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年月日が2012年12月12日で、稀に同一ナンバーになった今日、米国国勢調査局は人口動態的側面から2060年の米国 社会像を予測した統計を発表した。それによると、米国は徐々に老齢化し、少数派の人口が増えるため、益々、他民族の国になると予測している。 2010年の国勢調査に基き、2012年から2060年までに米国が年齢、性別、人種などの傾向からどのような 社会になるかを具体的な数値で示した興味深い研究報告である。

この研究で最もあり得ることは米国も例外なく高齢化が進むということである。2060年までには、65際以上の人口層は約4,310万から9,200万になり、現在の2倍以上になる 。従って、65歳以上の人口は、現在の7人に1人から2060年の終わりまでには5人に1人になる。老齢者の数も劇的に増大し、85歳以上は3倍になる。その数は、590万人から1,820万人に達し、総人口の4.3を占めることが予測されている。

非ヒスパニック系白人の人口は2012年の1.978億から2024には1.996億でピークを迎えると予測されている。他の人種や民族とは異なり、非ヒスパニック系白人の人口は2024年から徐々に減少し、2060年までには わずか2,006万人になると予測されている。一方、ヒスパニックの人口は、2012年の5,330万から2060年には1.288億の2倍以上に増えることが予測。結果的に、 6人に1人がヒスペニックである現状から、3人に1人はヒスパニックになると予測。同時期の黒人人口も4,120万から6,180万人に増大すると推定。2012年の総人口13.1%から、2060年には14.7%と、かろうじて増大することが予測されている。

アジア系人口は2012年の1,590万から2060年には3,440万人に増大し、総人口の5.1%から8.2%に増大すると予測。アメリカ.インデアンとアラスカ先住民の人口も、2060年までには現在の390万から630万に増大し、総人口の1.2%から1.5%に増大する。更に、ハワイ先住民やその他の太平洋諸島の人種も 、現在の706,000から140万人と、約2倍増大する。2つ以上の人種の混血に分類される人口層は現在の750万から2,670万の3倍以上になることが推定されている。米国は、2043年には過半数少数民族の国になることが推測されている。

非ヒスパニック系白人が最も多いグループとして残るが、過半数を構成するグループは存在しない。現在、総人口の37%の少数派は2060年には57%を構成することが予測されている。全少数派の人口は現在の1.162億から2060年には2.413億で2倍以上になると推定。高齢人口は引き続き、圧倒的に非ヒスパニック系白人であり、一方、若い世代は増々少数派になることが予測。

また、2060年には65歳以上の老齢者は56%が非ヒスパニック系白人で、21.2%はヒスパニック、12.5%は非ヒスパニック系黒人であると推定。2012年、非ヒスパニック系白人で18歳以下の人口層は52.7%であるが、その数は2060年までに32.9%まで減少する。一方、18歳以下のヒスパニックは2012年の23.9%から2060年には38%まで増大することが予測。

米国の総人口は2051年には4億に達し、2060年には約4.2億になることが推測されている。今回発表された国勢調査局の未来予測図は、今後50年間で、米国は高齢化と他民族化が進み、白人は2040年代には多数派ではなくなる。米国は「白人社会ではなくなる」と10年前も予測されていることが30年以降には現実になりそうだ。ヒスパニックの人口層が圧倒的に増えるがどのグループも多数派に属さない、他民族社会になると推定している。 非白人少数派の誕生数が白人の誕生を超過し続けている傾向が判明している今日、このような予測は必然的かもしれない。