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By ABC7 News

2020年5月にミネソタ州ミネアポリスでジョージ.フロイドを死亡させた白人警察官デレク.ショーヴィンの裁判は既に17日目を迎えた。二週目の先週から今日も、拘束技術の専門家や検死解剖を行った医師及び心臓病学や呼吸器系に至るまで、多数の医療関係者の証言が続いている中で、ほとんどの専門家は過剰な拘束方法が死因である事を示唆した。これまでの証言の中で、複数の専門家はショーヴィンの「殺人」行為が要因でフロイドは死亡したとの最も劇的な証言を行っている。これらの証言の瞬間で、フロイドの死は防ぐことが可能であったとの共通する複数の意見があることから、白人の大陪審が圧倒的に多い場合でも、 ショーヴィンを無罪にできる状況ではないように見える。

そもそも、ショーヴィンを含む複数の警察官らは、なぜフロイドを逮捕し、拘束したのか?警察官らは46歳の黒人男性フロイドがタバコを買うため、食料品店カップ.フーズに入り、利用した20ドル札が偽札であるとの疑いで逮捕し、手錠を掛け、拘束した。ショーヴィンは、フロイドの首にひざまずき、膝で首に圧力をかけている様子が9分間ビデオで撮影された。そのビデオ画面は、米国および世界中の多くの都市で人種差別および警察の残虐行為に対する抗議を促した。 ショーヴィンの裁判は3月29日に始まり、12日から3週目に入っている。最近の専門家の証言はもっと技術的であり、専門的ではあるものの、非常に明確にフロイドの死は防ぐことが可能であった事を示唆している。

ミネアポリスの警察署長であるメダリア.アラドンドは4月5日の裁判で、フロイドが抵抗をやめた後、ショーヴィンはフロイドを拘束するための強制力の使用をやめるべきだったと証言した。署長は ショーヴィンが「絶対に」警察署の方針に違反したとして、叱責する劇的な発言をした。全国に公開されたビデオは、ある時点でフロイドは「息ができない、息ができない」と訴えている場面を記録している。アラドンドは「フロイドが抵抗するのを止め、確かに彼が苦しみながら、それを言葉で表現しようとしたので、ショーヴィンはその時に止めるべきだった」とエモーショナルに語った。アラドンドはフロイドの死は「殺人」によるものであると述べ、ショーヴィンに怒りを表明した。彼は、警察署長として、フロイドが死亡した24時間以内にショーヴィンと他3人の警察官を解雇した。

裁判7日目の4月6日、拘束力使用のインストラクターであるジョニー.マーシルは、拘束する際に利用する力量は最低限に抑えることが通常であると述べた。彼は太腿を利用することはあるが、膝で首を抑える方法は拘束方法ではないと証言した。8日の裁判では、複数の医師らが証言を行った。同日のニューヨーク.タイムスによると、呼吸の専門家で、ベテランの肺専門家であるシカゴの呼吸器科医で救命救急医のマーティン.トービン医師は、フロイドの酸素は彼の逮捕中に遮断されたと言った。彼は、ジョージ.フロイドの死はデレク.ショーヴィンの膝が首と背中を押して呼吸できなくなったことによって部分的に引き起こされ、フロイドは約4分前に脳損傷の兆候を示したと証言した。フロイドの首に与えた膝の圧力、フロイドの手を背中の後ろに引っ張る手錠、そしてフロイドの体が(コンクリートの)通りに押し付けられたことが原因であり、彼は「低レベルの酸素で」死亡したと証言した。

