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Image result for images of mccarthyism and TRUMPBy  Franklin & Marshall College

トランプ政権の市民権略奪の動きは、1940年代から1950年代にかけて台頭したマッカーシィズムの一部の動きに類似しているが、その性質は異なっている。ウィスコンシン出身の米国上院議員右翼派共和党ジョセフ.マッカーシーは、全米の隅々に共産党員が潜んでいるとして赤狩りを先導した。妄想的なその赤狩りは、ハリウッドにもおよび、議会、政府の職員、国務省および財務省を含む政権の閣僚、ホワイトハウス、軍隊の中にも多数の共産党員がいると主張した。特に、1953年から1955年の期間に、マッカーシーは共産党員が米国のあらゆる社会に浸透しているとする激烈な宣告は全米で恐怖と疑惑の風潮を生み出した。これはマッカーシィズムと呼ばれているが、当時34代大統領ドワイトD.アイゼンハワー(1953-1961)は、正面からマッカーシーに対抗することはなく、ホワイトハウスの影響力を利用し、背後からマッカーシーと彼の仲間を追い詰め、妨害する方法で対処した。

マッカーシィズムは議会での召喚の権力を得た為、共産党員であると疑われる人物を、適切な証拠もなく、聴聞会に呼び出し、米国市民に恐怖を与えた。マッカーシィズムに最も深く関与した上院議員はマッカーシーの他に、1953年から1961年まで副大統領であったリチャード.ニクソンである。マッカーシィズムは共産党を包囲することに集中した冷戦時代の狂気じみた政治的風潮であるが、アイゼンハワーの任期中、マッカーシーは共産党と疑われる米国市民の市民権を略奪するため、10,000人の市民、および追放のため12,000人の外国人に対する調査を開始した。また、忠誠心の問題で連邦職員を解雇するため行政の能力を拡大し、1,500名の従業員が解雇される結果となった。このうちの90%は聴聞会を受けることはなかった。しかし、1953年中頃までにはアイゼンハワー政権は「マッカーシーを公然と非難し、アメリカの聖職者とCIAを調査するための試みに公然と挑戦し始めた。33代大統領ハリー.トルーマン(1945-1953)及びアイゼンハワーはいずれもマッカーシィズムに関連したヒステリーを高める上で重要な役割を果たしたが、最終的にマッカーシーに挑戦した。冷戦時代の大統領の顕著な大義名分は、全て共産党の封じ込めであったためである。

しかし、ドナルド.トランプはキャンペーン当時から、米国で生まれる移民の子供たちが自動的に米国市民になる憲法に疑問を提起した。そのような発言は昨年の12月及び今年3月から引き続き聞かれるようになった。この場合、マッカーシィズム時代に見られた道義や根拠はなく、単に政治的恐怖が要因である。事実「保守派はアメリカの民族的及び人種的構成が永遠に変わることを恐れている」と指摘されている。事実、米国で生まれた子供たちが選挙権を得る年齢に達した人口層が増加し、米国は事実上人口動態的変化が起きているからである。4月には、2020年の国勢調査でトランプ政権は「米国市民であるかどうかを人々に尋ねる」計画があると発表したため、民主党州の司法長官らは、調査への参加を減少させ、不正確な計算につながるとして、法的喧騒のムードを引き起こした。しかし、市民であるかどうかの質問を国勢調査に追加するよう提案したのは、共和党多数の司法長官である。3月商務長官ウィルバー.ロスは、1950年以来初めて、2020年の国勢調査に市民権問題が含まれると発表した。

共和党の提案者らは市民と非市民の数を正確に知ることで、確実な有権者数及び政府プログラムの資金を正確に算出することが可能であるなど、様々な理由を提起しているが、民主党は、不法移民を保護するサンクチュリー区域の弾圧と合法及び非合法に関係なく、移民の数を減少させるための最初のステップであると述べている。事実、トランプは2015年6月に大統領戦の立候補を宣言した数ヶ月後、CNNが主催したニューハンプシャーでのタウンホール集会で、不法移民が米国に入国し、子供が生まれると、その子供は米国の生得市民権を自動的に得ることが問題であると述べた。いわゆるアンカー.ベイビーについて述べ、これを早く終えるため、何かができると主張した。その後、この状況を変えることを主張し始めたトランプの最近のターゲットは市民権である。

大統領令で市民権を停止できると提案した共和党もいるが、それは間違いである。憲法で定められている法律をペン一本で変えることができるなら、大統領は法の上に存在するパーワーがあることになるが、大統領も含めていかなる人も法の上に存在しないと述べたのは、トランプが指名した最初の米国最高裁判事ニール.ゴーサッチである。移民の両親が米国で生んだ子供は自然に生得市民権を与えられている状況を終えるためには、行政ではなく、立法部でその行動を起こす必要がある。従って、上院及び下院でそれぞれ2/3の投票が必要なだけでなく、2/3の州が同意しなくてはならない。市民権を失う個人は重犯罪者であるか、又は国に対して反逆罪を犯すか、あるいは米国民であることを自発的に放棄するかのいずれかである。従って、自然に生まれた市民が市民権を失うことは事実上不可能である。

しかし、米国のこの寛大なシステムに疑問を提起したのは、トランプが初めてではない。2005年11月4日、当時CNN保守系のアンカーであったロウ.ドブスは、彼の番組Lou Dobbs Tonightの複数のゲストとの論議中、不法移民の両親から米国で生まれた子供が自動的に米国の市民権を得る状況を変えたい議員が増えていると述べた。また、米国で不法の外国人に生まれた赤ちゃんに市民権のすべての権利と特権が与えられていることを不合理だと思いますか」と視聴者に尋ねた。番組の終わりに、その回答を寄せた人たちの結果が判明するシステムで87%が不合理だと思うと答えた。保守派のドブスの番組を見るのは、同じく保守系の視聴者が多いため、この数値は特に驚くことではないが、彼はCNNには保守すぎる傾向があったため、数回辞職を繰り返し、最終的に2009年に辞職した。

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