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1月, 2013 のアーカイブ

ハリケーン.サンディ後の経済状況

1月30日、複数のメディアは米国の経済が落ち込んでいると発表。昨年四半期の支出削減が影響していると見られているが、個人消費の伸び、住宅価格が緩やかに改善していることも報告されているため、ハリケーン.サンディ後の経済状況はさほど悲観するほどでもないようだ。 (さらに…)

銃規制に第一歩を踏み出した上院議会

ニュータウンでの悲惨な事件後初めて、上院司法委員会による聴聞会で 3時間以上におよぶ銃の暴力を防ぐための真剣な討議が展開された。最初に、2011年1月、アリゾナ州ツーサンで起きた襲撃事件で6名が射殺され,頭を撃たれて奇跡的に一命をとりとめたアリゾナ州の議員ガブリエル.ギフォーズ氏は聴聞席にエスコートされた後、ゆっくりであるが、はっきりと透き通るような声で手書きの短いメモを読みあげた 。 (さらに…)

超党派の移民改正法案は政治的又は必然的?

28日、上院議員8名(民主党4名、共和党4名)は超党派の包括的移民法の草案を紹介した。民主党および共和党の合意に基づく画期的な発表は1,100万人の不法移民に市民権又は永住権への道を開くことを提案したものである。特に、共和党の4名は、包括的移民改革を5〜6年前に一度支持したことがあるジョン.マケイン氏を含め、長い間移民法の改革については民主党を支持していた議員達である。オバマ氏と似たような移民政策を提案したマルコ.ルビオ氏もその一人である。両党一部の上院議員らが一体となって包括的移民改革法案の通過を強く要請したことは、劇的な出来事である。 (さらに…)

日米の子供達に対する食の健康管理

日本の学校給食は、第二次世界大戦後、近代化の西洋諸国に追いつくため、子供たちの健康な食生活の向上を目指し、その後、歴史的に世界に誇るシステムが維持されている。一方、米国は2010年12月13日に、健康で飢餓のない子供の法 (The Healthy, Hunger-Free Kids Act、HHFKA) が成立したばかりである。これはミッシエル.オバマ氏と、米国農務省が一体となって、子供の肥満を減少させるため朝食、昼食を含む学校給食を基準化したプログラムである。 (さらに…)

性別格差が縮まる軍隊の世界

1月24日、米国国防長官レオン.パネッタ氏は、女性兵士が戦闘のフロントライン(最前線)に配置することを禁止した規定を公式に解禁した。軍隊の世界も平等性の側面で向上を目指していると言えるが、これは何を意味しているのか? (さらに…)

就任演説に秘めたオバマ大統領のメッセージ

21日に開催された豪勢な第57回就任式でのオバマ氏のスピーチは、総体的にレトリック(修辞的) 文体であった。「終えていない旅」がテーマーになっていて、詩的で愛国的であり、華麗な文体の内容に、第二期目の大統領としての決意が秘められていた。また、リベラルな大統領のイメージを前面に打ち出し、過去4年間のセントリスト(中道派)のイメージを払拭したスピーチであった。 (さらに…)

ギャップが目立つメディケイド.プログラム

メディケイドは、連邦政府の補助金と監督下で、州政府の予算支出に基づいて、低所得者の成人と子供および身体障害者のために準備された主要な健康保険プログラムである。多くの州は、不況と緩慢な経済回復のため、財政上の制約があり、メディケイド受益者の適正資格を抑制する傾向がある。 (さらに…)

ロー対ウェイド判決から今日で40年  

25日更新:図表添付

1973年1月22日は、米国最高裁が歴史上最も論争的な決定を下した日である。ロー対ウェイド判決は、米国憲法改正法第十四条で保障している女性に妊娠中絶の権利を支持したものである。米国最高裁は、テキサス州の貧しい未婚女性ジェーン.ロー(本名:ノーマ. マクコーヴェイ)に対して、妊娠中絶を禁じたテキサス州の判決は非合法であるとして画期的な決定を下した。 (さらに…)

