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Image result for images of popular votesBy   You Tubeエレクトラル.カレッジ廃止運動とは何か?

2007年、メリーランド州は大統領選挙において、エレクトラル.カレッジ (Electoral College)と呼ばれる選挙人投票を廃止し、国民の人気投票または大衆投票の数で勝利者を決定する選挙システムを採用した。21日、ネバダ州は他の14州に参加することで15番目の州になった。米国は歴史的に選挙人投票制を採用している為、国民の意思を反映しない例が幾つかある。なぜ選挙人制度は非民主的であると言われているのか?

建国の父は多数の素晴らしい制度を構築したが、幾つかの制度は非民主的である。その典型的な例は奴隷制度である。二つ目はエレクトラル.カレッジ制度である。建国の父は植民地時代から始まった多様な人々を深く信頼していなかったため、大統領選に対する国民投票への不安を解消するため、彼らが選出した選挙人に権力を与えた。その否定的な着想に基づいて創造されたものがエレクトラル.カレッジの選挙システムである。各州は選挙人数を配分しており、その数は議会の代表者数と同様であり、現在合計538人の選挙人が存在する。大統領選の勝利者になるためには270人の選挙人数を獲得する必要がある。候補者がその州の投票の2/3を獲得した場合、その候補者は2/3の選挙人数を獲得するシステムを採用している州もあるが、ほとんどの州は、人気投票数が最も多かった候補者がその州の全ての選挙人数を獲得するwinner takes all(勝利者が全てを得る)システムを採用している。このシステム下では、投票差がわずか一票であっても勝利者は全ての選挙人数を獲得するため、かなりの不公平があり、国民の意思は選挙に反映しない。

21日、民主党寄りの州であるネバダ州議会は、大統領選で大衆投票の数に応じて勝利者を決定する選挙システムを採用するための法案を可決した。民主党知事のスティーブ.シソラクは、大統領選挙では大統領が国民投票で選出される方針を掲げていたため、同州は大統領選のシステムを変える15番目の州になる。近年から、各州で国民投票に基づき、大統領を選出することに同意するための法案を通過する州は増加している。選挙人小規模の管轄ではロード.アイランド、バーモント、ハワイ、D.C(コロンビア地区)、デラウェア、中規模の管轄ではメリーランド、マサチューセッツ、ニューメキシコ、ワシントン、コネチカット、コロラド、大規模の州ではニュージャージー、イリノイ、ニューヨーク、カリフォルニアで可決した。州の上院または下院議会のいずれかで通過した州はアーカンソー、アリゾナ、メイン、ミシガン、ミネソタ、ノース.キャロライナ、オクラハマ、オレゴンである。これらは全ての州、全ての投票が全ての大統領選挙で全50州とD.Cで最も多くの人気投票を受けた候補者を大統領として選出することに同意した合計3,357人の州議会議員によって支持された結果である。

近年の選挙において、2000年には、民主党大統領候補者のアル.ゴアは人気投票ではジョージW.ブッシュより多かったが、彼は敗北した。2016年の大統領選では、人気投票数では300万票多かったヒラリー.クリントンはドナルド.トランプに敗北した。従って、多数派の国民の意思が反映されていない選挙システムは非民主的であるとして、長年憲法改正を求める運動は強くなっている。しかし、憲法改正により、この選挙人制度を排除するためには両院で2/3の投票が必要であり、50州中38州が投票で同意しなくてはならない。過去に何回か憲法改正の動きがあったが、成功していない。長い歴史のスパンで見れば、いずれかの党だけが不利であるわけではないが、近年連続的に民主党が不利になった記録があるため、選挙人制を廃止する努力は主に民主党州で行われている。しかし、選挙人制度から国民投票制度に変革するためには憲法改正が必要であるため、これらの州はその第一歩を踏みだしたことになる。憲法は大統領選での選挙人をどのように選択するかの権利を州の議員に与えている。州が支配するその選挙人システム下では、「一人一票」による国民の投票のパワーが反映せず、選挙人の影響力が大統領選を左右しているため、現在の非民主的な選挙システムを変える必要があるとの意識は年々高まっている。しかし、一般的に共和党は、現状維持を好んでいる。