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米国上院司法委員会は、前大統領ドナルド・トランプが選挙後、トランプ政権下の司法省に選挙結果を転覆するよう頻繁に圧力をかけていたとする詳細な調査結果を7日に公開した。その報告書によると、当時の大統領と彼の同盟者は、トランプ政権下の司法省(DOJ)上層部に対して、2020年の選挙を覆すよう頻繁で執拗な圧力をかけたことを示しており、選挙結果転覆の圧力キャーペンにおいて、トランプは法律に違反するレベルで、大統領の権力を濫用したと委員会の報告書は述べている。

非常に詳細な394ページの調査報告書によると、トランプ前大統領は、彼の司法省(DOJ)を多大な武器として利用しようと試みたが、多大数の首脳層は、辞職するとして対抗していたことが浮き彫りになっている。上院司法委員会の調査による発見の要点は以下のとおりである。

DOJ指導部に対するプレッシャー

トランプ大統領は、選挙が盗まれたという彼の誤った主張に固執し、選挙結果を覆すための彼の努力を支援するよう、DOJ指導部に繰り返し求めた。それは、ウィリアム・バァー元司法長官が12月15日に辞任を発表した直後から始まり、ほぼ1月6日の暴動まで続き、トランプはDOJの代理指導者に調査を開始し、彼に代わって訴訟を起こし、2020年の選挙を「腐敗した」と公に宣言するよう直接繰り返し要求した。文書と証言は、約一ヶ月間司法長官代理を務めたジェフリー・ローゼンと約一ヶ月間、副司法長官を務めたリチャード・ドノヒューおよび、場合によっては他のDOJの上級指導者に対して、トランプが虚偽の不正選挙の主張を直接提起し、DOJがそれらに対処していない場合、何もしていない理由を尋ねる為、幾つかの電話と会議を行った事実を確認した。

これらの電話と会議には次のものが含まれる。 ①  2020年12月15日:ジェフリー・ローゼンとリチャード・ドノヒューを含む大統領執務室の会議、②  2020年12月23日:トランプとローゼンは電話で通信、③  2020年12月24日:トランプとローゼンの電話、④  2020年12月27日:トランプとローゼンおよびドノヒュとの電話、 ⑤  2020年12月28日:トランプとドノヒューとの電話、⑥  2020年12月30日:トランプとローゼンとの電話、⑦  2020年12月31日:ローゼンとドノヒューを含む大統領執務室での会議、⑧  2021年1月3日:トランプは大統領執務室でローゼン及びドノヒューと会議を行い、ドノヒューと電話でも会話した。ホワイトハウスを維持するために個人的、政治的目的でDOJを巻き込もうとした時、トランプは「大統領の権力をひどく乱用した。 彼はまた、政治活動に従事するよう大統領が連邦政府職員に命じた行為はハッチ法の刑事規定に間違いなく違反」した。この報告書は、これらのコミュニケーションがDOJに対する執拗なプレッシャーがあったことを詳細に記録している。

陰謀説の調査を促進した首席補佐官マーク・メドウズの役割

ホワイトハウスの首席補佐官マーク・メドウズは、ローゼン司法長官代理に、特定の法執行事項に関するホワイトハウスと司法省のコミュニケーションに対する長年の制限に違反し、不正選挙の調査を開始するよう複数回要請した。メドウズは12月29日から1月1日の間に、トランプと彼の同盟者が推し進めていた不正選挙詐欺の主張による、少なくとも4つのカテゴリーをDOJが調査するようローゼンに要請した。ジョージア州最高裁判所は、迅速に審理することを拒否した訴訟で、トランプ・キャンペーンが選挙結果の調査を同時に進行しているというジョージア州での不正選挙のさまざまな根拠と信憑性のない主張を却下した。

