アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2024 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

Image result for Images of Trump Hotel in DC

トランプ大統領は23日、彼が公約していた政策も含めて3つの課題に関して大統領覚書に署名した。また、倫理ウォッチドッグは今日、大統領を憲法の倫理規定違反で告訴した。これらの行政命令及び告訴はどのような内容であり、何を意味している?

大統領覚書署名の一つは、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から米国を離脱する大統領令である。トランプ大統領は署名の前にTPPは企業に有利であるが、労働者には利点がないと述べ、経済国際協定は企業及び労働者の両方に利点がない限り意味がないことを示唆し、労働者を優先する公約を果たしていることを強調した。TPPには反対傾向が強く、一時曖昧な立場であったヒラリー.クリントンも恐らく同様の措置を取っていた可能性がある。トランプは選挙期間中、TPPは米国の労働者や企業を傷つける「恐ろしい取り引き」であり「潜在的な災害」であると主張していた。

二つめの署名はMexico City Policy (メキシコ.シティ政策)と呼ばれ、連邦政府の資金を受けている全ての外国の非政府組織(NGOs )に、家族計画の方法として世界の各地で中絶サービスの実施または促進を控えることを要求する米国政府の政策である。1973年以来、米国国際開発庁(USAID)はヘルムズ憲法改正の判決に従い、中絶を援助する連邦政府資金調達を禁止している。これは党派的に対応が異なっている中絶に直接関係があるため、1984年のレーガン政権以来、共和党及び民主党は政権が入れ替わる度に、この政策を強化または弱体化することを繰り返している。2009年オバマ大統領は、ブッシュ政権による連邦政府資金調達の禁止を解禁し、2017年1月23日トランプ大統領は、NGOsに対する中絶サービスの連邦資金を停止する行政命令に署名した。

最後の大統領覚書の署名は、防衛関係者または軍隊、公安、公衆衛生の労働者を除き、連邦労働者に雇用凍結を課す行政命令である。これは公務員の数が減少する可能性があるため、政府関連の事務所では待ち時間が長くなり、水及び環境などの安全性を点検または監視する労力が限定されるため問題が生じる可能性がある。従って、関係者は「トランプ大統領の行動は、すべての人に利益をもたらす政府のプログラムとサービスを混乱させ、政府機関の従業員が既に実施している仕事を更にコストがかかる請負業者に委託することで、納税者のコストを大幅に増やすことになる」と批判した。基本的に組合関係者は「雇用の凍結は有害であり、逆効果であり、残業が増え、サービスの質が低下し、政府の助けを求めるアメリカ人にとって益々多くの不満が生じる」としてこの行政行動に反対している。

一方、ワシントンDCに拠点のあるCitizens for Responsibility and Ethics(責任と倫理のための市民)グループはトランプ大統領を憲法のエモルゥメンツス条項違反で連邦裁判所に訴訟を提訴した。23日のワシントン.ポストによると、ウォッチドッグであるこの市民団体は「トランプ所有の建物は外国の政府からの賃貸料、部屋の賃貸料などを支払うため、大統領はエモルゥメンツス条項に違反していると述べた。トランプは今朝、ホワイトハウスで訴訟の背後にある主張を却下し 「メリットがない。全くメリットがない」と述べた。これを昨夜最初に報告したニューヨーク.タイムスによると、このグループは著名な6人の憲法学者、最高裁判所の訴訟担当者、元ホワイトハウスの倫理弁護士チームで構成されている。ニューヨークの連邦裁判所に起訴された訴訟は金銭的損害賠償を求めていないが、トランプ.ホテルやゴルフ場での利用者による外国政府機関からの支払い、外国政府が支配している特定の銀行から彼の事務所への融資、政府機関であるアブダビ観光局のようなテナントとのリースを停止するよう裁判官がトランプ大統領に命じることを求めている。

法学者及び倫理学者は幾つかの海外政府による影響を懸念している。例えば、フォファハム大学法学部の教授ゼファー.ティーチャウトは、外国政府がトランプの家族にメッセージを送る方法として、トランプのホテルの部屋を借りることができると警告し「他の国が貿易や軍事政策に影響を与えるためトランプ企業との関係を活用することはないと考えるなら、それはナイーブです」と語った。ニューヨーク市の弁護士ノーム.アイゼンは、この告訴はトランプの納税申告書にアクセスする可能性があり、中国やロシアからお金を借りていると推測されているビジネスの詳細を明らかにする可能性があるとの希望的観測を表明した。

トランプはワシントンDCの連邦政府の建物をホテルに改造し、それをリースしているが、大統領に就任した後もリースをし続けることは、ビジネスと大統領職を分離することにはならないため、それ自体が違反であると指摘されている。更に専門家はホテル及び他のビジネス活動で外国政府から支払いを受けることは憲法違反であると指摘した。ホテルの支払いをトランプ大統領が直接受けない限り、エモルゥメンツス条項には違反しないと述べる専門家もいる。これらの論争はトランプ前の政権下では表面化しなかった問題であるため、時間をかけた徹底した論議が必要である。