第57回大統領就任式とパレード(写真添付)

44代オバマ大統領の就任式は、昨日21日、晴天に恵まれ盛大に開催された。2013年の就任式は、1863年1月の奴隷解放と議事堂の頂上に自由の女神を設置した同年から丁度150周年にあたる記念日でもあるため、公式テーマーは忍耐と団結を基盤にした「米国の未来」である。米国史上初めての黒人大統領として二期目に入ったオバマ氏の就任式は、歴史上もっとも意義深い記念日になると言われている。 (さらに…)

米国の移民政策の現状

ドリーム法案は、2001年にイリノイ州民主党議員、デック.ダービン氏に紹介された。2006年、オバマ氏と同様の案が、ジョージ. W.ブッシュ政権下で提案されたが、共和党議員の承認を得られず最近まで大きな進展はなかった。しかし、2012年、イリノイ、カリフォルニア、ウイスコンシン、マサチューセッツ、メリーランド、テキサス、ユタ、ネブラスカ、ニューメキシコ、ニューヨーク、ワシントンなど多くの州が独自のドリーム法案を制定し、不法移民への対策は向上しつつある。 (さらに…)

アイゼンハワー軍産複合体の危険性を警告

1961年1月  17 日、34代共和党大統領のドワイト.アイゼンハワーはホワイトハウス から送別会のスピーチを行い、米国民に軍産複合体の危険性を警告した。軍産複合体とは軍需産業と軍事の結合を意味する。その概念は、国は軍産複合体を強化し、軍事費への政治的支持を先導する公共政策であり、ヨーロッパでは第一世界大戦中、アメリカでは第二次世界大戦後に台頭した 。 (さらに…)

包括的銃規制案:バイデン.オバマ両氏スピーチの概要

ここのところ圧倒的に銃規制の話題が中心となっている。昨日はニューヨーク州知事のアンドリュー.クオモ氏が強力な銃規制法案に署名した。同州は、ニュータウンの襲撃事件後銃規制法案の署名に成功した最初の州であり、現行法を更に拡大した。また、今日16日、ホワイトハウスで、副大統領ジョー.バイデン氏とオバマ大統領は、招待されたニュータウンの犠牲者の家族と、大統領に手紙を送った4人の子供とその家族の前で、包括的な銃規制提案の内容を発表した。その直後、同じ舞台の右側に座っている4人の子供達の前に移動し、23項目の執行業務書に署名した。 (さらに…)

ニュータウン悲劇から1ヶ月

コネチカット州ニュータウンの襲撃事件は昨日14日で1ヶ月目を迎えた。この日初めて、 複数の犠牲者の家族が心境を語り、 銃による暴力を減少させるため、精神病者が簡単に銃を入手できる現状を変えるため、また将来の子供達が安全で住みやすい社会を目指すため、個人、社会、政府レベルで可能な限り努力をすべきであると訴えた。全米の各所でより多くの人達がニュータウンの悲劇を語り続けることで、政治家を意識させると語っている。

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債務限度引き上げ紛争の現状

オバマ大統領は、14日記者会見を行い、共和党にたいし、債務限度引き上げに同意するよう緊急要請した。オバマ氏は、「米国は借金で疲れ果てた国じゃない」とし、議会が政府の借り入れ限度を引き上げることをブロックしているため、社会保障受益者への支払いが遅れると警告した。また、オバマ氏は、政府支出を減少するための協議をするつもりはあるが、債務限度の引き上げとは別問題として取り扱う立場を明確にした。債務限度を引き上げない限り政府には十分な予算がないことについて、「なんの魔術も、抜け穴も、簡単な出口もない」と語った。 (さらに…)

銃権利過激派の台頭

銃規制の波動が拡大している一方で、その反動も激しくなっている。武器保持者には、2つのタイプに大別できる。ひとつは武器保持の権利を主張しながらも、 常識的な範囲で銃規制の必要性を認めるタイプと、全ての銃規制を拒否するタイプである。 (さらに…)

銃規制提案の概要とNRAの拒絶表明

10日バイデン氏は、銃規制提案の一部概要を数日中にオバマ氏に提供する予定であると述べた。一方、会議に参加したNRAは拒絶宣言を発表した。 (さらに…)

バイデン氏の賢い銃規制戦略は成功する?