共和党の州選挙当局は「署名照合プロセスに問題があるという証拠は提示されていない」と明言したにもかかわらず、トランプ・キャンペーンは、ジョージア州フルトン郡で「異常な署名照合」があるとの虚偽の主張を調査するよう要請した。メドウズは、大統領の個人弁護士であるルディ・ジュリアニの同盟者によって推進され、中央情報機関(CIA)とイタリアのIT請負業者が投票機を操作し、トランプの勝利をバイデンの投票に変更するため、軍事衛星を使用したと主張したイタリア・ゲートとして知られる理論を調査するようDOJに求めた。メドウズはまた​​、イタリア・ゲートおよびその他の不正選挙の主張についてジュリアニと会うようDOJに要請した。ドミニオン投票システムの機械が民主党候補者のために深夜の「投票用紙廃棄」を引き起こしたという主張を含め、広く反駁され、裁判所によって拒否されたニューメキシコ州の一連の不正選挙の主張を調査するよう要請した。これらの要求は、ホワイトハウスとDOJ間の通信を制限する長年のポリシーに違反していた。

大統領選の転覆を援助した米国司法省副長官クラークの役割

トランプと個人的に会った後、米国司法省副長官ジェフリー・クラークはローゼンとドノヒューにトランプの選挙破壊計画を支援するように促し、ローゼンに彼がその計画を支援することに同意した場合、トランプがローゼンを司法省長官代理として任命するという潜在的な申し出を断るだろうと語った。クラークはローゼンとドノヒューに、DOJが不正選挙を調査していることを公表し、主要な接戦州の議会に、人気投票の承認後に代替選挙人を任命するよう指示した。クラークはトランプとの個人的なコミュニケーションの後に、司法省の指導者の認識なしに、少なくとも1回は、大統領執務室でトランプとの会議を行った。ある時点で、クラークの努力は大統領執務室の会議で最高潮に達し、ローゼン、ドノヒュー、および米国司法省の法律顧問であるスティーブン・エンゲルは、トランプが彼の計画を実行した場合、DOJの上級指導者は辞任するとトランプに通知した。

1月6日の暴動を促進した「盗みをやめなさい」の圧力キャンペーン

大統領自身を含むトランプのホワイトハウスの役人に加えて、「盗みをやめなさい」運動と1月6日の暴動に関連するトランプの同盟者は、選挙結果を覆すことを援助するよう、司法省に対する圧力キャンペーンに参加した。ペンシルバニア州第10議会地区を代表する米国下院議員スコット・ペリーは、1月6日の暴動直後の数時間で、同州の選挙人票を下院議会で数えることに異議を唱えた。ペリーは、クラークをトランプに紹介したことを認めており、文書と証言は、彼がペンシルベニア州の選挙詐欺の虚偽の主張についてドノヒューと直接連絡したことを認識していたことを示した。トランプの個人弁護士である ルディ・ジュリアニのいわゆる不正選挙「聴聞会」に参加した同州の共和党上院議員ダグ・マストリアーノは、キャンペーン口座から1月6日の「アメリカの集会を救え」に参加した人々をバスで送迎するため、数千ドルを費やし、暴動が展開されている時、国会議事堂に出席した。

文書は、マストリアーノがペリーと同様に、彼の誤った不正選挙の主張についてドノヒューと直接連絡を取ったことを示している。トランプ・キャンペーンの法律顧問であり、トランプの選挙が盗まれたとの誤った主張のキャンペーンを援助した元オクラホマ州共和党議員で弁護士であるクレタ・ミッチェルは2021年1月2日にトランプがジョージア州務長官ブラッド・ラフェンスパーガーに「11,780票を見つける」よう圧力をかけた時の電話の参加者である。ミッチェルは大統領補佐官であったマーク・メドウズにラフェンスパーガーに対するトランプの訴訟の写しを電子メールで送り、1,800ページの裏付けとなる展示物を送ることをDOJに申し出た。メドウズは資料をローゼンに送り、調査するようDOJに要請した。 (続)