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今年の大統領選挙では、オバマ大統領とロムニー両氏の懸命な選挙資金獲得争いが目立ち、多大な関心を寄せるメディアも多い。本日(9日)のニュースによると、6月に集まった大統領の選挙資金は7600万ドル、一方、ロムニー氏は1億600万ドルである。資金の寄付者は、オバマ氏の場合、ハリウッド・スターが中心であるが、ロムニー氏の場合、米国1%に属する富豪者やウォール・ストリート(WS) の最高経営責任者(CEO)などである。WSの一部のCEOは、2008年の大統領選ではオバマ氏の強力な支持者だったが、今年は共和党候補に乗り換えるようだ。

6月26日の『ブロンバーグ』によると、2008年の選挙で、オバマ氏を支持していた一部のWSのCEOたちは、今回ロムニー氏の側についたようだ。その原因は、まず、オバマ氏のCEOに対する「太った猫」というあだ名と、ロムニー氏の個人資産記録を攻撃した宣伝に不快感を抱いている。更に、昨年から続いている「ウオール・ストリートを占拠する」運動のような「反金持ち運動の台頭、高騰する連邦政府の赤字、高い失業率、などの情勢から、ロムニー氏が大統領に就任するほうが気が楽だ」と思っている金融関係者も多いらしい。そのような一因から、今年はWSのCEOからの献金が減少しているため、オバマ氏は「草の根方式」の資金集め、例えば、ハリウッド・スター主催のパーティ参加や、技術関連の企業の大物から選挙献金を得ているらしい。

しかし、一般の米国民は、資金力だけで自国の指導者を選ぶことはないが、その資金力は、多様な側面に影響を及ぼす。しかし、経済の回復が最も重要だと考えている有権者は圧党的に多い。特に、比較的真剣な態度で投票に臨む有権者が多い「無党派州でオバマ氏への支持率がロムニー氏をリードしている」ようだ。両候補者は、テレビや宣伝広告を通して、政策のアピールとイメージ作りに、政治資金の一部をつぎ込んでいる。

USA Todayとギャロップが6月22日から29日の期間に合同で実施した世論調査によると、コロラド、フロリダ、アイオワ、ミシガン、ネバダ、ニューハンプシャー、ニュー・メキシコ、ノース・キャロライナ、オハイヨ、ペンシルベニア、バージニィア、ウイスコンシンの12の無党派州で、オバマ氏への支持率は平均47%、ロムニー氏の支持率は45%である。他の州では、前者が48%、後者が44%である。しかし、本日の『USA Today News』は、宣伝広告の効果を調査した結果も報告した。それによると、12人中1名は、宣伝広告で両氏に対する考え方が変わったと答えていて、無党派州では「76%が大統領を、16%がロムニー氏を支持している」と報じている。有権者は、宣伝広告を通して、更に「オバマ氏を良く理解できる」ようになったが、「ロムニー氏のことは良く理解していない」ようである。メディアを利用した宣伝効果は顕著であることは、歴史的に伝えられている。現在のところ、メディアを有効的に使いこなす点でオバマ氏がリードし、ロムニー氏が資金獲得争いで優位に立っている。