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「最高裁」タグがついた投稿

最高裁新人判事ゴーサッチの公言が試される予測判例

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10日東部時間午前11時頃、ホワイトハウスのローズ.ガーデンでニール.ゴーサッチは、トランプ大統領とともに米国最高裁判事の就任式を終えた。早速、今週から幾つかの判例でゴーサッチが重要な役割を果たす可能性があると予測されている。通常、官僚及び裁判官はほとんど、公聴会で両党を納得させるため穏健派の印象を与えるが、一旦承認され宣誓が終わると本質が顕れると言われている。ゴーサッチは公聴会で彼は党派的ではなく、法は人の上にあるため、法律と憲法を重視した判定に集中すると公平性をアピールした。その公言が事実であるかを知る機会は早く到来する幾つかの判例が予測されている。 (さらに…)

ニュークリア.オプションとは何か?

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トランプ大統領は昨日、最高裁の空席を埋めるためかなりの保守派判事であるニール.ゴーサッチを指名し、ホワイトハウス小規模の集会で紹介した。民主党は、昨年3月にオバマ大統領が指名した中道派の判事に対して公聴会さえ開催しなかったため10か月以上の空席を強制的に維持させたことの怒りを表明し、最高裁指名者の承認プロセスを阻止すると宣言している。トランプは今日、上院議会の共和党多数派リーダーであるミッチ.マコーネルに必須60票を無効にするニュークリア.オプションを検討するよう要請した。ニール.ゴーサッチはどのような人物だろうか?ニュークリア.オプションとは何か? (さらに…)

大統領令移民法の聴聞会結果は何を示唆?

2014年11月オバマ大統領は400 万から500万人の不法移民に対する強制送還を停止し、労働許可を提供する大統領令を発表した。その後、テキサスおよび他25州は告訴し、この大統領令の施行は停止された為、オバマ政権は米国最高裁に上訴していた。 最高裁での聴聞会は今日が初日であるが、政権を代表する弁護士およびテキサスと25州を代表する弁護側との論争に参加した8人の判事の意見は4対4に分かれた為、今日の聴聞会は行き詰まりに終ったことを示唆した。移民法の大統領令に関する米国最高裁の聴聞会での争点は何を意味している? (さらに…)

米国最高裁の判事指名: 上院共和党の義務放棄は総選挙に影響

11月の総選挙では大統領選に加えて、議会選挙、特に多数の上院議席の競争は非常に重要である。両院議会は2014年の中間選挙で圧倒的多数派として議会を支配するようになった。しかし最近、穏健派の共和党及び無党派の有権者は共和党に幻滅しているため、上院共和党が多数派の現状を引き続き維持することが可能であるかどうか不明である。政治分析者は、リーダーを含む多数の共和党上院議員は、オバマ大統領が指名した最高裁の後継者に対する公聴会および投票を拒絶する党派的且つ非民主的な態度が総選挙で予期しない結果になると分析している。上院民主党は後継者指名を強く推進している為、オバマ氏は7日シカゴでの集会でメリック.ブライアン.ガーランド判事の卓越性を再度アピールした。 (さらに…)

最高裁は歴史的な同等の原理を維持

1963年、歴史的に最も著名な最高裁判事アール.ウォーレンは全ての人々の公正と平等の権利を保護する憲法に従い、投票および 議会代表者の分配に関して、一人一票の同等の原理に基づき各州が全ての人口を基本に数えることを規定した。一人一票の概念は全ての人は平等に創造されたものであるとの憲法修正第14条 の原理を強調したもので、歴史的判定として長年尊重されている。最高裁は4月4日、歴史的なこの投票の原理に挑戦した保守派グループの主張を圧倒的多数派で却下した。この重要な判例の要点は何か? 判定結果はどちらの党に有利なのか?この判定の意義は何か? (さらに…)

最高裁判事の後継者を巡る熾烈な論争

テキサス州の滞在地で死亡した最高裁判事アントニン.スカリアの空席を埋めるオバマ大統領の新判事指名についての論争が熾烈になっている。現在残っている大統領選の共和党候補者は 6人であるが、ほぼ全員オバマ氏による指名に反対し、基本的に上院議会の多数派リーダーであるミッチ.マコーネルの決定を支持している。しかし、ホワイトハウスは如何なる妨害があろうと、大統領は数週間以内にスカリア判事の後継者を指名する意志があると表明している。共和党の熾烈な反対の理由と火花を散らす論争の主要点は何か? (さらに…)

米国最高裁判事の死亡は政治的に何を意味?

