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Image result for IMAGES OF James MattisBy   CNBC

ホワイトハウスの崩壊を防ぐ3人の中で、最後まで残っていた国防総省の長官ジェイムス.マティスは、20日トランプ大統領の外交政策に抗議するため辞職を表明した。国境での壁の予算が含まれていない継続予算には署名しないとトランプは主張した為、政府はクリスマス前から政府閉鎖の危機が漂う最悪の事態に直面している。マティス辞職のショックの波動は海外の同盟国まで拡大している。既に崩壊寸前のホワイトハウスでトランプの言動には極度な混乱が見られ、それはワシントンだけでなく、海外にまで影響を与えている。

トランプはここ数週間、議会に予算を提供するための継続法案に風見鶏的態度を繰り返している。議会はクリスマスの休日に入るため、21日までに政権に予算を提供するための継続法案(CR)を通過しなくてはならない。通過しない場合、政府は閉鎖することになる。12月11日、その予算についてトランプは民主党の上院および下院の二人のリーダーをホワイトハウスに招待し、約55億ドルの壁建設の予算を含まない場合、誇りを持って政府を閉鎖すると主張した。政府閉鎖を望む共和党議員は存在しない。冷静な態度の次期下院議長ナンシー.ペロシに説教をされたトランプはその後、通常のCR法案に署名することを考慮すると述べたことが伝えられた。従って、19日上院議会は壁費用が含まれていない法案を通過したが、法外な発言で知られている二人の極右派がトランプを弱腰であると批判した。その直後、トランプは上院が通過した予算法案には壁資金が含まれていない為、下院で通過しても署名しないと狂気的な発言をしたことが20日に報告された。下院共和党は政府閉鎖を防ぐため55億ドルの壁資金が含まれた改正法案に20日夕方217対185票で通過した。上院議会ではフィリバスターを避けるためのクローチャー投票において、下院が通過したその法案を成立させるためには60票が必要である。ほとんどの上院民主党は、賛成票に投じる可能性はないため、21日から政府は閉鎖する可能性がある。大統領が政府閉鎖を脅す前代未聞の異常な状況が現在起きている。ホワイトハウスの混沌と政府閉鎖の恐怖に反応している株市場は最近10年以来の下降傾向である。

加えて、トランプはシリアとアフガニスタンから米軍を撤退するよう国防総省の長官マティスに命令した後、マティスはその政策に抗議するため、辞職を決定したと20日伝えられた。マティスは驚異的な手紙を大統領に送った。公開されたその手紙は、冒頭で第26代国防長官として部下の男女と国の理想のため一緒に奉仕することができたことに感謝し、過去2年間に進展があったこと、軍隊は米国の強い影響力を維持してきたことの誇りを表明している。また、辞職の理由として「貴方は、これらおよび他の課題で貴方の見解と良好に合う国防長官を保持する権利がありますので、私は自分の立場から退くことが正しいと思います」と述べているため、トランプの政策に抗議するため辞職を決定したことを示唆している。政権の中で、誰とも衝突することはなく、最も温厚で尊敬されていた国防総省のリーダーの辞職は、劇的なイベントとして伝えられている。また、マティスは大統領が次期国防長官を指名し、新議会で指名者の公聴会を行い、スムースな引き継ぎを行うための時間的余裕も提供し、来年2月28日に任期を終えることを明白にしている。

同盟国は、長年米国海軍の将軍でありリーダーとして、実績と信頼を築いてきたマティスの辞職の発表に多大なショックを表明している。21日のワシントン.ポスト(W.P)によると、ドイツの議会外交委員会委員長であるノーバート.レットゲンは「マティスは第二次世界大戦以来、米国の外交政策を支持していた最後の男でした。彼がいなくなると、これはトランプの大統領職に連結します。私たちには、今抑制されていないトランプがいますので、それは今後危険な信号です」と述べた。北京の退職した人民解放軍大佐で、軍事評論家であるユエ.ガングは「我々の懸念は、次に誰が来るかです。トランプが彼の本能とバランスを図るつもりがない人を選ぶなら、世界はもっと不安定になると心配しています」と語った。また「彼は厳しく、我々に怒っていたが、中国軍はこのタイプの専門軍人に対処する事が確実であると感じた」とユエは語った。中国国際問題研究所の研究員であるシェン.ヤメイは「トランプ政権の中では成熟した男性」であり、これまでマティスがいるため「米国との軍事関係は比較的安定している」と述べた。

W.Pによると、マティスの辞職決定はトランプがイスラム国家(ISIS)との戦いが終わっていないシリアから軍隊を撤退するとの決定に対して両氏間で論争があった後である。同盟国は相談も受けていなかった選択であり、大統領はアフガニスタンでの軍隊数も減少する準備を進めていたためである。トランプ政権下の「米国の外交政策は最悪の恐怖であり、益々不安定で、信頼性に欠け、内向きの米国になっている」と幾人かの人々は懸念している。例えば、欧州連合(EU)外相会議の共同議長で元スウェーデン首相だったカール.ビルドは、国防長官の辞職に関する報道に反応し「欧州における警戒の朝」と表現した。キリスト教民主同盟のドイツ政治家ノーベルト.ロトゲンは、彼の国がアフガニスタンに約1,000人の軍隊を駐在させ、シリアでは1人も戦闘員を派遣していない状況で「我々は成熟しなければならず、もっと自分たちに依存しなくてはならない。従事するためには今後、何回の緊急呼び出しが必要ですか」 と述べた。