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アンドリュー.ベイカー医師 By KARE

検死解剖を行った監察官のアンドリュー.ベイカー医師は9日の裁判での証言で、フロイドの死はショーヴィンの行動(9分間の首への圧力)が主な死因であると述べた。その圧迫によっておきた「殺人」であると劇的な証言をし、弁護側がフロイドの薬物使用が死因であるとする主張を否定した。ベイカー医師は、心臓病を含む幾つかの要素が死を招く可能性があったかもしれないが、ショーヴィンが首を締め付けなかった場合、彼は死亡していなかったと信じると言った。ベイカー医師は、メタンフェタミンは心臓に負担がかかるという弁護側の声明に同意した。毒物学の報告では、フロイドの身体にメタンフェタミンとフェンタニルが見つかり、現場で見つかった錠剤の破片には同じ薬物が含まれていた。ベイカー医師は、フロイドの胃の中に錠剤の破片は見つからなかったと述べ、フロイドは心臓が肥大していたと言った。特にフロイドが9分以上アスファルトに固定されたときに経験したような高強度の状況では、体全体に血液を送り続けるために、通常より多量の酸素を必要としていたと証言した。

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ジョナサン.リッチ医師  By TG Time

又、裁判が三週間目に入った4月12日の証言では、デレク.ショーヴィンの裁判で証言するために召喚された心臓病学の医師であるジョナサン.リッチは、フロイドが薬物の過剰摂取が死亡の要因であると主張したショーヴィンの弁護団の意見を否定し、薬物の過剰摂取ではなく警察によって拘束された結果として死亡したと証言した。リッチ医師はショーヴィンにはフロイドの命を救う機会は何回もあったと述べ、フロイドの心臓が彼の死の主な原因ではなかったと証言した。彼の最も劇的な証言は「ジョージ.フロイドは心肺停止で亡くなりました。それは彼が(そのような状況に)晒された低酸素レベルによって引き起こされました」と明白に証言したことである。

今週13日から、弁護士側の幾人かの専門家が証言している。彼らは、デレク.ショーヴィン警察官が彼の膝でフロイドの首を抑えたことが直接的な死因ではなく、複数の要因で死亡したと証言した。例えば、元警察官であり、拘束力使用の専門家であるバリー.ブロッドは、火曜日にミネアポリスの裁判で、フロイドが地面に伏せた状態で拘束された位置は警官と容疑者にとって最も安全であると証言した。ブロッドはショーヴィンが「正当化される」と述べ、ミネアポリス警察の方針と現在の法執行基準に従って、客観的に合理的に行動していると感じた」と証言した。 又、デイビッド.ファウラー医師は 14日、彼の死は、薬物使用が「重要な」役割を果たしたと述べた。彼はフロイドの血液系にフェンタニルとメタンフェタミンの痕跡があることやカップ.フーズの外にあるパトカーの排気ガスが「一酸化炭素中毒を引き起こした」可能性が含まれると述べた。

17日間続いているショーヴィンの裁判は、彼による拘束方法の正当性と死因に関する検察側と弁護側の不審尋問に集中しており、圧倒的にショーヴィンの行為を直接的及び間接的に批判する証言が目立っている。しかし、13日からの証言者は弁護側であるため、これが裁判の最終段階として最後まで続く場合、過去二週間で圧倒的にフロイドの死は避けることが出来たと語った証言者の劇的な印象は、特定の大陪審に薄れる可能性がある。そうでない場合、ショーヴィンは二級殺人の宣告を受ける可能性が高い事を示唆しているが、そのような結論に至った場合、恐らく、ショーヴィンの主要な弁護であるエリック.ネルソンとショーヴィンは控訴裁判所に上訴する可能性がある。この裁判中11日に同じミネアポリスのブルックリン.センターにある裁判所から約10マイル(16 km)離れた場所で、白人女性の警察官が20歳の黒人男性ダウンテ.ライトを射殺した為、同市では抗議活動が始まった。彼女は射殺する意図はなく、拳銃とテイザーを間違って使用したと述べているが、これらは形状や色が異なる為、間違うはずはないとの意見が多い。抗議4日目の14日、この女性警察官は告訴された。相次ぐ、黒人男性に対する警察官の銃殺は終わることがない為、警察改革を求める声は高くなっている。