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October 5, 2021 Facebook Senate hearing news

フランシス・ホーゲン By CNN International

上院議会の委員会で5日、約3時間証言を行った女性は世界最大のソーシャル・メディアであるフェイスブックの元プロダクト・マネージャーのフランシス・ホーゲンである。彼女は5月に辞職した後に、内部告発者になり、同社の内部の仕組みを詳細に説明した文書を議会に提供し、同社は子供を含むアメリカ人の健康を保護することより、莫大な利益を優先したと証言した。幾つかのソーシャル・メディアで働き、専門知識のある彼女は、メデイアでのインタビューや、公聴会を通して、以前に知られていなかった驚きのフェイスブックの裏側を暴露した。

フランシス・ホーゲン(37歳)は、米国データ技術者、科学者、プロダクト・マネージャー、フェイスブックに対する内部告発者である。ホーゲンは アイオワ州アイオワシティで医者である父と米国聖公会の司祭になった母親との間に生まれた。アイオワシティの西高校を卒業後、フランクリン・オーリン・カレッジ・オブ・エンジニアリングのクラスで電気工学とコンピューター工学を学び2006年に卒業した。2011年にハーバード・ビジネス・スクールで経営学修士号を取得した。ホーゲンは5月にフェイスブックを辞職するまで約2年間、同社の市民誤報チームで働いていた。彼女はフェイスブックの数千ページの内部文書を集め、ウォール・ストリート・ジャーナルに漏らした後、メディアの注目を引き、米国議会両党の議員はフェイスブックに疑問を提起していた。共和党は主に、当時大統領であったドナルド・トランプのアカウントが一時停止され、除去されたことに対して批判していた。民主党は、ハイテク業界を規定する法案を紹介していた。5日の公聴会で、彼女が議会に語ったことは、これまで提供されていない深い透明性があると評価されている。彼女は、フェイスブックの経営幹部が大衆を惑わし、信頼できないことを示しているとし、議会が規制に乗り出すよう促した。

ホーゲンは、3日CBSニュースの「60分」のホストであるスコット・ペリー とのインタビューで、選挙の安全に対する誤った情報やその他の脅威を抑制することを目的とした市民整合性(Civic Integrity)として知られるフェイスブックのプログラムは2020年の選挙後に解除されたと説明した。ホーゲンは「私にとっては本当に民主主義の裏切りのように感じています」と述べ、その解除が2021年1月6日の米国国会議事堂の攻撃に貢献したと信じていたと述べた。このインタビューで、ホーゲンは、同社には「モラル倒産」のサイクルがあると述べた。彼女は「最も衝撃的な情報の1つは、政党が引用されていることです….そして今、怒り、憎しみ、二極化、分裂的なコンテンツを私たちが公開しなければ、私たちは何も得られません」と述べ、そうでない場合、仕事を失うので、反応、コメント、共有など、ユーザーが関与するコンテンツがより広く配布されるようになったと述べた。彼女は「フェイスブックの使命は、世界中の人々をつなぐことです。怒りでハッキングされる可能性があることがわかっているシステムがあると、人々を怒らせるのが簡単になります。出版社は『ああ、もっと怒り、二極化、分裂的なコンテンツを提供すれば、もっとお金がもらえる』と言っています。フェイスブックは人々を引き離す誘因のシステムを設定しました」と述べた。このインタビューは、さらに彼女を注目の女性にしている。

彼女は、米国上院通商科学運輸委員会および消費者保護、製品の安全性、およびデーター・セキュリティに関する小委員会が主催した5日の公聴会で、ショッキングな証言を行った。彼女が4日に、委員会に提供した4ページの彼女の冒頭声明は、彼女が2006年以降、大手テクノロジー企業であるグーグル、ピンタレスト、イエップおよび2019年からフェイスブックで働き、グーグル+検索のような製品や主にアルゴリズムに焦点を当てる仕事に従事していた技術者であることを示している。彼女は「さまざまな課題に取り組み、異なる運営をしている4つの主要なテクノロジー企業で働いた経験を通して、ソーシャル・ネットワークの種類、それぞれがどのように対処しているかを比較対照することができる」と書いた。