フランスの元外交顧問で、戦略的研究のための国際研究所の社長フランソワ.ハイズバーグは、マティスが機能不全の政権を安定させ「西側の同盟体制を維持するのを助けてくれた」とツイートし「何か急進的な行動をとる圧力は高まるだろう」と述べた。シリアでの紛争で積極的な役割を果たしてきたフランス政府は、マティスが20日辞任通知書を提出することになったトランプとのシリアに関する激しい論争の焦点が何であるかを明らかにした。国防相フィレンツェ.パリーはRTLラジオで、ISISは縮小されたが排除されていないと述べ、シリアでの戦いが終わったというトランプの解釈を「全く共有できない」と語った。パリーは、マティスは「パートナーであり偉大な軍人である」との敬意を表明した。シリアで米国の「最も活動的なパートナー」である英国は、トランプの軍隊撤退の決定を警戒しているとW.Pは伝えた。ロンドンにあるシンクタンクRUSIのカリン.フォン.ヒッペル局長は、マティスは「トランプの孤立した衝動の抑制を可能にする最高の仕事をした」と述べた。しかし、マティスがいなくなると、英国のような国々は「第二次世界大戦以来、我々が信じ、推進してきた自由主義的価値をアメリカのリーダーシップなしに引き続き押し進める方法を模索しなくてはならない」と述べた。

このような国に同意しないロシアさえ、マティスを評価していたようである。ロシアの外交政策専門家、アレクシー.プシュコフ上院議員は「マティスは厳しかったが、現実的であり、ロシアとの対立を求めなかった。彼より良い後継者がいるだろうか」とツイートした。しかし、ロシア政府には、マティスはトランプとは政策が異なるとして喜んでいる役人もいるようである。パキスタン外務省のある高官は、アフガニスタンに配備された14,000人の米軍のうち約7,000人がトランプによって取り除かれる可能性があると語り「平和が回復する前に軍隊の撤退及び大幅な削減は非常に賢明ではない。混沌と不穏、更なる戦い、そして、恐らく内戦をもたらすだろう」と匿名の条件で語った。シリアでの暴動は進行中であるため、イスラエルは驚きと警戒を表明した。ベンジャミン.ネタニヤフ首相はトランプの撤退計画のニュースにそれが「アメリカの決定」であるとツイートし、マティスが辞職することで、イスラエルは中東における安全保障上の利益の声を失っていたという感覚があったという。イスラエルの首相府のマイケル.オレン副大臣は、イスラエルの指導部のように「マティスは、中東における強力なアメリカの在留がイランや他の敵対的な要素の緩衝地点になったと信じていた。それが過去となった今日、イスラエルは北部の大きな脅威に対処するため、自力で自衛する必要がある」とツイートした。

また、現在アフガニスタンに数百人の人員を派遣している米国の密接な同盟国オーストラリアで警報を発した。ジュリー.ビショップ前外相はマティスを他の誰かと「置き換えるのは難しい」と述べたことを、シドニー.モーニング.ヘラルド紙が報告した。トランプ政権最初の2年間、マティスと緊密に協力したビショップは「彼の懸命な協議、完全性、地政学的問題の深い理解は、米国政府と彼に協力した人々によって大きく失われるだろう」と述べ、マティスを大きく評価した。同国の国防相のクリスチャン.パインはマティスを「オーストラリアの親友」と呼び、「冷戦終結後、軍事能力が大幅に低下している米国は、現在意思決定に別の極端な変化をもたらし、それはオーストラリアにとって間違いなく、深刻な懸念になる。その答えは、オーストラリアが自国の防衛に頼らなくてはならないという事である」と同国の新聞社に語った。

マティスの辞職は衝撃的であり、一部の海外リーダーらはマティスの辞職表明がホワイトハウスの崩壊を現実的に促進していると見ていることを示唆した。ホワイトハイスおよび大統領の混沌は、トランプの選挙財政法違反が報告された後、多数の議会共和党がトランプと距離を置き始めた後にエスカレートしている。また、トランプを含むトランプ組織及び彼の家族は現在ほぼ全員捜査の対象になっていると公表された後、撹乱状態に見えるトランプの言動は特に顕著になったようである。加えて20日、一部のメディアは特別捜査官ロバート.ミュラーの調査結果が2月中旬に公表されると伝えている為、トランプは極度の恐れに直面しており、ほとんど冷静さを失っていると述べている批評家もいる。しかし、それが全ての調査結果であるのか、一部の調査結果または司法妨害のような特定の調査に限定したものか具体的な事は明白ではない。21日政府閉鎖の危機が漂っているが、特別捜査当局には自動的に資金が提供され、多数の政府機関は機能するため、壊滅的な打撃はないと思われる。しかし、多大な損害を受ける人物は、政治史には見られなかった規模のスキャンダルで渦巻いているホワイトハウスの大統領職を自ら傷つけているトランプ本人である。

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