米国最最高裁の保守派判事アントニン.スカリアは13日死亡したことが公表された。死の発表から数時間後、上院議会共和党多数派リーダーのミッチ.マコーネルは次の判事の指名と承認を大統領選が終了するまで延長するべきだと法外な声明を公表した為、上院複数の民主党リーダーは、遅延なく空席を埋めることは大統領の憲法的責任であると反発した。後継者の指名を巡る強烈な政治的紛争の可能性があることが早々と懸念されている。オバマ大統領は東部時間午後9時、スカリア判事の家族に対する追悼の意を表明し、タイムリーな指名と上院の承認は義務と責任であることを強調した。スカリア判事の死は多大な政治的インパクトを与えているが、それはなぜなのか? (さらに…)

同性結婚:米国最高裁判定の強烈な余波

米国最高裁は26日、全米で同性結婚を合法化する画期的な判定を下し、歴史的な瞬間を記録した。この判定は強烈にエコーし、その余波は想像以上に著しい。一部の州は宗教の自由を保護するため法案を起草することで対抗している。結婚は男女間の結合であるとする信念に固執する人達は最高裁の決定に挑戦の構えをみせているため、2016年大統領選の複数の共和党候補者は憲法改正の必要性を表明している。従って、同性結婚は2016年の紛争の課題になる可能性もあるが、最高裁の判定は人々の信念に関与している為、過去の例と同様、今後長い紛争を繰り返す可能性がある。しかし、憲法改正は幾つかの理由に基づき歴史的に困難である。 (さらに…)

オバマ政権の歴史的勝利:米国最高裁はACAの助成金を保持

今日はオバマ大統領にとって歴史的な勝利の日である。最高裁は25日アフォーダブル.ケア.アクト(ACA)通称オバマケアの連邦助成金を保持した。これはキング対バーウェルの判例で3月初旬に聴聞会を実施し、今月末までに判定することが予定されていた。判定後、オバマ大統領は勝利のスピーチを披露した。なぜ、今日の判定が画期的であり、オバマ氏にとって歴史的な勝利になるのか? 2016年大統領選の主な共和党候補者は最高裁の判定に失望を表明し、ナンセンスな印象を与えるコメントを公表した。 (さらに…)

オバマケアの運命は最高裁の判定次第

アフォーダブル.ケア.アクト(AVA)または通称オバマケアの連邦政府の取引市場(HealthCare.gov)は、15日から2年目の加入申し込みの受付を再開した。機能的に問題はなく、昨年に比較すると著しい改善が報告されている。しかし、オバマケアは来年6月、この法律が現状のまま生存するか、または撤廃を主張する一部の共和党が望む通り、それに等しい状況に追い込まれるような死活問題に直面する。その運命の鍵を握るのは米国最高裁である。最悪の判決に直面した場合、死のスパイラルのシナリオが懸念されている。 (さらに…)

最高裁判定:プライバシーの保護対警察の権威

米国最高裁は20日ロスアンゼルス警察が捜査令状なしにホテル及びモテルの宿泊客情報リストにアクセスする権利を与える決定を下した。最高裁の判定は、控訴裁判所の決定を却下したものであるが、プライバシーの保護より警察の権威を重視した印象を受ける。ロスアンゼルス(LA)市の犯罪捜査に関する法律、この判例の経緯、論争点、及び問題点は何なのか? (さらに…)

歴史的に根強い中絶紛争

歴史的に有名な1973年のロー対ウェイド判決で最高裁は7対2で憲法第十四条に基づき、中絶禁止を憲法違反であると判定した。それから41年後の今日、米国社会は、この判定の逆方向に向かっている傾向があり、全米で記録的な州レベルでの中絶禁止法案が通過している。宗教の権利に基づき、女性の選択の権利を制限した6月30日のホビー.ロビーおよびコネストガ.ウッドの聴聞での最高裁の判定はその極端な例である。しかし、このような社会の変化に反応し、選択の権利を主張する女性の声も高い。先週、上院議会では、最高裁のホビー.ロビー判定を覆すことを目的とした法案、及び女性の生殖健康と選択の権利を保護する為の2つの法案が紹介された。今日から議会はこれらの法案の論議を開始した。 (さらに…)

