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ドナルド.トランプは選挙キャンペーン中、米国大使館を現在テルアビブからエルサレムに移転することを語ったことがある。米国大統領は歴史的にパレスチナ.イスラエル問題でどちらかの側に立つことはない。しかし、トランプ大統領はその慣例を破り、昨日エルサレムがイスラエルの首都として認識していると前代未聞の宣言をした。今日、中東の各地でデモ抗議及び暴動が発生し、パレスチナ人は抗議活動で、米国旗及びトランプの写真を燃やしている。加えて、世界のリーダーはトランプの決定を鋭く批判している。このトランプ決定の動機は何だろう?

昨日トランプはエルサレムがイスラエルの首都であると宣言した。その後、欧州、バチカン、国連、アラブ諸国のリーダーからの多大な反応があった。英国首相テレサ.メイは 「米国が大使館をエルサレムに移動させ、最終的な地位協定前に「エルサレムをイスラエルの首都として認識することに同意しません」と明言し、「イスラエルの英国大使館はテルアビブを拠点としており、移転する予定はありません」と述べた。ドイツ首相アンゲラ.メルケル は「エルサレムの地位は2か国の枠組みで解決されるため、ドイツ政府はこの立場を支持しません」とスポークスマンを通して伝えた。フランス大統領エマニエル.マクロンは、古代都市の地位に関する決定は交渉を通して解決されなければならないとし、「フランスは米国の決定を承認しません。フランスはエルサレムを両国の首都として、平和と安全に生活しているイスラエルとパレスチナの二国の解決策を支持します」との声明を発表した。教皇フランシスは、バチカンから「国連の関連決議に適合して、市の現状を尊重することに従うよう心から訴えます」と語った。バチカンの公式見解は、宗教的および領土的紛争に対する二カ国の解決策を支持している。米国国連大使ニキ.ヘイリーは昨日CNNのウルフ.ブリッツァとのインタビューで「 エルサレムの如何なる部分に関して、我々は何も言っていません」と述べ、エルサレムに関する決定はイスラエルとパレスチナ人の双方が決定するべきであるとし、「それは米国が決定するためのものではない」と語り、米国は一方の側に立つことはないことを示唆した。

Image result for Images of Burning Trump's photo and U.S flags after Trump announcing Jerusalem issueイスラエル及び米国大統領の写真を燃やすパレスチナの抗議者

ハマスの政治指導者ハニヤ.イスマイルは「この決定は平和プロセスを殺し、OSLOを抹殺し、和解プロセスを除去します」と述べた。OSLO(オスロ)はイスラエル政府とパレスチナ解放機構間の一連の合意であり、1993年にワシントンD.C.で署名された。イスマイルは「最高のイスラム教徒及びパレスチナの中心であるエルサレムにいるキリスト教に対する戦争宣言の攻撃である」と述べた。パレスチナ自治政府の大統領マフムド.アッバスは「このような決定は和平プロセス、そして地域と世界の平和、安全、及び安定性に危険な結果をもたらす 」と警告した。ヨルダン国王のアブドゥラは、米国大統領の決定は「地域の安定と安全保障に危険な影響を与える。二カ国の解決策に代わるものはなく、エルサレムは平和協定の鍵である」と述べた。サウジアラビア王室の裁判所は「失望」を表明し、トランプの行動は平和のプロセスを前進させる努力に激烈な後退を例示し、エルサレム問題に関して、米国の歴史的な公正の立場からの変化である。それはパレスチナとイスラエルの紛争をさらに複雑化するだろう」と述べた。エジプト大統領のアブドル.ファッターフ.アッシーシーは「中東和平の機会を損なう措置を講じることによって、地域の状態を複雑にしなくて済む必要性」を強調した。トルコの大統領レジェップ.タイイップ.エルドアンはスポークスマンを通して、米国は「地域と世界が終わりのない火の中に突入している」と述べた。エルドアンはエルサレムを「イスラム教徒の赤線」と呼び「我々はこの問題に関して、イスラエルとの外交関係を断つ結果に至る可能性がある」と警告した。

米国大使館をテルアビブからエルサレムに移動すると決定したトランプに対する世界の反応は劇的である。しかし、この決定を1年間待っていた二人の男性がいる。一人はトランプに多額の寄付をしたカジノの億万長者で共和党の寄付者であり、もう一人は強固な親イスラエル.グループの代表者である。6日のニューヨーク.タイムス(NYT)によると、昨日のトランプの決定は「政治的」動機に基づいている。トランプは就任する10日前、トランプ.タワーでアデルソンと個人的な会合を持った。その後、アデルソンは長年の友人であるモートン.クラインに電話で、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移動させることが主な優先事項であるとトランプは彼に語ったとクラインに報告した。シオニスト組織の大統領であるクラインは「私が興奮したように、彼はとても興奮していました。彼の心と魂にあるものです」と述べた。

トランプにとって「エルサレムの地位は、外交上のジレンマである事より、常にもっと政治的な肝要による」ものである。彼自身の平和のイニシアチブを危険に晒す一方で、失望した福音主義者やアデルソンのようなイスラエルの支持者に直面し、又は同盟国やアラブの指導者を警戒させながら、大統領は彼の主要な支持者の側に立ったとNYTは指摘した。そうすることで、トランプは外国の指導者からの非難を招いた。彼らは「その動きは無謀で自滅行為である」と述べた。また、外交官や海外に派遣している部隊だけでなく、反米攻撃を心配した国務長官レックス.ティラーソンと国防長官ジェイムス.マティスの意思にも反した行動を取った。

アデルソン及び他のイスラエル支持者たちは深く不満を抱いていた。10月ホワイトハウスでの個人的な夕食会で彼は妻のミリアム及びジャレッド.クシュナーを含めて、この問題についてトランプに圧力をかけた。アデルソンは 6月に大使館を移転することを内部的に主張した当時戦略顧問であったスティーブン.バノンにはけ口を求めた。アデルソンは長年、親イスラエルのグループを援助し、イスラエル首相のベンヤミン.ネタニヤフと緊密な関係を築いてきた。彼らは共和党とその政治家にその政策を推進するためカジノの財産を使った。キャンペーン中、トランプは公的には金持ちの寄付は不要であると宣言したが、キャンペーン早期、個人的にアデルソンに会い、財務的援助を求めた。説得されたアデルソンはトランプのキャンペーンを支持した政治行動委員会に2,000万ドル、共和党大会を組織した委員会に150万ドルを寄付した。

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要するに、米国は和平仲介の国であるため、党派に関係なく、歴代の大統領は誰一人エルサレムがイスラエルの首都であると宣言した事はない。トランプは今年2月、ネタニヤフに会うまで二国解決策を支持していたが、その後、長年のワシントンの中東政策の基盤であるイスラエルとパレスチナの紛争に対するこの方針を突然放棄した。過去11か月間、政策決定の一つ一つに至るほぼ全ての課題で、トランプは米国及び世界の安全保障より個人的利点をもっと優先する傾向がある。エルサレム問題もその例外ではなさそうである。 ネタニヤフとも親しく、トランプに多額の選挙資金を提供した億万長者シェルダン.アデルソンは、早くから米国大使館をエルサレムに移転する希望を語っていた事が報告されていた。トランプのエルサレムの決定は、中東和平政策に基づくものではなく、大金を寄付したアデルソンとの約束及びアデルソンと親しく、「オバマよりクリントンを恐れていた」イスラエル首相の流暢な英語の見事な説得に押された格好になった。エルサレム問題は選挙当時の公約の一部であるが、中東の和平より彼の政治的な都合が主な動機であることを示唆している。

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