副大統領のジョー.バイデン氏が中心となって、精神異常者に関する教育、暴力的なビデオ.ゲームの見直しなどを含む包括的な銃規制を推進する 連邦政府の銃規制プロジェクトは 9日からスタートした。初日は、司法長官のエリック. ホルダー氏、「銃の暴力を終わらせる」ブレイディ. キャンペーンのグループや複数の州の代表者、最近の銃乱射事件で犠牲になった家族の代表者、 女性議員ガブリオ·ゲッフォード氏を含めて過去の主な銃乱射事件に遭遇し、生存した人たちなど、様々なグループとの会談が行われた。 (さらに…)

米史上記録的な不法移民の取締強化

ワシントンD.C.に拠点を置く、シンクタンクの移住者政策研究所 (MPI)は、オバマ政権は、 連邦政府の他のどの法務執行機関より、移民法施行に最も支出し, 不法移民の取締を強化している現状を報告した。 (さらに…)

ルーズベルトの自由宣言と軍産複合体

1月8日更新

今日1 月 6 日は、1941年に32代民主党大統領フランクリン.ルーズベルトが第77回の新議会で、一般教書演説を行い、第二次世界大戦中、最も危機に直面していた世界の国民に向けて宣言した「4つの自由」のメッセージが公表された日である。更に1942年1月6日の一般教書演説では、軍事力の拡大を提案した歴史的に重要な日である。 (さらに…)

食品安全規定は優先すべき課題のひとつ

米国食品医薬品局(FDA)は、果物や野菜などの抜本的な安全規則を推進する旨の提案を行った。これは年間に推定3,000人が食中毒で死亡している現状を改善するためである。 (さらに…)

銃規制支持の人道的理由

昨日、コネチカット州、ニュータウンのサンディ. フック小学校の生徒たちは襲撃事件後から初めて学校に戻った。この学校での悲劇ほど、銃規制の世論が高まっている事件は前例にない。強力な銃規制の要求と支持はニュータウンでの襲撃事件後58%と記録的な上昇を示し、連邦政府もようやく本腰をあげている。 (さらに…)

弊害を抱えて幕開けした新議会

第113回米国連邦議会は多くの問題を抱えたまま、本日3日から開幕した。 新年初日に通過し、2日オバマ大統領が署名した財政法案は、歳入不足、削減措置の延期、債務限度引き上げ論争に加えて、財政法案の交渉紛糾でハリケーン. サンディの被災地に対する援助資金の対応が遅れているため、被災地の復興が進んでいないことが判明している。 (さらに…)

速報:下院でも通過

下院議会は、東部時間午後7時から「財政の崖」を避けるため、討議を開始し、約2時間後に投票を行った。結果的に、午後11時、257対167票で法案は通過した。内訳は、共和党で支持に投票した数は85、反対は157、民主党の支持票は172、反対票は16であった。オバマ氏は、約20分後に感謝の意を表明し、この可決が経済回復の第一歩になると語り、これから署名すると述べた。公約どおり、98%の国民および97%の中小企業は増税を免れることになる。予想を超える85名の共和党議員が富裕層に増税することを支持した点において、また、期限ギリギリの時点で国民のために両党が歩み寄りを示した点でも歴史的に意義のある劇的な法案の通過であるが、多くの問題が残されている。

財政交渉は新年から好転換?

昨夜期限切れの3時間前、副大統領ジョー. バイデン氏と共和党の上院議員少数派リーダー、ミッチ. マコーネル両氏は、富裕層に増税することに同意したが投票までには至らなかった。しかし新年の本日、上院は圧倒的にこの案を承認し、89対8で通過した。下院で可決すれば、1984年以来、初めての増税になる。 一方、下院は上院が通過した法案の内容について検討するため、今朝会議を開催したがまだ投票に至っていない。 (さらに…)