産児制限に関する最高裁判定の波及効果

ホビー.ロビー及びコネストガ.ウッドの家族的経営企業に対する30日の最高裁決定の波及効果は多大である。翌日には複数の宗教関連組織が宗教の権利をアピールする行動を開始し、一方、最高裁の決定に異議を唱える宗教団体もいる。最高裁は3日、6対3の差で、宗教に所属する非営利団体は連邦政府の規定に妥協して避妊適用条項に遵守する必要はないと判定し、宗教的な理由で反対しているイリノイ州の宗教関連の私立大学に産児制限の暫定的免除を認可した。将来様々な角度から、他の宗教団体に利用される可能性がある事を示唆する波及効果がすでに現れている。幾つかの点で米国社会のギャップを拡大し、宗教団体に差別を正当化させる要因になる懸念もある。 (さらに…)

最高裁は連邦政府の主な銃購入規制法を保護

米国最高裁は16日、銃の密売買に関する連邦政府の銃規制を5対4の票差で支持する判定を下し、虚偽の情報に基づく銃のストロー購入は如何なる事情があろうと違反であることを明白にした。 (さらに…)

最高裁は知的障害者の死刑宣告を違憲と判定

最高裁は27日、知的障害者の死刑を決定する際、I.Q テストを基準にしているフロリダ州の死刑慣行を 5対4で憲法違反であると決定した。最高裁は、過去の判例で知的障害者の死刑を全ての州に禁止したが、現在その決定は必ずしも遵守されていない。 (さらに…)

最高裁は憲法修正第二条に関する聴聞を再度拒否

先月ジョージア州は、全米最強の銃保持の権利を拡大し、特定の公共場所で拳銃の携帯を許可する法律を制定した。最高裁は5日、銃器保有者が自宅の外で銃を保持する憲法上の権利があるかどうかを決定することを要請したニュージャージー州の聴聞請願を却下した。 (さらに…)

大気浄化法を支持した最高裁決定の意義と因果

最高裁は29日、6対2の圧倒的な差で連邦政府の環境保護庁(EPA)が規定する大気浄化法(Clean Air Act)下で定めた、州外に放出する公害規定(Cross-State Air Pollution Rule又はCSAPR)を保持する決定をした。これは、空気の清浄化と公共衛生を著しく向上させることを支持した判定であり、それらの規定の施行は結果的に幾つかの意義がある。また、最高裁の決定は著しい長期的な因果関係が伴うと思われる。 (さらに…)

アファーマティブ.アクションの現状

最高裁は22日、ミシガン州の公立大学の入学で人種間の平等的措置を試みるアファーマティブ.アクションを禁止しているミシガン州の現行法を保持する判定を下した。最高裁の大半の判事は、同州の有権者が投票で決定した現行法を支持し、リベラル派2名の女性判事は多数派の意見に意義を唱えた。主に、公共雇用および公立大学の教育分野で採用されているこの政策は、歴史的に利点もあるが、マイナスの側面も多いため論争的で複雑である。従って、法的にチャレンジの歴史があり、教育及び又は雇用に関して禁止している州は少ない。 (さらに…)

最高裁は言論の自由を強調


最高裁は2日、McCutcheon vs. Federal Election Commission(FEC)の判例で、連邦政府の選挙資金寄付規定の大半を却下した。従って、今日の最高裁の判定は、一部の富豪者に政治的影響力を拡大する機会を与え、益々選挙にお金が注ぎ込まれる政治的風潮を助長したことになる。

(さらに…)

最高裁はアマゾン判例の聴聞を拒絶

物理的な店舗が存在しないオンライン.ショッピングでの売上税及び又は使用税に関して数年前から論争的である。オンライン.ショッピングの最大手市場はアマゾン. ドット.コムであるが、最高裁は今日、最高裁の意見を求めていたアマゾンとオバーストック. ドット.コムの要請を説明なしに拒否した。オンライン.ショッピングでの売上税論争に関するアマゾン判例の経緯は何か?最高裁が聴聞を無言で拒否した意味は何か?また、オンライン.ショッピング課税の法律に関する米国の現状はどうなっているのか? (さらに…)

最高裁はアラバマ州の移民法を却下

最高裁は今日29日アラバマ州の最も厳格な移民法を却下した。アラバマ州は、昨年却下されたアリゾナ州の移民法には不法移民の密入国と隠蔽を禁止する法律は含まれていないとして、今年早期に最高裁に控訴していたが、最高裁はアラバマ州の聴聞の要請を拒否していた。 (さらに…)

最高裁の投票権法第5項論争とは何?

