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ブラック.フライデーのバーゲンセールは、場所によって異なるが、感謝祭27日の午前中に開店したストアも多い。27日の夕方から一晩中営業したデパートや店舗もあり、28日の全国各地のショッピング.モールは大混雑である。長い列を待つか又はオンラインでのショッピングを余儀なくされている状態である。しかし、今年は単なるショッピング客の混雑だけでなく、ミズリー州ファーガソンの事件で異常なプロセスを踏まえた大陪審の24日の決定に異議を唱える抗議活動家らが、多数の都市でブラック.フライデー.ショッピングのボイコットを訴え、今日も各地でその抗議が続いている。

今年もバーゲンを狙う買い物客の勢いに良好な経済効果が期待されている反面、過去の繁盛は衰退した地域もある。28日のニューヨーク.タイムスによると、感謝祭の27日に全国のウォルマートで買い物した客は2,200万人であった。この数値は年間にディズニーのマジック.キングドムを訪れる客数より多いという。更に、今週末には推定1.4億人のアメリカ人が何処かの店頭で、またはオンラインで買い物すると予測されている。驚くことに、この数値は11月4日の中間選挙の投票者数を超過している。一方、ブラック.フライデーのショッピングの混雑は年々減少する地域もあり、オンラインでのショッピングが定着しつつある。経済学者は、特にこれまで売上高が低迷した年の後に、小売業者が最大のショッピング時期であると考えているブラック.フライデーの週末に買い物客を引き寄せることが出来るかどうか注目している。明るい経済見通し、最近のガソリン価格低下は消費者の確信を上げ始めている。しかし、特に低所得世帯の乏しい賃金上昇による不均等な景気回復が続いた為、消費者の間で警戒心が長引いている兆候があると指摘している。

これに加えて、特に感謝祭の夜から今日にかけて街頭に立ちボイコットを訴える抗議活動家達がいる。24日の月曜日、9人の白人および3人の黒人で構成されるミズリー州ファーガソンの大審判は8月9日に18歳の黒人マイケル.ブラウンを射殺した警察官ダレン·ウィルソンを起訴しないと決定した。その後、激怒した抗議者らは10カ所以上のビジネス関連の建物を燃やし、警察と衝突した活動家の100人以上が逮捕された。正義を求める抗議は全国各地に拡大した。大陪審の文書には「警察の手続きが非正統的」または異常であると報告されている。ウィルソンは非武装のブラウンを射殺した後、警察署に戻り、血のついた手を洗い、射殺に使ったピストルを証拠用バッグに入れたと大審判で証言した。この行動は、警察の手順および犯罪現場の処理のプロトコールに違反すると言われている。ブラウンを射殺した後のウィルソンの多数の動きは異常であったと専門家は述べている。また、検察官のボブ·マカロックは「物証は目撃者の証言と異なる」と述べたことも含めて、犯罪者を追求すべき検察官がウィルソンを擁護する弁護人であるような言動が多かったと言われている。通常、証拠に関する賛否両論を展開するのは裁判審判員の任務であり、大審判および警察官の任務ではない為、ブラウンのケースはそのプロセスが異例であると言われている。

いずれにしても、論争的で不可解な大審判の決定に対する抗議活動は全国の幾つかの地域に拡大し、26日にはカリフォルニア州のオークランドでビジネスの建物を破壊する行為があり、ロスアンゼルスでは警察の退散命令を拒否した為100人以上が逮捕された。オレゴン州のポートランドでは交通を遮断した為、警察は催涙スプレーを使用し、約300人を逮捕したと報告されている。また、一部のセレブはブラック.フライデーでのショッピングをボイコットするよう呼びかけたことが報告された。27日、28日のブラック.フライデーには、セントルイスでも活動家がソーシャル.メディアを利用し結集した後、ウォルマートやターゲットの前で抗議活動を行った。幾つかの警察や州兵の車輛がパトロールしていると報告されている。28日シカゴでは、約100人の活動家が通行人にショッピングのボイコットを訴え、ソーシャル.メディアを通して、ブラウンのケースは「資本主義が人種差別に間違いなく結びついている」と主張しているという。

ボイコット運動は24日の大審判の決定後に開始された。ファーガソンの事件も人種問題が要因であると言われているが、この事件が8月に起きた時、ブラック.フライデーのボイコットにまで発展するとは誰も予期しなかった。アメリカ人は年間で最も利益がある感謝祭の休日中、500億ドルを出費すると言われている。また、黒人は米国全人口の約14%を占め、消費者グループとして、黒人の購買力は1兆ドルであると言われている。黒人が買い物に出かける頻度、テレビを見る頻度、財務誌を読む頻度は他のどのグループより高いと報告されている。従って、この事件が経済にどの程度影響を及ぼすか、又今後法的にどのように展開するか不明であるが、抗議活動はエスカレートする可能性がある。