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トランプ大統領は、最高裁で1年以上空席になっているスカリア判事の空席を埋めるため2月6日にニール.ゴーサッチ判事を指名した。両氏はインタビューで一回会っただけであり、それまでの面識はなかった。上院議会での承認プロセスで注目を浴びているゴーサッチ氏に対する聴問会は昨日から開催されている。ゴーサッチ判事は今日の聴聞会で、トランプ氏から独立している強い印象を与えた。上院司法委員会での質疑応答の様子から、彼は穏健派、正統派、常識的、潔癖な印象を受けた。具体的なケースに関する司法評価の立場を明らかにする事を避けたが、政治及び党派的政策に左右されない司法プロセスの重要性を強調し、幾つかの課題においてトランプ氏の政策に反する決定を下すことに問題はないことを明白にした。

トランプ氏は最近、イスラム国からの移民禁止に関する大統領令を最高裁に上訴すると述べている。当然、ゴーサッチ判事が上院で承認された後、最高裁で争う可能性もあるため、この禁止令に反対する両党の多くの委員会メンバーはこの政策に関する判事の見解に深い興味を示した。特に、多くの議会メンバーにとって、彼がトランプ氏に指名された判事であったとしても、司法上の独立性があるかどうかは最も重要な関心事である。今朝、上院司法委員会の民主党リーダーであるパトリック.リーヒィ氏は「裁判官、米国に宗教試験があってはならない事に同意しますか」と尋ねた。リーヒィ氏は「軍隊の宗教検査は不適切である」と述べ、宗教に基づいて米国からの人々を禁止することは同様に不適切であると語ったが、ゴーサッチ判事は「もっと具体的」な説明を求めた。リーヒィ氏は「最近ある共和党議員は『ゴーサッチ氏はトランプの禁止令を支持する』と言いました」と語った。ゴーサッチ判事は即時に反応し「上院議員、多数の人々は多くの馬鹿げたことを言います」と反応した。ゴーサッチ判事は 「最高裁で提起される可能性がある判例についても私がどのように判定するかをここで語ることはしません」と述べた。しかし、軍隊に対する宗教テスト及び特定の宗教(イスラム教徒)を禁止する措置は平等の保護を保証する憲法修正第14条に違反すると答えた。

また、彼を「指名した大統領に反して判定することに問題があるかどうか」を単刀直入に尋ねた。ゴーサッチ判事は「特定の法律や判例の事実に必要な事以外には、いかなる党に対しても支持または反対の決定を下すことに困難性はありません」と述べ、「共和党の裁判官または民主党の裁判官というようなものはありません。この国には裁判官がいるだけです」と語った。トランプ氏の意思に反する決定をすることには問題はないことを明白にし、彼自身は党派的ではない事を強調した。また「法の上に人はいません」と繰り返し強調し、米国の大統領も含めて法律が史上であると語った。つまり、大統領は法律を超えた絶対的な立場ではないことを明言した。

トランプ氏は、キャンペーン中プロライフであることを明確にし、1973年の最高裁判決であるロー対ウェイドの40年以上の歴史を変える意向を表明した。従って、この点でゴーサッチ判事はトランプ氏と同じ立場の保守派であると噂された。上院議員共和党のリンジィ.グレイアムは最初の質問で 、トランプ大統領は1973年の最高裁判決である 「ロー対ウェイドを転覆するよう貴方に依頼しましたか」と尋ねた。ゴーサッチ判事は素早く「ノー、もしトランプ氏が判定を要請していたら部屋から立ち去ったでしょう」と述べ、「それは裁判官が行うことではありません」と反論した。また、グレイアムは数年前から上院議員が推進している20週中絶禁止法案の話を展開した。ロー対ウェイド下では胎児の生存能力は約24週であると判定されている。彼は最高裁のロー対ウェイド判決をどのように思うかと尋ねた。ゴーサッチ判事は「女性は中絶の権利があります」と答えた。また医学的な特定の質問に対して「私は科学者でも医者でもありません」と答えた。また、グレイアムは彼が「個人的にトランプと会ったことがあるか」どうかを尋ねた。ゴーサッチ判事はインタビューの時にあっただけであると答えた。実際にトランプ氏の指名候補判事を選択したのは複数の保守派組織であり、両氏はお互いに以前あったことはないことを示唆した。

トランプ氏はキャンペーン中テロリズム対策の一環としてウォーターボーディングと呼ばれる水責め拷問を復帰させると語った。グレイアムは水責め拷問に関する合法性を提起し 「ウォーターボーディングを開始した場合、あなたは弾劾されるかもしれない」と述べ、この法廷ではこのような拷問は認められていないと語り「トランプは拷問が機能すると言っている」と語った。ゴーサッチ判事は「上院議員、弾劾権はこの議会に属しています」と述べ、立場を明白にすることを控えたが、ここでも「法の上に人はいません」と答えた。

また、トランプ政権は先週2人の反LGBTQ(レズビアン、ゲイ、両性愛者、性転換者、風変わりな人)グループの関係者を国連の公式な米国代表団に指名したため批判されている。同性愛者を含むLGBTQの少数派を保護することは民主党の課題の一つである。民主党上院議員ディック.ダービンはLGBTQの人をどう思うかと尋ねた。ゴーサッチ判事は「彼らの何についてですか?彼らは人々です」と答えた。ダービンは「もちろんです。貴方は以前、公平に扱われていないと信じている彼らのような少数派のために立っている記録があります」と述べ「貴方はその分類に関連した判例の声明や事例を指摘できますか」と質問した。ゴーサッチは、それぞれの判例とそれぞれの人を「この人」ではなく又は「あの人」でなく、各判例と各人を「人として扱う」努力をしたと答えた。また「法の下で平等な正義」があり、それは「人類の歴史において根本的な約束です」と語った。ダービンは「それは性的指向にも言及しているのですか」と尋ねた。これに対し「上院議員、米国最高裁は同性結婚が憲法で保護されていると判定しました」と答えた。

ゴーサッチ判事は実際には保守派の二つのグループであるヘリテージ財団及びフェデラリスト社会に選択された人物であり、上院司法委員会は彼がトランプ氏と個人的な付き合いはないこと、及びトランプの政策に反する判定をすることに問題はないことを確認した。ゴーサッチ判事は、大統領も含めて「法の上に人はいない」を繰り返し強調し「司法プロセスを真剣に受け止めている」と語り、三権分立を重視し、直面する個々の判例において憲法と法律を遵守する強い信念を持つ判事のイメージをアピールした。例えば、宗教、中絶、 拷問、同性結婚に関する質問については「憲法は同等の保護を保障している」と述べ、一定の課題において、法律に忠実な判事である印象を受けた。強固な保守派といわれているイメージを払拭する努力も見られ、トランプ氏とは驚くほど立場が異なる司法的独立派であることを示唆した。