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ディープ.ステイトは名詞であり、明白な定義はなく、ほとんどトランプ大統領の支持者及び陰謀論説者に用いられている表現である。その陰謀論者は、政府の政策をコントロールする組織が政府の深い隠れた部分に存在し、政府の政策を秘密裏に操作するかまたは支配する母体であると信じている。そのような表現を利用することで、実際に懸念する政策及び課題に関して、過激主義的なイデオロギーを広めることを可能にしている。ディープ.ステイトは、2016年大統領選に干渉したロシア関連の捜査を2017年5月から先導している特別捜査官ロバート.ミュラーがトランプ大統領の弁護士マイケル.コーエンを家宅捜査した例にも応用可能である。

ドナルド.トランプが2016大統領選に勝利する前から、ディープ.ステイト(Deep State )の表現を使った書籍が幾つか出版された。この表現をタイトルの一部に用いた書籍は主に、トランプ大統領を支持する共和党によるものが多い。ニューヨーク.タイムスのベストセラーとして注目されたオバマ.ネイション(The Obama Nation)の著者で、政治論説及び陰謀論者のジェローム.コルシは今年3月出版された著作Killing the Deep State: The Fight to Save President Trumpの中で、共和党16人の立候補者とヒラリー.クリントンを打破したトランプ大統領は、現在彼の大統領職を救済するためディープ.ステイトを破壊する必要があると述べている。コルシは、バラク.オバマの左翼政治を維持するため、クリントンが勝利することを期待していたディープ.ステイトの勢力は「2016年11月9日の夜明けまでドナルド.トランプの崩壊を計画していた」と主張している。コルシは民主党及び共和党主流派に反対する政治的独立派として、トランプの支持者であり、政府の影の勢力がワシントンで、如何に秘密裏に権力を握っているか、トランプを弾劾または辞職させる努力に失敗した場合、トランプを暗殺する能力があるディープ.ステイトがなぜ危険なのかについて詳細に記述している。

陰謀論を促進するニュース源を頻繁に引用するトランプは陰謀論者の一人であると言われている。トランプ大統領は17の情報及び諜報機関が報告したロシアの米国大統領選の関与と妨害について、民主党が歴史上最大の敗北をしたため、彼の司法妨害に対する捜査は前代未聞の「魔女狩りである」と主張し続けていた。陰謀論者はミュラーの捜査もディープ.ステイト勢力の影響であると見ている。従って、陰謀説を信じるトランプ支持者は、高度なハイテク技術を駆使するハッカーが米国の選挙システムに侵入した情報部の報告も信じていないと言われている。そのような陰謀論者は米国人口の一握りであると信じたいが、複数のデーターは意外に多いことを示唆している。例えば、2014年6月4日に公表されたナショナル.パブリック.ラジオ(NPR)によると、当時、大統領バラク.オバマのバーサー運動を推進したトランプは「オバマは米国生まれではない」と主張した。また、19%の米国人は2001年9月に起きた同時多発テロに関して「9.11のテロ攻撃は米国政府が背後にいる」との陰謀説を信じた。シカゴ大学の複数の研究者による調査結果は、25%の国民は金融危機がウォール街の銀行家の小さな秘密結社によって引き起こされたと信じ、11%の国民は「人々を従順に制御することを容易にするため、コンパクト蛍光灯への切り替えを政府が義務づけている」と信じていた。研究者は調査の結果、50%の米国民は何らかの陰謀説を信じている現状を発見した。

最近では、トランプ大統領を支持する陰謀論者は彼に対するニュースはトランプを打破するための陰謀であると信じているという。その運動の先導者は、気候変動科学は「悪ふざけ」であり、ロシア関連調査は「魔女狩り」であるとして、支持者を意識してか、ほぼ毎日ツイート投稿に熱心なトランプ大統領である。特にトランプに対するロシア調査は「政府の中に潜んでいるリベラルなディープ.ステイト」の勢力の一部であり「トランプ大統領を破壊し、彼がアメリカを再び偉大にするのを妨げることにいつも挑戦し続けている」と主張している。また、選挙でヒラリー.クリントンが敗北し、トランプが勝利したため、ロシア関連調査を「デッチあげです。それは全て獲物の臭跡です。私を信じて」と支持者に語っているトランプ大統領も陰謀説を拡大する一役を担っている。

5月11日のシカゴ.トリビューンによると、その陰謀論説者は、その「魔女狩りを先導しているのは(共和党の大統領を破壊する陰謀のある)ミュラーであると主張している。しかし、先週FBIが家宅捜査した大統領の弁護士マイケル.コーエンの例は、その陰謀説が空想的であることを明白にしている。なぜなら、ミュラーは共和党に登録した共和党員であり、FBIディレクターとして最初に共和党大統領のジョージW.ブッシュに指名された。トランプの弁護士に対する家宅捜査はミュラーの調査に基づき、ニューヨーク南地区の米国弁護士事務所への紹介から始まったものである。そのニューヨーク南部地区の弁護士は、大統領のキャンペーンにも寄付し、トランプの支持者であるジェフリー.バーマンである。筆者は「一体どんな共和党の特別顧問と共和党の長年の法執行当局者が、共和党大統領の立場を悪くするため、法的問題に言及するだろうか」と問い、陰謀説は「狂気じみている」と指摘している。コーエンに対する最近の突然の家宅捜査を例に「正常な世界にはディープ.ステイトは存在せず、不気味なリベラルが絶えずアメリカを破滅させようとはしていない。貴方はバーマンがこの調査を停止し、彼の大統領を保護すると期待している。しかし、彼はこの事件から身を引く努力をしたが、コーエンの家宅捜査のための捜査状を取得することには関与しなかったと伝えられている」と指摘している。実際にコーエンの家宅捜査を認可したのはトランプ政権下の司法省である。司法長官のジェフ.セッションズはロシア関連調査から身を引いているため、副長官のロッド.ローゼンスタインが認可したが、両氏はいずれも共和党である。

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