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米国人の自殺率は30年間で最も高いレベルに達したことが判明した。社会および経済的問題に直面する40から64歳までの自殺率は最も高く、致命的でありながら比較的簡単に実行可能な窒息は最も頻度の高い自殺手段である。米国の自殺は10番内の高い死因の一つである。引き続き、報告されている中年の自殺増加傾向は深刻で惨めな米国社会の一面を反映している。

2016年4月22日に公表された疾病対策予防センター(CDC)の調査によると、米国の自殺率は1986年から1998年までは減少傾向であったが、1999年から2014年まではほぼ着実に増加した。1999年から2014年まで、米国の年齢調整した自殺率は人口10万人当たり10.5%から13.0%、2006年後の大きな増加ペースで24%増加した。自殺率は1999年から2014年まで、男女両方および10歳から74歳までの全ての年齢層に増加した。10歳から14歳までの女子の自殺は同期間に200%増加し、45歳から64歳までの女性の自殺率は1999年および2014年のいずれも最も高く、1999年以来2番目に高い63%増加した。45歳から64歳の男性の自殺率は2014年に2番目に高く1999年の20.8%から2014年には29.7%の率で増加し、43%の最も高い記録を示した。

2014年に男性が自殺した方法は銃器の使用であり、最も高い55.4%を占め、女性の自殺方法は毒物使用であり34.1%で最も頻繁に利用された。窒息による自殺の割合は、1999年と2014年の間に男女とも増加した。2006年から自殺の年間上昇率は2%であり、1999年の約30,000人 から2014年には約 43,000人が死亡したと報告されている。一般的に死亡率が低下している背景で自殺は増加しており、10歳から64歳のグループの自殺は10の主な死因の一つである。自殺率の年間平均は1999年から2006年の前半より、2006年から2014年の後半には更に増加した。

アメリカ国立医学図書館によると、1999年から米国の中年男女の自殺は増加し、2007年から 急増している。自殺の状況は年齢によって大きく変化し、仕事、財務、および法的問題は40歳から64歳の人口層に最も共通している。2005年と2010年の期間、年齢層の「完全な自殺」は32.9%から37.5%に増加した。しかも、窒息による自殺は同期間に15歳から39歳の自殺率が18.0%、65歳以上は27.2%、40歳から64歳まで59.5%である。この中年層は致命的な窒息を自殺の手段として選んでいる率が最も高い。これは事前に面倒な準備をする必要も無く比較的簡であることが要因である。

米国社会の40歳から64歳の年齢層の自殺は心理的、生物学的、社会的要因が伴う重要な公衆健康上の問題であるとCDCは指摘している。2013年5月2日、CDCは人口動態的に白人中年層の自殺が過去10年間で急増していることを報告した。引き続き失業、住宅ローンなどの経済的危機に直面している中年世代は想像を絶する人生の葛藤がある現状を反映している。米国が真に豊かな国際社会の一員であるなら、この年齢層はもっとも盤石であるはずであるが、追随を許さない自殺率を維持している先進国の中では米国だけであり、深刻で惨めなアメリカ社会の一側面を反映していることを示唆した。