今日、米国最高裁は、1965年に制定された公民権運動の重要な法律である投票権法(Voting Rights Act)第5項(Section 5)の箇所が憲法違反であるかどうかを論議したが、9名の判事らの意見は対立した。投票権法は45年以上、全ての有権者の投票の権利を保護するために尊重されている法律であるが、その権利の保護を維持するための主力になっている。しかし、最も論争的な第5項の部分に関してアラバマ州は非合法であると挑戦したため最高裁が聴聞を行った。 (さらに…)

合憲となったオバマ政権の医療保険改正法

米最高裁は、本日28日、オバマ政権の医療保険改正法(正式名はAffordable Care Act) の最も論争的で、最も拒否されていた部分の「強制加入」を合憲とする決定を公表した。最高裁決定の要点は、「医療保険を購入しない者は罰金に科す強制加入が合憲」とした点を「国の経済問題に関与する通商条項 (Commerce Clause)に照らし、合憲である」としたためである。一方、非合法となった箇所は、メデイケイドの拡大にともなう強制部分である。この法の制定に伴い、更に数千万人の低所得者層がメデイケイドを利用できるとする条項に対し、26州が財政上の理由で、この強制的な法の撤廃を望んでいた。メディケイドは連邦政府と州の連帯資金プログラムであるが、例えば、現行法で、連邦資金はA、B、Cのグループに提供されているが、更にD、Eのグループにも拡大するという条項を拒否する州は、そのA、B、Cに対しての資金援助を停止するという規定が違憲であると判定。これにより、州の財政負担を懸念し、撤廃を主張した26州にとって、メデイケイド資金にリスクはなく、更なる拡大の選択は自由となった点でも安堵できる判定となった。

最高裁の決定は、9名の判事らの意見を大きく二分したが、「強制加入が合憲である」と表明したのは、ルース・ギンズバーグ、ソニア・ソトマイヨー、エレナ・ケーガン、およびステファン・ブレイヤー判事 で、最高裁判所長官、ジョン・ロバーツ氏は、「強制加入」の合法性を肯定しなかったが、「議会は課税の権威を有する」とし、いずれの意見にも反対した保守派4名の判事らは5対4で退く結果となった。この法の最も核心部である「強制加入」が合憲となったことで、オバマ政権の医療保険改正法は揺るぎないものとなった。3月の聴聞の席上で、オバマ政権の弁護側が主張した強制加入の通商条項が違憲である場合、医療改正法それ自体が無効になる可能性もあったため、議会に権限を与えたことで、オバマ政権および連邦政府の権力を全面的に支持するかたちとなった。

一方、最高裁の決定は、大半の国民の希望を逆手にとったような結末であったため、問題を複雑にする結果となった。24日の『ロイター』によると、19日から23日までロイターが実施した世論調査で、56%の国民はヘルスケアに反対し、44%が支持している。主な反対理由は、国民に「強制加入」を強いる条項であり、61%のアメリカ人がその「強制加入」に反対し、39%が支持している。しかし、大半の国民は「オバマケア」に反対しているが、その大抵の条項は強く支持しているという矛盾したアメリカ人の複雑な感情を反映している。例えば、子供は26歳まで親の保険に加入できる条項、すでに病気を患っている人に対する保険会社の差別を禁止する条項、更に50人以上の従業員を抱える経営者に従業員の健康保険を義務づける条項を含めて、「大半がオバマ政権の医療保険改正法を大変気に入っている」とし、「共和党が有権者にオバマケアを拒否することを説得している」実体が窺がえるとロイターは伝えている。

オバマ大統領は、最高裁の決定を受けて、ホワイトハウスから数分間程度の短いスピーチを行い、この決定に対し、誰が勝利し、誰が敗北したというコメントは完全に要点を見間違っていると述べた。また、この法の制定は政治的意図によるものではなく、「国にとっていい事だ」と確信していることを伝え、「全国民の勝利である」と語った。今後、この法の条件をさらに満たすよう向上の努力をすると決意をこめた表情で語った。

