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米国の医療保険法案の制定におけて共和党の葛藤は続いている。26日、議会予算局(CBO)はBetter Care Reconciliation Act (BCRA)と呼ばれる上院の法案は5月4日に下院議会が通過したAmerican Health Care Act(AHCA)とほぼ同様、数千万人が医療保険を失うと警告した。その後、多数の議員はこの法案には投票しないと宣言した為、上院で謀反が起きたと言われた。投票数が不足することが明確になった昨日、上院共和党多数派リーダーのミッチ.マコーネルは 7月4日の独立宣言記念の休暇後まで投票を延期すると公表した。昨日上院議会は想像以上に分裂し、事実上、上院共和党はアフォーダブル.ケア.アクト(ACA)の撤廃及び代替え案の制定が非常に困難な厚い壁に直面した。今日公表された世論調査によると、大半の有権者はBCRAを支持していないが、上院共和党の投票延期は何を示唆している?

26日CBOは上院の法案が通過した場合、2018年に1,500万人が医療保険を失い、2025年までに2,200万人が医療保険を失うと警告した。約1兆ドルの予算を削減するこの法案は、今後10年間で数百億ドルの赤字を削減するが、多数の上院議員らは、CBOの評価が公表された後、支持できないと発表した。その後、多数の上院議員らはホワイトハウスでトランプ大統領と協議したが、彼らはトランプが法案を読まないことを再度知った。上院法案に公式に反対した強固な右翼派と穏健派は合計9人、推定投票数は41であり、目標の50票を獲得することは不可能であるとして、投票を延期した。法案の内容に対し、反対者の間には完全なイデオロギーの違いがあった。強固な右翼派は基本的に法案が寛大すぎると批判したが、27日マコーネルに手紙を送ったケンタッキー州の米国上院議員ランド.ポールは、個人及び中小企業に対する「多大な自由」を求めている。穏健派は ① 医療保険費用を低下しなくてはならないが、CBOの報告は増加すると述べていると主張した。② 既存疾患の人々も完全に補わなくてはならない。③ メディケイドを保護しなくてはならない。④ プランズ.ペーレンフッズに継続的な融資を提供する必要がある。⑤ 医療保険法案に超党派で取り組むべきであると様々な反対理由を表明した。

共和党内に多大な分裂があるため、投票を休暇後まで延期したとしても問題の解決にはならないが、上院共和党はオバマケアの撤廃を諦めた訳ではないので、休日前の数日間で再度、改正に取り組み、約一週間の休日後に再度CBOの評価を得た後、投票する予定である。つまり、上院の法案は昨日死滅したわけではないため、下院が最初にAHCAの投票を諦め、5月に何とか通過したような同様の路線をたどることも予測される。賛成票に投票しないことを宣言した9人は、現在交渉の機会を得ているが、イデオロギーの異なる全員の要望を全て追加することは理論的に不可能である。しかし、少なくとも5人の共和党上院議員が懸念したメディケイド削減、数人の議員が懸念した薬物中毒、毎月の医療費などの側面を考慮した改正が行われると予測されている。ジョン.マケイン及びスーザン.コリンズを含む少なくとも4人の穏健派は、民主党と共に取り組むべきであると主張したが、引き続きドアの裏側で協議される可能性が高い。

選挙キャンペーンでメディケア及びメディケイドを保持すると公約したトランプは、メディケイドの大幅な削減があることが既に判明していた26日、公的に反対したディーン.ヘラーを批判し、上院の法案を強く支持したため、トランプの公約はあまり意味がないことを証明した。新トランプ政権発足後、幾つかの保険会社はACA下の市場から離脱した。議会を支配している共和党は助成金を削減することを強調しているため、その不安定な状況から保護する目的で彼らはACA市場から離脱した。しかし、下院議長のポール.ライアンを含む多数の共和党はその例を挙げ、オバマケアは崩壊していると繰り返し誇張している。共和党は ACA撤廃と代替え法案の制定に7年半以上失敗しているため、それがどれほど困難であるかを物語っている。

加えて、医療保険に関する両党の哲学には根本的な相違がある。民主党は2010年3月に制定されたACAの名称通り、安いコストで全ての人々が医療保険に加入することを目指しているが、特に強固な右翼派の共和党は、メディケイドを政府依存の福祉であると見ているため、特に低所得者が医療保険を失う結果になるメディケイド排除を目指している。彼らはACAを含めて、オバマ前大統領の政策に反対し、台頭したティーパーティー保守派運動から議会に送られた代表者であるが、彼らの両院での存在はACA撤廃及び代替え法案の通過を不可能にしている一種の皮肉な風潮がある。医療保険の最後の手段は、現在65歳以上の米国人が対象になっているメディケアの適正年齢を50歳以上に引き上げるか、または所得、職業、健康状態に関係なく、全住民の基本的な医療費を州が税金で補っている医療制度であるシングル.ペイヤーの採用を検討することである。

いずれにしても、総体的に大多数の米国民は上院のBCRAを支持していない。28日公表された33ページの NPR/PBS News/Marist Collegeによる新たな世論調査は、上院共和党の医療法案は不人気であることを示唆した。上院議会の医療法案をどう思うかとの質問に、全有権者の57%は支持しないと答え、支持者はわずか18%である。23%は内容を十分聞いていないので意見が無いと答えた。地域的に意見が異なり、北東地域では61%、中西部では46%、南部地方で56%、西部地方で58%がBCRAに反対した。全国的には55% の有権者はその上院法案を支持していない。議会はACAをどうするべきかとの質問に全有権者の ⑴ 16%はそのままの状態で良い、⑵ 46 %は多くの事項を改正する、⑶ 7%は少し改正する、 ⑷ 25%は完全に撤廃すると答えた。トランプ支持者の37%はBCRAを支持し、不支持は25%であるが、34%は何も聞いていないので意見が無いと答えた。この調査で、ACAの完全な撤廃を望んでいる国民は総体的にわずか25%であり、過去7年間撤廃を公約し、この法案を秘密裏に作成した共和党には良い兆候ではないことを示唆した。

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