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U.S. President Donald Trump holds a breakfast meeting with NATO Secretary General Jens Stoltenberg (L) at the NATO Summit in Brussels, Belgium, July 11, 2018. Kevin LamarqueBy Finance Time

トランプ大統領は今日ブリュッセルで開催されているNATOサミットで、米国に借りがあると同盟国を混乱させる発言を再度強調した。ドイツのエネルギー政策についても事実に反する批判をしたため、そのような虚偽の発言については複数の主要メディアがファクト.チェックによって訂正したものの、米国の恥であるとの批判も含めて、両党のリーダーたちは素早く反応した。トランプ大統領はNATO設立の意義と背景を理解していないことを示唆している。

一般的にNATO(North Atlantic Treaty Organization)と呼ばれる北大西洋条約機構は冷戦初期にヨーロッパでのソビエトの攻撃性に対抗するため1949年に設立された安全保障同盟である。NATOのサイトによると、現在ヨーロッパ及び北米の29か国で構成されている。NATOの政治的意義は「民主的価値を促進し、メンバーが防衛や安全保障関連の問題を相談及び協力して問題を解決し、信頼を築き、長期的には紛争を防ぐ」ことである。また、NATOの軍事的目的は「紛争の平和的解決に全力を尽くし、外交努力に失敗した場合、危機管理業務を行うことである。これらは、ワシントン条約の第5条または国連の任命下、NATOの創設条約の単独防衛、または他国および国際機関との共同防衛条項下で行われている」と説明されている。

11日、NATOのメンバーと会談を行ったトランプは引き続き、NATOの同盟国は米国に経済的借りがあるとの混乱を招く主張を繰り返した。サミットの朝食会でNATO事務総長イェンス.ストルテンベルグに対して「率直に言って、私が懸念している事は何年も前から、支払いが滞っている多くの国が膨大な額のお金を我々に借りていることです。米国は彼らのために支払いをしなくてはなりません。だから、あなたが10年か20年払い戻したら、すべて採算が取れます。借りているお金は膨大な額です」と述べた。トランプは10日「彼らは米国に返済するか?」とツイートした。ニューヨーク.タイムス(NYT)を含む複数の主要メディアは、NATOは米国に対して、借金、返済の延滞などのような問題は一切ないと明白に述べている。トランプはNATO諸国がそれぞれ自国の防衛にどれくらい費やしているかを指摘し、もっと多くの支出を要求していることに言及している。そうすることで、米軍の支出に対する圧力が緩和されるからである。しかし、過去の数十年間で、彼らが米国に返済すべき借金はないとNYTは説明している。

防衛費の支出に関して、更に会話が続き、トランプは「私のために、彼らは昨年約400億ドルを調達しました」と述べた。ストルテンベルグはこれに対して「昨年、ヨーロッパとカナダはその世代で、最大の防衛支出を増加しました」と述べた。トランプは「なぜ、昨年ですか」と尋ねた。ストルテンベルグは「あなたのリーダーシップのためです。あなたが保持しているメッセージのためです」と応答した。NYTはこの会話について「トランプ氏はNATO加盟国が軍事費支出を増加したことをストルテンベルグにその名誉を与えることを促し、NATO事務総長は義務を負い、同盟関係者はトランプの厳しい語りは影響していると考えている。しかしNATO諸国による国防費増加のための最も重要な動きはバラク.オバマ大統領下で始まった」と説明している。2014年NATO加盟国は軍事予算の削減を止め、2024年までに国内総生産(GDP)の2%を自国の防衛に使う方向性に同意した。NATO同盟国は、ほとんどその方向に進んでいるが、彼らの支出は2%以下である。同盟国のリストは、米国が今年、GDPの3.5%を軍事予算に費やしていることを示している。ストルテンベルグは、ヨーロッパの同盟国及びカナダは2024年までに軍事支出に2,660億ドルを追加すると推定し「これは実際には余分な勢いを増している」と述べているため「明らかにトランプの圧力」を反映している。

NATOの軍事費に加えて、トランプはドイツがエネルギーをロシアに依存していると述べたが、これは虚偽であるとして指摘された。彼は「ドイツは石油を供給しているのでロシアの捕虜だ。彼らは石炭を廃棄し、核兵器を廃棄した。彼らはロシアからかなり石油やガスを得ている。NATOが見るべきことだと思う」と述べた。これについて、ファクト.チェックを提供したNYTは「彼は石炭と原子力について間違っており、ドイツのロシア天然ガスへの依存を誇張している。2017年のドイツのエネルギー生産は、石炭電力の1/3以上、原子力発電所の12%近くを占め、1/3は再生可能エネルギーから来ている。主要供給国であるロシアからの天然ガスはわずか13%であると説明している。トランプは、ロシアからより多くの天然ガスをもたらす新しいパイプ.ライン計画に対するドイツの受け入れに反対していた。ドイツは2022年までに原子力発電所を撤去する予定であり、石炭への依存度を減らそうとしているが、ドイツは「どちらも除去していない」と指摘した。

両党の指導者は米国の大統領として非常に恥な発言をしたトランプに反応した。上院議会少数派リーダーのチャック.シューマーは下院議会少数派リーダーのナンシー.ペロシとの合同声明で「今朝の彼の行動は、私たちのNATO同盟国よりも、大統領はプーチン大統領にもっと忠誠があるという別の深刻な憂慮すべき不穏の合図」を示したと指摘した。ペロシは「トランプ大統領のアメリカの最も堅実な同盟国であるドイツに対する厚かましい侮辱と誣言は、恥ずかしいことです」と述べた。共和党下院議長のポール.ライアンは記者会見で、トランプの批判を避けたが「NATOは不可欠です。これまでと同じくらい重要です」と語った。

トランプは引き続き、米国はNATOを保護するため多額のお金を使っているが、何も得ていないとのニュアンスの表現を続けている。これは彼がNATOの意義について、混乱と無認識があることを示唆している。NATO同盟国は、米国が他の敵国から攻撃された場合、米国を保護するため動く心強い有志国であるが、その意義を認識していないようである。2001年9月11日、米国が同時多発テロ攻撃を受けた時、北大西洋条約の第5条が一度発動された。NATO同盟国は相互協力を基盤に構築されたため、彼らが米国の傘下にあるような発言は間違っているが、防衛費について多くの同盟国が目標の2%を達成するように明白に述べているのであれば、要点をついていると言える。しかし、ロシアがNATO同盟国を侵略するような現実に直面しない限り、各同盟国が実際に防衛費を増やす必要があるかどうか疑問である。

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