2014年から医療保険に加入しない国民は、収入の1%(2014年度)を罰金として支払うことになる。カナダのような厳しい医療保険法に比較すると、国民に大きな影響力があるとは考えにくい。むしろ、今後、失業で医療保険を失うこともなく、いつでも、予防と治療が受理可能であるため、健康上の不安はかなり解消されるはずである。今後、共和党と民主党が一体となって、その向上への努力がなされるのか、あるいは、ロムニー氏をはじめ、この撤廃を目論んでいる保守派議員やグループによる阻止行為が続くのか、あるいは、11月の選挙の結果次第により、議会が撤廃に追い込むことになるのか、今後の動向が注目される。

アリゾナ州移民法に関する米最高裁決定の衝撃

25日の米最高裁のアリゾナ州移民法に関する判定は、その解釈に微妙な違いがあり、反響は大きい。この判定の影響として、アリゾナ州で生き残った移民法のひとつの条項を利用した制定が他の州で拡大する可能性も指摘されている。その拡大に伴い懸念されていることは、法の乱用と人種差別である。何らかの犯罪に問われて逮捕された不法移民でないかぎり、州の警察官は、不法移民であることが疑わしいだけで、移民状況を確認することはできないとする<条件付きの最高裁の判定>に混乱が生じている。また、他の州でもその条項がコピーされ、長期的には、法の乱用により、移民が犠牲になる可能性が懸念されるなど、最高裁決定の衝撃は多大である。

アラバマ、ジョージア、インデアナ、サウス・キャロライナ、ユタの5州はそれぞれ、多少の違いはあるが、アリゾナ州の移民法と同様の移民法を制定している。この5州は、最高裁の決定に肯定的な傾向が強い。26日の『USA TODAY』によると、アラバマ州の下院議員、ミッキー・ハマンは、アリゾナ州移民法で生存したその条項を、「肝心かなめの歯は残った」と表現し、重要な法の部分が生き残ったと解釈している。25日の『NBCニュース』によると、既に個人の移民状況を確認できる権限を警察に与える移民法を制定しているアラバマ州は、アリゾナ州の移民法より厳しく、不法移民の大学入学や不動産の賃貸を非合法としている。ジョージア州の知事ネイサン・デールは「最高裁は、アリゾナ州の主要な制定法を支持しているようであり、州は連邦政府の移民法を援助する権利がある」と述べ、アリゾナで維持した条項が最も重要な法だと解釈している。

サウス・キャロライナ州の司法長官アレン・ウイルソンは「移民に登録書を要請し、携帯させることは憲法違反になったようだが、警察官による個人の身分チエックを可能にした点で、重要な条項である」と述べている。インディアナ州の司法長官も、警察官が疑わしい人物に職務質問できる程度のシステムはあるが、交通の場合でも、交通違反が疑わしい個人の移民状況を確認できる可能性を示唆している。しかし、交通違反は犯罪ではないため、この発言は最高裁の判定に挑戦の構えを匂わせる印象がある。ユタ州の司法長官は、最高裁の判定を正確に解釈しているようであり、重罪または軽犯罪で逮捕された人物に対しては、移民状況を警察がチエックできるようになったと述べている。

一方、その法の乱用と、人種差別や偏見に繋がる恐れがあることを懸念する声も出ている。25日の『ワシントン・ポスト』紙によると、地方および全国の移民支持グループは、他の州がアリゾナで生存した条項のコピーを制定することで、移民の合法、非合法に関係なく、全ての移民が「警察のプレッシャーやハラスメント」の犠牲になりやすいことを懸念している。ペンシルベニアやミシシッピー州などは、「法的な挑戦となり得るアリゾナ・タイプの法律の導入を待っている」状態のようだ。従って、移民支持グループの代表は、移民が人種差別や偏見の犠牲になることを阻止するため「連邦政府が総括的な移民改正法案を制定することが何より重要である」と語っている。

同紙によると、米国土安全保障省は、今後、何ら犯罪に問われていない不法移民の拘留命令を発行することはなく、州や地方の警察当局が独自に不法移民の移民状況を確認する必要はないことを、最初にアリゾナ州から順々に明白にしていく方針があるようだ。今後の動向としては、既にアリゾナ州と同様の移民法を制定しているアラバマ、ジョージア、インディアナ、サウス・キャロライナ、ユタ州は、最高裁の決定に従った移民法の改正が要求されるものと思われる。

