政府閉鎖及び国境で拘束された子供の死亡は何を示唆？

By   Dawn.com

連邦政府閉鎖は12月20日から始まり、既に約10日が経過した28日、議会は再開を諦めたと報告されている。新議会が始まるまで閉鎖は続く状況である今日、 ほぼ過半数の米国人は政府閉鎖の責任はトランプであると述べている。トランプ大統領は民主党の責任であると主張しているが、27日に公表された合同世論調査は、国境の安全性を主張しているトランプが政府閉鎖を先導していると批判している。その国境で拘束され、トランプ政権の管理下で死亡した二人はいずれも今年国境での拘束数が大幅に増加したグアタマラからの子供たちである。

12月21日から25日に実施され、27日に公表されたロイター/イプソスの合同世論調査によると、米国成人の47％はトランプの責任であると回答し、33％は議会民主党、7％は共和党を非難した。政府閉鎖はトランプの無理な壁建設の要求に固執していることが要因である。キャンペーン中、その経費はメキシコが支払うと頻繁に述べていたが、米国の納税者が支払うことになる可能性がある約50億ドルの予算を議会が提供しない場合、政府閉鎖は新議会が開始される前後も続く可能性がある。実際の推定総費用は200億ドル以上である。トランプはその費用をかなり妥協したことを示唆しているが、時には壁の表現より国境の安全保障を強調している場合も多々ある。

この国境安全保障に無関係ではない深刻な問題は、亡命を求めて入国し、米国の国境で拘束され、米国政府の管理下に置かれた子供達の中で、既に二人が死亡したことである。24日に死亡が報告された最初の子供は、グアテマラの7歳の女子であり、約160人の集団でアメリカに旅行した後の拘留中に死亡した。彼女の遺体は24日グアテマラに移送された。グアテマラから来た8歳の少年はニューメキシコ州で原因不明により死亡したことが26日に報告された。二人目の子供が死亡したことが報告された後、米国税関及び国境保護局は27日、子供の移民を監護する方法を変更すると発表し、プロセスの変化を行うことを示唆した。国土安全保障省の長官カーステン.ニールセンは、連邦当局による拘留中、グアテマラの8歳の少年が死亡した悲劇の報告について「悲痛な死」を深刻な懸念であるとして、米国の入国管理システムを批判した。また、彼女は米国税関および国境での監視当局は拘留している全ての子供たちに健康診断を行うよう公的に指示した。

今年、国境を超えるメキシコからの不法移民は極端に減少しているが、中央アメリカから亡命を求める合法的な移民の数は約二倍増加している。BBCニュースによると、米国の南西境界で逮捕されるメキシコ人の数は2016年の約3,000人から2018年には約2,000人に減少した。しかし、亡命を求めるため同じ国境で逮捕される中央アメリカからは、ホンダラスとグアタマラが増加した。ホンダラスからは2016年の約20,000人から2018年には約39,000人に増加した。グアタマラから亡命のため米国の南西境界で拘束される人々の数は、2016年の約22,500人から2018年には約50,000人であり、2018年に急増していることを示唆している。

拘束中の監護下に置かれている二人の子供の死は、予防可能な人道的措置に欠けていることを示唆している。自国での政治的混沌と暴動から逃れている中央アメリカからのキャラバンの幾人かは途中で死亡していることが報告されている。従って、特に10歳以下の子供は、拘束中最初に健康診断が行われるべきであるが、二人が死亡するまで、そのような常識的で良心的な措置に欠けていたことを示唆している。政府が誰かを拘束又は監視下に置いた場合、健康管理も含めて、食事から衛生管理に至るまで、世話をする責任があるが、なぜ、そのような恥ずべき事態が起きているのか？ 恐らく、その最も明白な理由は、リーダーがその責任を拒否しているからであり、移民に冷たいリーダーの政策が反映していることを示唆している。トランプは合法的移民を前代未聞の規模で削減しているが、難民法は亡命者が米国に入国する方法や場所に関係なく入国可能であると定めている。しかし、トランプは米国の国境を超える人々を劇的に犯罪化している。トランプが高い壁の建設を主張する理由は、反移民の支持基盤にアピールする為である。南西部の国境での連邦麻薬密売の起訴は今年、過去20年間で最低レベルに低下しているにも関わらず、不法移民のほぼ全てが犯罪者であり、非合法の薬物を大量に持ち込こんでいるとの妄想と脅迫観念に基づいている。故に「ゼロ許容」の政策に基づき、 難民とメキシコからの不法移民を混同し、法律を認めず、法律に従う責任を回避する態度が全ての悪循環に繋がっているような状況になっている。