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米国最高裁判事は16日に7対2の圧倒的多数派の同意により、バイデン政権の消費者金融保護局と呼ばれるウォッチドッグ組織の権利に異議を唱える保守派の上訴を却下した。判定は、結果的にトランプ政権によって一部消費者保護が弱体化された側面に対して活気を取り戻す結果になるため、市場の公正性、透明性、競争力を保証することを意味する。

米国最高裁は16日、消費者金融法の執行を任務とする連邦機関である消費者金融保護局又はCFPB(The Consumer Financial Protection Bureau)に資金を提供するために使用される構造の合憲性に対する異議申し立てを棄却した。CFPB対CFSAA(Community Financial Services Association of America)の判例で、米国最高裁は、略奪的な企業から消費者を保護するという判決を下した。これは市場の公正、透明、競争力を保証したことになる。CFPBは16日の声明で、「今日の決定はアメリカの家族と誠実な企業にとって同様に大勝利です。この判決は、CFPBの資金調達構造は新しいものでも珍しいものではなく、実際には国の金融規制システムの重要な部分であり、CFPB機関とシステム全体に安定性と継続性を提供するという事実を支持しています。私たちが設立以来行ってきたように、CFPBは議会がアメリカ国民のために実行するよう課した重要な消費者保護活動を継続して実行していきます」と述べている。

消費者金融保護局 (CFPB)は、金融分野における消費者保護を担当する米国政府の独立機関である。その管轄範囲には、銀行、信用組合、証券会社、給料日貸付業者、住宅ローン返済業務、差し押さえ救済サービス、債権回収業者、および米国で営業するその他の金融会社が含まれる。CFPB は2007年から2008年の金融危機とその後の大不況に対する立法的対応として、ドッド・フランク・ウォール街改革および消費者保護法によって認可され成立された。CFPBによると、議会は2011年に金融セクターにおける略奪的および不正行為から消費者を保護することを目的とした主要な連邦監視機関としてCFPBを設立した。その発足以来、400万件以上の消費者苦情に対処し、200億ドル以上の消費者救済を行ってきた。

最高裁の判定のおかげで、CFPBは、訴訟によって16日に最高裁が判定を下すまで、活動が麻痺していたが、再度積極的な取り締まりが可能になった。この最高裁の判決によって、連邦政府機関の行動権限は妨害されないことになったため、給料日の貸付業者や貧困層に高額な短期ローンを提供するその他の企業に対する積極的な取り締まりを再開するという。ワシントンポストが17日に伝えたところによると、その判定により「有力な金融会社が規制を阻止し、同局の資金調達を危機にさらし、最近の捜査や処罰を回避するためにその闘いによって生じた不確実性を利用してきたCFPBにおける根強い政治的および法的障害がいくらか緩和されることが期待されている」という。

CFPBに対する弱体化は2017年1月から就任したドナルド・トランプの政権時代から始まった。トランプ大統領の下で、同局は後に消費者保護の一部を廃止したが、給料日貸し業者は依然として訴訟を進めており、訴訟は同局の独自の資金調達構造に左右されるという。CFPBは最初に、長期的に遅れていた給料日融資規則の施行を開始するという。この規制は主に給料日貸付業者や車所有権貸付業者が顧客の銀行口座から繰り返しお金を引き出そうとする行動を防ぐことを目的としている。また、CFPBは法的不確実性に直面して滞っていた少なくとも14件の既知の訴訟と調査の作業を再開する予定である。

要するに、消費者金融保護局(CFPB)は、文字どおり金融業界の無謀な行動を監視することで、消費者を保護する重要な機関である。波乱の多い同局の関係者は辞任することが多いことでも知られている。バラク・オバマは2007年から2008年のサブプライム・ローン危機後の2009年に就任しているため、一般にドッド・フランクと呼ばれるドッド・フランク・ウォール街改革および消費者保護法に2010 年 7 月下旬に署名した。この米国連邦法は元々、米国の財務規制システムを大幅に改革するため、当時の大統領オバマに2009年6月に紹介され、制定された。その後も、複数の企業は公的にオバマ政権の規定に反対する声を高めていた。このような歴史を見ると、最高裁の16日の判定は消費者金融保護局に活気を与えたようである。