米最高裁はアリゾナ州移民法の大半を却下

本日25日、米国最高裁は、アリゾナ州の移民法の大部分を憲法違反とする決定を公表した。全国州立法協議会(NCSL)の情報によるとアリゾナ州の移民法は2010年7月29日から効力を発揮することになっていたが、前日28日、連邦政府の米国司法省はそれを憲法違反とし、最高裁に訴訟を提起していた。オバマ政権は、アリゾナ州の移民法が他州に及ぼす影響と連邦政府の移民法が弱体化することを懸念していた。約2年間、論争的な移民法であったため、最高裁の決定はオバマ大統領にとって大幅な勝利となった。一方、過去に「アリゾナの移民法は、米国のモデルだ」と賞賛したロムニー氏にとって、不法移民問題で、ダブルパンチを受けたような結果になった。

NCSLの説明によると、問題とされていたアリゾナ州移民法の4つの条項は(1)州の警察官が怪しいと思う人物に職務質問を行うことが可能である、(2)州は移民に外国人登録書を要請し、常に携帯することを義務付けることが可能である、(3)帰化していない移民の就労を禁止することが可能である、(4)警察官は、不法移民であることが疑わしい人物を逮捕状なしに逮捕することが可能である。

最高裁はこの4項のうち、上記(1)の条項を除いて、全ての条項を却下した。本日の『ワシントン・ポスト』紙によると、上記(2)と(3)の条項は、移民法に関する「アリゾナ州の権限が紛れもなく連邦政府の移民法の権力を先制している」というのが最高裁判事大半の意見であったと報告している。条項(1)に関し、警察官は特別な事情で呼び止める人物の移民状況を確認するときは、連邦政府と連携を取る必要があることを明白にした。

資金集めでアリゾナ州に滞在していたロムニー氏は、最高裁の決定に反応し、「特に、連邦政府が責任を果たしていない時は、各州は境界線の安全性を強化し、法を保持する義務と権利がある」と語り、オバマ氏は「移民問題でリーダシップが欠けている」と批判した。本日の最高裁の決定は、全面的に連邦政府の移民法の権限を尊重する立場を明確にし、15日にオバマ氏が宣言した不法移民の大統領令をバックアップする形となった。しかし、アリゾナ州の移民法を支持していた州にとっては、かなりの打撃を受ける結果となった。今後、連邦政府の移民問題に関する責任の追求は、特に不法移民取締り強化と人権尊重のバランスを考慮する必要があると思う。

オバマ政権の医療保険改正法は生き残るか?

米国最高裁は、3月26日から28日まで、2010年に制定されたオバマ政権の医療改正法に関する聴聞を行い、今月末までにその聴聞の判定結果を発表します。この医療保険改正法は 2014年から施行される予定ですが、2010年共和党議員らにかなりの修正を加えられて署名に至った後も法の合法性をめぐり論争が続き、ほぼ足踏み状態になっています。国民に医療保険の加入を義務づけ「加入しない国民には罰金を科す」とする「強制加入(Individual mandate)」は合法的であるかどうかが論争の主要点です。

この医療保険法は、患者保護及び経費の側面でも、医療の質と効率性を掲げていますが、反対する人達は、購入したくない物を無理に押し付けられることは、根本的 に「自由の侵害である」と抵抗しています。また、政府の権限が拡大する可能性を懸念する議員や一般の国民もこの医療改正法に反対しています。ミッド・ロムニー氏は、マサチュセッツ州の知事時代に類似した医療保険法を制定していましたが、この法を「オバマ・ケア」と呼び、全面撤廃 を掲げています。一方、支持派は 逆に「自由が拡大する」と主張し、何らかの病気を既に患っている人は医療保険に加入しにくい従来の医療保険制度に反して、更に3000万人以上の保険加入が可能になること、高騰し続ける医療費を抑えることが可能であると主張しています。このように、前者と後者の 「自由」の解釈が異なっていますが、立場を明確にせず沈黙を守っているのは唯一医療保険会社です。医療保険加入者が増大すれば、利益が見込めることは明らかですが、支持を明らかにすると宗教団体からの圧力が懸念されるからです。

