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22日の『AP通信』が発表した調査結果によると、米国の今年の貧困率は1960年代以来もっとも高いことが判明した。12名以上の無党派のリベラルおよび保守派の経済学者、シンクタンク・グループ、学者らが実施した調査によると、公式な貧困率は2010年の15.1%から2011年には15.7%まで増大するとし、1965年以来、最も高い貧困率であることが判明した。2011年には米国人口の約4700万人、または6人に1人が貧困状態であると報告している。

研究グループは、失業者、郊外に住む家族、最低貧困ラインの家族など、貧困層の幅は多岐に及んでいることを発見している。失業保険の受給期限後に仕事を探すことを諦めた人がもっとも貧困に陥りやすいと述べている。また、コロラド、フロリダ、ネバダなどの無党派州の多くの有権者は毎回の収入でなんとか生活していて、郊外に貧困層が増大していると報告。更に、かって中流階級が貧困層に低落しているケースも多いという。特に、ラスベガス郊外で貧困率が高く、2007年の9.7%から14.7%に拡大している。

今後の状況として、〔1〕12.5%水準以上の貧困状況は長年続くものと予測。また、貧困がピークに達するレベルは15%から16%で、少なくとも2014年まで続く。失業保険が切れるため、6%以上の失業率と給与が上がらない状況は今後も続くと予測している。〔2〕郊外の貧困率は既に11.8%を記録していて、今後も増大する。〔3〕2010年に15%の貧困率に属するパートタイムの労働者、または失業者は更に増える見込みである。〔4〕65歳以上の年配者は、年金などの社会保障制度に望みをつないでいるため、このグループの貧困率は歴史的に低い状態が続く。〔5〕子供の貧困率が2010年の22%水準から更に増加する。

『貧困、経済格差、公共政策ジョージタウン・センター』の理事、ピーター・エデルマン氏は「経済状況に根の深い問題」が失業の原因であると述べている。例えば、「長期的な景気後退」、「グローバリゼーション」、機械が労働者の仕事を奪う「オートメーション」化、工場を海外に移転させる「アウトソーシング」、「移民」、「労働組合化の減少」などに伴う経済的変化が中流階級の収入を押し下げていることを指摘している。「1990年代の経済成長後、1973年の11.1%の貧困率は減少することがない」と述べている。