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ジョー・バイデン大統領の子息ハンター・バイデンは、2018年に銃器を購入する際に虚偽の申請を行ったとして、約一週間続いた裁判後の火曜日の11日に有罪判決を受けた。大統領はその判決の直後にデラウェア州に戻った。また今日、大統領であるが、父であるとし、米国には多数の家族が彼らの愛する誰かが薬物中毒と戦っていると述べ、親として、息子を愛しながらも、法の裁きには従うとの誠実な声明文を公開した。

ハンター(1979年2月生まれ)は、2018年に銃の購入許可を申請する際に、薬物使用を故意に否定した。司法取引が失敗に終わった後、ハンター・バイデンはデラウェア州の特別捜査官によって連邦銃器関連の3つの罪で起訴された。彼自身が麻薬使用者であることを知りながら約11日間銃を所持していた。ハンターは、麻薬使用者として銃を不法に所持し、銃を購入したときに連邦書類に虚偽の記載をし、連邦政府認可の銃販売業者が収集する必要がある情報について虚偽の陳述をしたなどの3つの容疑で、特別捜査官デビッド・ワイスに昨年9月に告訴された。ハンターの裁判は2024年6月3日に開始され、2024年6月11日に3つの全ての重罪容疑で有罪判決を受けた。

12日にイタリアでのG7に参加する予定のバイデン大統領は、痛ましい声明文の中で、「先週も言ったように、私は大統領でありますが、父でもあります。ジルと私は息子を愛しており、彼が現在の大人になったことをとても誇りに思っています。愛する人が依存症と闘った多くの家族は、愛する人が困難を乗り越え、回復して強くなっているのを見て誇らしい気持ちになることを理解しています。先週も言ったように、私はこの事件の結果を受け入れ、ハンターが控訴を検討する間、司法手続きを尊重し続けます。ジルと私は、ハンターと残りの家族のために、愛とサポートで常にそばにいます。何があってもそれを変えることはできません」と述べた。バイデンは、子息の裁判に参加していないが、ジルは11日判決後に、妻のメリッサ・コーエン・バイデンの手を引いているハンターの手を握り、裁判所から出た姿が確認された。バイデンのスピーチで注目すべきことは、大統領が裁判の結果、陪審の判定、裁判官の刑量を受け入れると述べたことである。これは、トランプが彼の裁判及び有罪判決をすべて「でっちあげ」と呼び、民主党の政治的な動機により、彼は犠牲者であるとの虚偽の主張とは完全に異なることを示している。

ハンターは長年、薬物やアルコール中毒症に陥り、浪費を繰り返した結果、所得税を支払わなかったことが原因で、9月に新たな裁判に直面するという。トランプ大統領の任期中に任命されたデラウェア州の米国弁護士デビッド・ワイスと彼のチームは、大統領の子息であるハンターに対する捜査や告訴を躊躇することなく実施したことについて、「法の上に立つ者はいない」という有名な表現である理由に基づいていることを明白に示している。バイデンは、ハンターに対する捜査や告訴を阻止することを一切していない。現在、トランプ支持の共和党員らは、トランプの有罪判決とハンター・バイデンの有罪判決を同等化しようとしている。両氏はいずれも有罪判決に直面しているが、状況は完全に異なっている。トランプは、選挙転覆事件と機密文書の2つの連邦犯罪に基づく告訴に加えて、ジョージア州での選挙転覆の努力でも告訴された。そして、口止め料支払いのニューヨークの事件では34件すべての罪状で有罪判決を受けた。バイデン・ハンターは、一般市民であり、彼が大統領の子息ではなかった場合、薬物中毒者に禁止されている拳銃をわずか11日間保持していたという理由で、裁判にさえ至らない場合も多いという。無罪を主張していたハンターと彼の弁護士チームは現在控訴を考慮中である。

いずれも有罪判決を受けたトランプとハンターの決定的違いは、4つの刑事事件で告訴されたのは元大統領であるが、ハンターは、大統領の子息であるため、後者は直接選挙とは無関係である。もちろん、ハンターが有罪判決を受けたため、トランプの同盟者はバイデン家族を犯罪一家としてレベルを貼る努力をすることで、バイデンの選挙を弱体化する努力も見られるものの、過半数の有権者は、トランプの虚偽を信じておらず、彼の有罪判決は正当であると見ていることが最近の複数の世論調査で判明していることはご承知のとおりである。また薬物中毒によって、正常な判断機能を失い、税金の支払いを怠ったハンターと2016年の大統領選の悪影響を避けるために口止め料支払いを行い、その支払いを隠匿するために意図的に財務記録を操作した前大統領の行為は犯罪の性質は大幅に異なっている。両氏いずれも犯罪歴はないが、トランプの場合、裁判中に判事に対する顕著な侮辱があったとされており、ハンターの場合は、そのような裁判所での態度の問題は報告されていないことも両氏間の違いである。