26日に始まった米国最高裁での聴聞は、この罰金を徴収する方法が課税と同じだとする観点から税金ではないかとする意見が提起され、罰金が税金の類になるのかどうかという論争が焦点になりました。加入しない国民に対して、実際にその罰金を科すケースが発生する以前に、最高裁で聴聞することは、反差止命令法(Anti-Injunction Act )の法律に照らし、「時期が早すぎた」からです。27日の二日目は、議会が国民に医療保険加入を強制し、2014年までに加入しない国民に対し、2015年の課税時期から罰金を科すことが合法的であるか否かの論議に集中しました。医療保険を国民に強制する権利が議会にあると主張するなら、保険に限らず、健康上推薦可能な他の製品、例えば、ブロッコリーの購入も強制することが可能なのかどうかという質問も提起されました。これに対し、政府側の弁護団は、医療保険を義務づけることは、医療保険に加入することで、国民が積極的に国の経済に関与することを意味し「国の経済問題に関与する通商条項 (Commerce Clause)に照らし、合法的である」と反論しました。合法性の是非に関する論議に集中した2日目は、判事間の見解を二分しました。

最終日28日の最高裁の聴聞では、オバマ政権の医療改正法で加入者の増大が見込まれているメディケイド・プログラムを各州へ参加要請する条項が不当に強制されたものであるかどうかの論争が展開されました。メディケイドは1965年の社会保障制度の改正により制定されたもので、連邦政府と州の連帯資金プログラムとして、貧困ラインの低所得者で子供も含めて医療保険に加入できない国民を対象にした公的医療保険制度です。各州は独自の名称によるプログラムを準備し、その責任を担っています。また、1990年代から2010年まで数々の法制定により、メディケイドの規模は拡大し続けています。 『Medicaid.gov』によると、現行のメディケイド制度は政府が財政の豊かな州にはその費用の50%、乏しい州には75%、平均57%を負担する 補助金を各州に提供しています。子供用の医療保険プログラムを含めて現在約6000万人の低所得者がこの恩恵を受けています。

オバマ政権の医療改革法が2014年から施行された場合、それに伴い、変化する部分は、65歳以上を対象にしたメディケアの条件に適用せず、またどのような医療保険にも加入する余裕のない、数千万人の貧困ラインの低所得者に更なる援助を拡大することです。このような追加分に対して、施行当初から2020年まで連邦政府がその費用のほぼ100%を支払い、長期的には90%くらいまで減少させることが新たな展開になるようです。ほぼすべてが共和党知事の監督下にある26州では、長期的に連邦政府側の補助金が減少すれば、その分だけ州の負担が増えることや、プログラムが拡大し過ぎて、連邦政府からの資金に依存している状況で、州が連邦政府のガイドラインに従わない場合、補助金は停止されることなどを理由に「強制的」であるとし、オバマ政権の医療改正法の完全撤廃を求めています。

また28日は、医療改正法の「強制加入」の合法性の是非に関する論争が再度重要課題となり、今後の選択の可能性が提示された点で生産性があったと思います。オバマ政権の「強制加入は通商条項に照らし合法的である」とする主張が否定され、憲法違反の決定に至った場合、上記のメディケイド拡大案も含め、医療改正法それ自体が無効になる可能性がある一方、分離条項(Severability Clause)に基づき、問題のある箇所を削って使える部分は残す方法があることも示唆されています。この法の生き残りを希望するオマバ政権側は「強制加入」が憲法違反である場合、罰金などの強制部分を修正し、他2~3の条項を削除するのみに留めるとことを主張しているようです。

結論として、米国の医療改革法は11月の大統領選で最も重大な国内政策のひとつであるため、3月の最高裁の聴聞と今月末の最終決定は歴史上画期的なイベントであると思います。3日間の最高裁聴聞での論争の核心部は、医療保険に加入しない個人に罰金を科すなどの「強制加入」が通商条項に照らし憲法違反 であるか否かです。聴聞最終日に提示された3つの選択詞である、「全面撤退」、「強制加入部分の削除」、及び「強制加入部分と他一部条項の排除」のゆくえが6月末以降明白になるはずです。また、オバマ政権の代表側は、既に病気を患っている人に対して加入を拒否する保険会社の「差別」を禁止するよう最高裁に要請しました。オバマ政権の医療改革法が生き残るかどうか、今重大な転換期を迎えています。

静かに進行中の米国憲法改正運動

2010年1月21日、Citizens United v. Federal Election Commissionの裁判で、米国最高裁は、言論の自由、集会の自由、宗教の自由を保障した米国憲法修正第一条に基づき「政府は、法人及び組合による選挙献金の限度額を定めることは出来ない」と決定しました。この決定は、法人も言論の自由、ロビー活動の自由があるため、選挙献金に限度を定めることは憲法に違反するとの解釈によるものです。法人の富の影響力は、150年前に遡って見る必要があると思います。1886年、最高裁は、米国憲法修正第十四条により、解放された奴隷の権利を保護した1868年の修正法案に加えて、米国憲法のもとに「民間法人は自然人である」と決定しました。言論の自由も含めて、権利章典に基き、人々に与えられている同じ権利と保護を法人にも与えたのです。

