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Image result for Images of HikikomoriBy   Wall Street Journal

最近日本で起きた二つのショッキングな刺傷事件は、ひきこもりに関連性があるとして、米国でも注目されている。ひきこもりは米国を含む世界に見られる共通の社会問題である。インターネットの発展後に注目されるようになったひきこもりという表現は、国際的用語として2010年にオックスフォード英語辞典に紹介されたが、どのように定義されているのか? ひきこもり現象は、日本で最も顕著であると言われているが、ひきこもり現象を孤独と社会からの逃避と関連づけて米国、英国、日本の人々の意識を研究した米国の著名な組織によると、ひきこもりには幾つかの理由がある。

米国では銃乱射で多数の人々が殺害される事件が日常茶飯事に発生しているが、厳しい銃規制がある日本では大量殺戮事件はほとんどない。しかし、5月下旬、東京南西部の郊外にあるバス停で2枚の長刃のナイフを使った男が17人の女子学生と2人の大人を刺した。6日のニューヨーク.タイムスによると、11歳の少女と39歳の男性が死亡し、犯人は自身を刺し致命傷を負った。17人の女子学生らは川崎にあるカトリック学校に通っており、犯人は岩崎隆一(51歳)として確認されたが、警察は動機を特定していなかった。その数日後、川崎に住む76歳の元政府高官は、同居していた44歳の息子を致命的に刺した。その息子はひきこもりの生活を過ごし、母親を肉体的に虐待していたため、岩崎のように、他人に害を与えると恐れていたことが息子を刺した理由であると伝えられた。その後、米国社会はひきこもりに注目し始めた。米国にも、元政府高官の44歳の息子と同様、社会との接触がなくひきこもる人々がいる。

ひきこもりは、精神的病気に関連する世界的問題であるが、引きこもりが最も目立つ国は日本である。2015年に公表されたResearch and Advances in PsychiatryRAP: 精神医学における研究と進歩)によると、ひきこもりとは一般的に、就学や就労を拒否し、自室に身を隠し、個人的な社会との繋がりを避け、インターネットを通してのみ通信する青年および社会的孤立の条件を定義する用語である。ひきこもり現象は日本の文化や社会構造と明確な相関関係を示し、アジアで流行しているが、最近、ひきこもりは世界的で国際的なものであるという仮説に従い、アジア域外の科学文献は世界中のひきこもりのような事例の特定に焦点を合わせ始めている。日本語のひきこもりとは、「閉じ込められ、内側に引っ張られる」という意味がある。ひきこもりは、西洋文化では一般的に「社会撤退」として翻訳されており、2010年にオックスフォード英語辞典に掲載された。ひきこもりは、医学的および精神的な病気を超えるものであり、完全に理解されるためには、多次元の説明を必要とする複雑な文化的要素がある。疫学的および精神病理学的問題の両方に関する科学文献はまだ不足しており、明確な定義や普遍的に受け入れられている診断基準でさえ、まだ確立されていない。

川崎で起きた事件では、地元の精神保健当局は、おじとおばの家に住んでいた岩崎は「長期間」働いていなかったひきこもり者であると記者団に語った。3月に発表された政府の調査では、ひきこもりと特定されている人口は15歳から64歳までの日本の60人 に1人の割合で120万人近く存在する。しかし、専門家はその数字が問題の全範囲を過小評価している可能性が高いと述べている。ひきこもりに関連する他の有名な暴力犯罪があり、それらの事件は家族を殺害または親が長年ひきこもりで生きていた大人の子供を殺害した例がある。しかし、このような例は稀である。ひきこもりの専門家である筑波大学の斎藤環精神科医は、過去20年間で暴力的な犯罪を犯したひきこもりの数は10件以下であると述べた。彼は、「一般の人々と比較すると、ひきこもりは犯罪とは無関係であると結論付けるのは公正だと思います。 彼らは犯罪率が低い集団です」と述べた。しかし、一般市民よりもひきこもりの人々は、速い割合で家庭内暴力行為を犯していることを示唆する研究もあるが、専門家らは、ひきこもりの状態の人がめったに精神的健康問題の助けを求めないという最も差し迫った問題があると指摘している。ひきこもりは、統合失調症、うつ病または精神不安症に罹患しているか、または自閉症の可能性があるという。