その彼女の声明の要点は:⑴ フェイスブックは「自身の利益と私たちの安全の間で繰り返し対立に遭遇し、自身の利益を優先して、これらの対立を一貫して解決した。その結果、分裂、過激主義、二極化を増幅し、世界中の社会を弱体化させるシステムが生まれた。 場合によっては、この危険なオンライン会話は、人々を傷つけ、実際に殺人の暴力につながった」と述べた。つまり、同社のプログラムは、有害であるにもかかわらず、プラットフォームに安全性を実装するのではなく、急成長と「莫大な利益」を常に優先し、「1兆ドルの企業になりました」と述べている。彼女は証言の声明で「フェイスブックの製品が子供たちに害を及ぼし、分裂を引き起こし、民主主義を弱体化させると信じているので、私は今日ここにいます。会社のリーダーシップは、フェイスブックとインスタグラムをより安全にする方法を知っていますが、必要な変更を行っていません」と述べ、「議会の行動が必要です。貴方の援助なしにこの問題は解決しません」と書いている。

⑵  会社のCEOマーク・ザッカーバーグは、子供の安全性について、憎しみを広めることにおけるその役割 、メッセージの二極化など、子供の安全性について明らかにしている独自の研究さえ「重要な情報を国民、米国政府、その株主、そして世界中の政府に隠していると書いている。更に、「問題の核心」はフェイスブックの破壊的な内部を誰も理解できないため、効果的な規制の重要な出発点の「透明性」を確立するために「賢明な規定を構築し、 消費者への危害、違法なコンテンツ、データ保護、反競争的行為に対処するための基準、実践、アルゴリズム・システムなどのより良い規定が必要であり、セクション230は不適切であると書いている。彼女は「たばこ会社が引き起こした害を隠していたことに気付いたとき、 政府は行動を取りました」とし、「ここでも同じことをするように要請します」と述べた。

⑶ フェイスブックのシステムは、実際見ることができず、独自の監視委員会からも監視されていない閉ざされた盲目的側面があるとし、研究者や規制当局の目から離れた壁の後ろに隠れているシステムがあると書いている。また、同社は「私たちが話している問題は解決できないと信じてほしいと思っています。彼らはあなたに間違った選択を信じて欲しいのです。彼らはあなたがオンラインで愛する人とつながるか、あなたの個人的なプライバシーのどちらかを選ばなければならないとあなたに信じさせたいのです。あなたの子供たちの楽しい写真を古い友達と共有するためには、あなたも誤った情報で溢れかえっていなければなりません。彼らはあなたにこれが取引のほんの一部であると信じて欲しいのです。私はそれは真実ではないことを話すためにここにいます」と書いている。

要するに、5日の公聴会でホーゲンは、フェイスブックに対する規制を促し、それは特に民主党を鼓舞した。ホーゲンは、同社のリーダーシップが資源を重要な安全プログラムのために利用せず、会社の成長を促進するためのプラットフォームの調整を奨励することで、政治的分裂、特に若い世代の精神健康への危害、さらには暴力さえも助長する結果になる業績の目標と運用を決定した同社を批判した。そして、その最も重要な決定を行う人物は同社のCEOであるマーク・ザッカーバーグであることも明白にした。ソーシャル・メディアの規制に関連する複数の法案を紹介したことがある委員会トップ・クラスの民主党上院議員エイミー・クロバッシャー(ミネソタ州)は公聴会で、知識と経験に基づく非常に整理された証言を行ったホーゲンに「行動の時が来たと思います。あなたがその行動のきっかけになったと思います」と語った。複数のメディアは既に9月中旬に、インスタグラムによる子供達に与える健康上の懸念について、インスタグラムおよび他のソーシャル・ネットワークを利用している子供達が高レベルの不安、睡眠不足、自身の身体イメージの劣等感、うつ病、いじめなどを経験しているという研究結果を公開していた。致命的な内部告発に直面したフェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグは、彼女が議員らに公的に語った話は「真実ではない」とし、ほぼ全面的に否定した為、両氏間の紛争は、今始まったばかりであることを示唆している。