ニューヨーク州立大学の考古学の教授、リチャード・ロビンズ氏の著書『Global Problems and the Culture of Capitalism』によると、1861年から始まった南北戦争を転換期として、アメリカの裁判所は徐徐に法人に課せられた様々な制限を解除し始めます。法人は、戦争から得た莫大な利益および、戦争で結果的に生じた政治的混乱と腐敗を利用して、主に鉄道建設に必要な土地と資金を得るため法律制定に介入するようになります。その後、次第に国の法律制定を牛耳るようになり、デルウェア州やニュージャージ州などのロビー活動は、特に法律で定められていないかぎり、あらゆる方法で、法人の経営者や幹事の責任義務を永続的に消滅させました。

例えば、1888年から1908年にかけて致命的な産業事故で、70万人の労働者が死亡した期間に裁判所は、労働者の職場での事故に対して、法人の責任義務を免除しました。更に、裁判所が法人を優遇した判決として、最低賃金制、労働時間の制限、最少年齢の制限などを禁止しました。今日、法人は自然人として法律制定に介入するためのロビー活動、メディアの利用、教育施設の建設、さらには慈善団体の設立も自由自在にできるほどの莫大な富と権力を獲得しています。暗殺死直前の大統領、エイブラハム・リンカーンは、富が少数派の手に集中し、腐敗した時代の到来を予期していました。

Citizens United v. Federal Election Commissionの裁判から2年以上が経過した今日、最高裁の決定に異議を唱える米国複数の非営利団体や個人は、法人の金力が政治家に及ぼす影響力や政治の腐敗を懸念し、「お金の自由は言論の自由と同一のものではない」と声をあげています。この憲法改正要求の趣旨は概ね(1)憲法により自然人に与えられた権利を法人から除外する(2)法人による全ての政治資金の提供を禁止する(3)議会と州が法人を規制する権利を確保する(4)選挙資金と出費の限界を設定するなどです。

1998年イリノイ州の上院議員時代に、同州での「ロビイストによる寄付金をほぼ禁止する」法案の通過を目指したオバマ大統領は、2010年の最高裁の判決にホワイトハウスから、「企業のロビイストが特定の候補者に無限の選挙資金を提供することで特別な利害関係が生じる」ことを懸念したコメントを行っています。共和党のジョン・マケイン氏は、2002年に政治寄付金を規制するマケイン・フェインゴールド選挙財政法案(McCain-Feingold campaign finance law)を制定し、2008年の大統領選の活動当時も、腐敗を防ぐため「常識的な寄付金の制限」を支持し、「大衆参加の政治」をアピールしました。

今年1月頃までには、コロラドのジェイムス・タウンの保管委員会は、米国憲法修正第一条による言論の自由は「無制限の選挙資金とは別のものである」とする憲法改正の決議案を満場一致で通過させています。ネバダ州のボウルダー市も、選挙資金規定を要求し「法人も自然人である」とする米国憲法の改正を促すための投票が可決しています。カリフォルニア州では、「ウォール・ストリートを占拠する」運動の中心地になっているロスアンゼルス、オークランドなどを含めた7都市の市町村議会で、「法人の選挙活動を有権者に保障されている言論の自由と混合してはならない」と主張して、憲法改正の運動が続いています。モンタナ州のミズーラ郡では、「法人は自然人ではなく、市民と同等の権利はない」ことを明確にした憲法改正案を議会に緊急要請するための住民投票が承認されました。ルイジアナ州のモンローおよびメイン州では、法人に自然人としてビジネスを慣行させないため、地域統治条例を通過させました。

憲法改正運動を推進している草の根運動は、最近少しずつ成果をあげています。今のところ、憲法改正を公式に表明しているのはわずか5州ですが、モンタナ州が規定する企業の選挙資金法案には23州の司法長官が支持しています。更に、全国各地200以上の都市が憲法改正の決議案を通過させ、1500以上の国や地方公共団体の職員、100名以上の連邦政府の議員がこの憲法改正を支持しています。最高裁の判決を覆す運動は全国レベルで静かに進行中です。

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