ひきこもりが精神的健康問題に関連性があるのなら、米国ではひきこもりの症例は多いはずである。しかし、米国と日本の社会的違いは「米国では、子供は物事をやることが奨励され、自尊心は高い。日本の文化や教育制度において、日本の子供たちは高い自尊心を養うことを奨励されていません」とひきこもりを研究している九州大学の加藤隆宏精神科医は述べている。なぜなら、 適合性を追求する中で恥を強調する日本の教育制度は、個人の確信を弱体化する可能性があり、反省を植え付ける傾向があるかもしれないと述べている。

ひきこもりは、日本で最も多く見られる現象であると言われているが、ひきこもりの同じ定義に基づく最近の研究では、アジア諸国で日本以外の有病率調査は入手不可能であり、中国、韓国、インド、バングラデシュ、オマーン、イランでは、さまざまな数のひきこもりが報告されている。また、他の西側諸国では、オーストラリア、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、スペインで様々な数のひきこもり症例が報告されているにも関わらず、罹患率研究は利用できないとRAPは伝えている。

ひきこもりは孤独と社会からの逃避に関連性があるようだ。日本、イギリス、米国を比較した2018年8月のカイザーファミリー財団(KFF)の「孤独と社会的孤立に対する国民の認識」に関する研究によると、アメリカ、イギリス、日本の大多数の国民は、彼らの国での孤独と社会的孤立の問題について「沢山」あるいは「幾らか」聞いたことがあると述べている。これらの問題でかなり認識度が高いのはイギリス(34%)であり、次にアメリカ(22%)で、日本(15%)は最も低い。「誰が最も寂しいと思いますか?」との質問に、高齢者であると答えた率はイギリス(73%)が最も多く、次にアメリカ(49%)、最後に日本(46%)であった。さらに、米国と英国の成人の約1/5は、孤独な人々は子供、10代または若年成人であると答えたが、日本ではわずか6%であった。

また、日本では孤独に関連するひきこもりと孤独死については10人中8人以上がこれらは非常に深刻な問題であると述べている。日本での孤独を報告している人たち(43%)は、ひきこもりは他の人達( 31%)に比較して、非常に深刻な問題であると言っている。孤独を報告している人たち (60%)は他の人々(40%)に比較して孤独死を非常に深刻であると考えている。孤独を減少させるための政府の役割を信じる人々の率は米国(27%)が最も低く、日本(62%)とイギリス(63%)はほぼ同様である。しかし、教会や他の宗教組織の役割より、個人や家族の役割を強調する率は3カ国とも最も高く、米国(83%)、イギリス(80%)、日本(69%)の順である。

また、孤独の理由については、3カ国とも過半数を超えた主な理由は失業である。他の理由とその割合は以下のチャートが示す通りである。

理由 米国 英国 日本
失業 62 % 64 % 54 %
老いた両親を援助する成人子供の役割低下 63 % 57 % 45 %
テクノロージー使用の増加 58 % 50 % 26 %
社会プログラムの政府削減 35 % 56 % 42 %
育った場所から人々が益々離れていく 37 % 44 % 39 %

ひきこもりにつながる理由の一つであるテクノロージー使用の増加で、日本は米国と英国に比較して、顕著な違いがある。日本は日進月歩で進化するテクノロージーに、孤立するほどの影響を受けていないことを示唆している。また、政府が社会プログラムを削減することを孤独の理由として最も高い率で挙げているのはイギリスであるが、同国は失業を最も高い理由として挙げている。 英国では、政府の安全ネットは国民の精神健康に重要な関連性があることを示唆している。

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