令の修正版は1月に発行したオリジナル版からイラクを除去し、これら全ての国の旅行者に対する新たなビザ発行停止を目指していた。1月発行の大統領令オリジナル版に対し、ワシントン州の判事が一時差し止め命令を下した。3月改正版の旅行禁止令に告訴したハワイ州に対して、第9巡回控訴裁判所の判事、及びメリーランド州の告訴に対して第4巡回控訴裁判所の判事は、旅行禁止令の一時差し止め命令を下した。トランプは4月に彼が指名したニール.ゴーサッチ判事が最高裁に就任した後、最高裁に上訴すると述べていた。トランプ政権の弁護士は6月14日最高裁に念書を提出し、これら下級裁判所の一時差し止め命令を撤回するよう要請していた。

トランプ政権の要請に対し、最高裁は今日の決定において ① このトランプの6か国からの旅行禁止が国家安全保障として合憲であるか、又はイスラム教徒に対する差別であるかどうかの公聴会を10月に開催することに同意した。しかし、② 暫定的な条件として、旅行者が米国と「真実の関係」がある人、例えば、米国市民または永住権保持者の家族が米国に在住している人、また米国の大学に入学許可を受けた学生、米国の大学に雇用された大学教授及び米国企業が必要としている顕著なビジネス関係者はトランプの禁止令には含めないことを明白にした。つまり、個人及び米国の機関に非常に深い関係がある旅行者は大統領禁止令から除外された。③ しかし「真実の関係」がある個人に関する具体的な基準を明確にしていない。④ 難民の場合、既に許可されその手続きの最中である人、及び正当な難民の地位がある人は米国入国に制限を受けないことを確認した。

一方、最高裁はトランプの旅行禁止令は広範すぎるとして、6か国からの外国人による入国禁止は、米国と全く無関係の外国人に限定する範囲内で施行することを許可した。トランプ旅行禁止令の論争的な問題に対して、この最高裁の暫定的決定は非常に合理的にも思えるが、誰がそのような資格のある人物であるかを判断できるのかという点で一部複雑な問題を提起した。真実の関係をボナ.ファイド.リレイション(Bona Fide Relationship)と表現するが、それを証明するためには入国者が「公式に文書化」された証明書を提供する必要がある。学生の場合は大学の入学許可書、教授の場合は大学との契約書、米国の企業が採用した特別労働者の場合、その会社の採用通知のような書類がそれに該当すると思われる。特に、これの国から米国に入国する旅行者にアメリカ市民または永住者である家族がいるかどうかを明確にする方法や基準については明確にしていない。最高裁は、一般の旅行者と「真実の関係」がある旅行者との区別を正当性する方法を明確にしていないため、少なくとも関係機関は混乱を防ぐため、全てのカテゴリーにおいてその区別の基準を明確に定め公式に文書化する必要がある。従って、事務的にはもっと複雑で煩雑になる可能性がある。

26日の最高裁の判定は、国家安全保障に関する大統領の権限に対して、宗教的差別による憲法違反の両方の法的議論を支持したことを示唆した。また、最高裁は6か国からの外国人旅行者を米国に「真実の関係」がある人とそうでない人を二つのカテゴリーに分類し、事実「公正のバランス」をその判定基準として簡潔に述べたが、最高裁の決定は一部混乱の要因になる可能性がある。最高裁の保守派を代表するクレアランス.トーマスはこの問題は多数の訴訟に発展すると警告した。トーマスを含め、サミエル.アリート及びゴーサッチの3人の超保守派判事はトランプの旅行禁止をほぼ全面的に支持することを示唆した。最高裁首席のジョン.ロバーツ及びアンソニー.ケネディ両判事は、複数の下級裁判所による差し止め命令の一部を維持することを主張した4人のリベラル派の判事に合流したが、多数派意見書は無署名である。今日の時点で、最高裁はトランプの旅行禁止令の法的メリットを論じていないが、多数派6名の判事は10月の判定でトランプの旅行禁止令を全面的に打破する機会を得たことを示唆している。独立派の立場を取ることで知られるケネディ判事(7月で81歳)は退職の噂がある。シンクタンクを含む複数のリベラル機関は、彼が退職した場合、もっと強固な保守派の判事をトランプが指名する機会があると懸念し、退職延期を要請する誓願書をケネディ判事に送ったことが今月初旬に報告された。彼はまだ最終的な結論を表明していない。

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